ふだん、自分が口にするものをどんなふうに選んでいますか?
そう聞かれると、「なんとなく」とか「コスパのいいもの」とか「健康にいいもの」「おいしければいい」など、さまざまな意見があるかと思います。
自分や家族に直接関係することなのに、毎日当たり前のように食べているものがそもそもどうやってつくられて店頭に並んでいるのか、意外と知らないもの。
そこで、書籍『食の選び方大全』(サンクチュアリ出版)より、食にまつわるさまざまな知識・疑問から、選び方のポイントまで解説!
※書籍より一部引用・再編集してお届けします(全10回の10回目/9回目はこちら)
お米の品種は500以上!
日本でつくられている3種類のお米
日本人の主食といえば「お米」。日本の農作物の代表でもあります。
あまり知られていませんが、お米には大きく分けて3種類、「うるち米」「もち米」「酒米(さかまい)」というカテゴリーがあります。
このうち、うるち米がふだん私たちがご飯として食べているお米で、「もち米」は赤飯やお餅に使われるお米。
そして、「酒米」は日本酒をつくるときに使われるお米のこと。
その違いは何かというと、でんぷんやたんぱく質などの違いです。たとえばうるち米ともち米を比べると、でんぷんの性質が違います。
お米のでんぷんには「アミロース」と「アミロペクチン」があり、アミロースの割合が多いとお米はあっさりし、アミロペクチンの割合が多いほど食感はもちもちします。
もち米の場合は、アミロペクチンが100%。
一方の酒米は、日本酒をおいしく、効率的につくるために栽培されているので、粒が大きく、たんぱく質や脂肪分が少ない、そして水に溶けやすいなどの特徴を持っています。
中心に心白(しんぱく)という芯があるのも特徴で、食用には向いていないんですね。
ササニシキとコシヒカリの違い
大きく分けると今述べた3種類があるのですが、お米は品種としてはなんと500種類以上もあります。
そのうち、うるち米だけで約300種類。
そうした品種の違いは、先ほどお伝えしたでんぷんの種類、「アミロース」と「アミロペクチン」の比率の違いが主になります。
アミロースの割合が多い代表的な品種がササニシキで、ねばりが少なくさっぱりとした味わい。ゆっくり消化吸収される特徴があります。
昔の日本でつくられていたのは、このササニシキのようにアミロースの割合が多い、粘り気の少ないあっさり系のお米といわれています。
一方、アミロペクチンの割合が多い代表的な品種がコシヒカリです。粘り気と甘さが特徴で、冷めても硬くなりにくい性質を持っています。そのため加工品にも向いています。
あっさり系か、もちもち系か、自分の好みがわかっているとお米の選び方にも選択肢が出てきますね。
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食の選び方大全(サンクチュアリ出版/著者:あるとむ)
あなたの体は、選んだ食べ物でできている。調味料・野菜・果物・肉・魚・加工食品… あらゆる食品の選び方を、この1冊で完全網羅!
健康的な食事をつくるのは大切ですが、それ以前に、どういう食品や調味料を選ぶかは、意外と盲点。みなさんは普段、自分が口にするものをどうやって選んでいますか?
安くてコスパのよいもの?
「国産」や「オーガニック」と書かれたもの?
なんとなく健康によさそうなもの?
そもそも、私たちは毎日あたりまえのように食べているものが、どうやってつくられて店頭に並ぶのか、意外と知らないのではないでしょうか。
たとえば、
・醤油やお味噌はどんなふうにつくられているのか?
伝統的な製法と、一般的な市販品との違いって?
・「有機野菜」や「オーガニック」という言葉は、
漠然といいイメージがあるけど、どういうものなのか?
農薬や肥料とは、いったいなんなのか?
・よく聞く「添加物」とはどんなもので、どうやって付き合えばいいのか?
こうしたことは、自分や家族に直接関係することにもかかわらず、スーパーやコンビニで買いものしているだけでは、なかなかわかりません。
この本では、そんな食にまつわるさまざまな知識・疑問から、選び方のポイントまで、1冊でわかりやすくまとめています。
さらに、選び方を3段階で紹介。無理なく、自分のライフスタイルや状況に合わせて、実践することができます。