独身のアラサー世代女性が既婚男性と不倫をした場合に待ち受ける困難を、不倫問題に詳しい識者に聞きました。
【教えてくれたのは…】
(写真左から)
探偵|山村佳子さん
リッツ横浜探偵社代表。夫婦カウンセラー、メンタル心理アドバイザーの資格をもつ。浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影に定評あり。
精神科医|髙木希奈さん
精神科の専門病院で治療に当たるほか、テレビや雑誌で恋愛や不倫の心理について解説。近著に『間取りの恋愛心理学』(三五館)。
弁護士|篠田恵里香さん
東京弁護士会所属。アディーレ法律事務所勤務。男女トラブル、離婚問題などを多く扱う。編著に『損害賠償請求と手続き』(あさ出版)など。
あなたは、これだけの犠牲を払う覚悟ありますか?
1|そもそも不倫は法律に触れる行為
結婚している人は、法的に『婚姻生活の平穏を維持する権利』をもっています。不倫は相手の奥さんの権利を侵害する行為になるため、民法上では不法行為。損害賠償の責任を負うことになります(篠田さん)
2|親友が離れていく
不倫しているということ=理性を失っている状態。周りが見えなくなり、いつもは聞ける友達の忠告も耳に入らなくなるんです(髙木さん)
経験者’s VOICE「自分本位な言動をし続け愛想をつかされた」
親友からの『やめな』というアドバイスを無視して不倫し、つらさを訴え続けていたら『縁を切る』と言われた(32歳・独身・不倫経験1年半)
3|究極、キャリアを失う
不倫をしたという理由だけで、会社から解雇・左遷されることは基本的にありません。ただ、たとえば職場の環境を著しく悪化させた場合などは解雇が認められることも(篠田さん)
職場にバレて、白い目で見られいづらくなり退職、という人も珍しくありません(山村さん)
4|集中力が下がる
罪悪感や嫉妬、自己嫌悪…。常にマイナスの感情に支配され、心ここにあらず、という状態に(髙木さん)
5|ホルモンバランスがくずれる
不倫のストレスの影響で、ホルモンのバランスが乱れ、過食や食欲不振を引き起こしたり、生理不順、肩こりなどの症状などが出ることもあります(髙木さん)
6|婚期を逃す
アラサー世代に多いのが男性上司との職場不倫。毎日会える状況で話題も尽きないため、一度始まると2~3年は続きがち。結婚適齢期でもあるアラサーがその期間を不倫相手に捧げるのはかなり痛手(山村さん)
経験者’s VOICE「貴重な20代の半分をムダにしました」
『妻と別れる』と言われ、待ち続けること5年。親しい友人が次々結婚し目が覚めたときには、独身は私ひとりに(30歳・独身・不倫経験5年)
7|訴えられたら、弁護士費用30万超
不倫相手の妻から裁判を起こされた場合、弁護士費用は30万円程度は必要。裁判に負けると、相手側の弁護士費用の一部も負担しなければならない可能性も。また、裁判は月1回程度、少なくとも通常3~4か月続きます(篠田さん)
8|相手の妻からの反撃
怒った妻は怖いです。職場に乗り込んできたり、SNSに本人が特定できるような書き込みをされたり。妻の行為自体は名誉棄損などに当たる可能性が高いですが、やられたらおしまいという側面も(篠田さん)
9|セックスの詳細を法廷で証言する屈辱
裁判を起こされた場合、〝不倫をした本人〟として『どのような不倫をしたか』の尋問を受けることが少なくないんです。何回くらいどのような肉体関係をもったのかなどを、質問され答えることは女性にとって耐えがたいものです(篠田さん)
10|1回のセックスでも、示談金300万円
相手の妻にバレた場合、裁判にしたくないなら…と示談金を請求されることも。こうなると示談金は妻の言い値の世界。裁判になれば不倫の慰謝料は50~300万円程度。セックス1回で300万円になることは少ないですが、裁判を避けたければ300万円払わなければならないこともあり得ます(篠田さん)
経験者’s VOICE「裁判に慰謝料、左遷…だれも幸せになれない結末」
奥さんにバレて慰謝料200万円を支払いました。彼は『誘われただけ』と言い出し、悔しいやら腹立たしいやら…(29歳・独身・不倫経験3年)
11|貞操観念がなくなる
一度不倫をすると、不倫や性行為に対するタガが外れ、別れてもまた別の男性と不倫を繰り返す人が少なくありません(髙木さん)
12|LINE流出!
パートナーがこっそりスマホを見てLINE画面を撮影し、職場にばらまいたり、不倫した夫(妻)の両親に見せるという人が多いですね(山村さん)
性行為の感想やラブホテルに行く約束のやりとり、恥ずかしい画像や動画も裁判の証拠としてよく使われます(篠田さん)
13|男性不信になる
『妻とはうまくいっていない』『離婚する』などの甘い言葉を信じて待っていても、その日が来ることはほぼゼロ。そんな経験から疑心暗鬼になり、次につきあう男性のことも信じられなくなるんです(山村さん)
経験者’s VOICE「結婚していることがフェイスブックで発覚」
彼のフェイスブックを見ると、小さな子供と妊娠中の奥さんの写真が! もうだれも信じられない…(28歳・独身・不倫経験1年)
14|うつ状態に陥る
関係がうまくいかなくなると、うつ病まではいかなくても、うつ状態になってしまう人は結構います。不眠や、意欲や自信、興味関心の低下などが見られ、仕事や日常生活にも支障が出てきます(髙木さん)
15|慰謝料を請求される時効は20年
不倫で訴えを起こせるのは『不倫された妻が事実及び相手を知ってから3年』または『不倫が始まってから20年』。たとえば、不倫をした十数年後に事実を知られた場合も訴えられる可能性があり、慰謝料も請求されます。一度不倫したら、20年間いつ訴えられるかわからず、安心して生活できないと覚悟して(篠田さん)
アラサー女子は、なぜ不倫にハマってしまうの?
探偵|山村佳子さん
〝職場マジック〟でただのおじさんもステキに見える
「多いのは上司から指導されているうちに、同世代の男性にはない頼もしさや落ち着きに魅力を感じて…というパターン。特にOggi読者のように前向きで負けず嫌いな人は、彼の『離婚する』という言葉を信じて何年も待ってしまう傾向が」
精神科医|髙木希奈さん
真面目な人こそ経験のない強い刺激にヤミツキに
「不倫に走る原因として考えられるのが禁止されたものほどしたくなる心理〝カリギュラ効果〟が働くこと。もうひとつは〝吊り橋効果〟。許されないことをしているドキドキ感や背徳感を恋愛感情と錯覚し、性的快感にも結びつくのです」
弁護士|篠田恵里香さん
SNSで元彼とつながり「いいね!」以上の関係に
「SNSの普及で不倫はしやすくなっています。特に多いのが、元彼と再会し関係をもつパターン。一度つきあっていた相手ということもあり、セックスのハードルも下がるよう。運命のように感じるかもしれませんが、不倫は不倫です」
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2017年Oggi8月号「それでも不倫、興味ありますか?」より
本誌掲載時スタッフ:構成/酒井亜希子・赤木さと子・平澤奈々恵(スタッフ・オン)
再構成:Oggi.jp編集部