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【スタイリストが解説】テーラードジャケットとは?
通勤などきちんとしたシーンだけでなく、デニムなどカジュアルボトムを綺麗目にまとめるときにも大活躍するテーラードジャケット。その特徴やスーツ用ジャケットとの違い、選びのコツなどを、スタイリスト・城長さくらさんに教えていただきました。
テーラードジャケットの意味や特徴
「テーラードジャケットの『テーラード(tailored)』には『仕立ての、仕立てられた』という意味があり、直訳すると『仕立てたジャケット』になります。テーラーカラー(男性が着る背広のようなかっちりした襟)が特徴で、素材や形、仕立てがしっかりとしており、きちんとした印象があります」(スタイリスト・城長さくらさん 以下「」同)
スーツ用ジャケットとの違い
「スーツ用のジャケットは素材に光沢があるものが多く、肩パッドが入っているところが違います。また、スーツ用のジャケットは大体ボトムとセットで売られていますが、テーラードジャケットは単品で販売されているものも。素材もウールや麻などさまざまで、スーツ用ジャケットに比べると、ややカジュアルさがあります。そのため、ビジネスシーンに限らず、休日にテーラードジャケットを着る方も多いですね」
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ブレザーとの違い
「ブレザーもテーラードジャケットの一種です。ただし、ブレザーの素材はフランネルが多く、ボタンはメタルボタンが使われているため、ややスポーティな印象があります。そういった特徴があるものが、テーラードジャケットの中でも、特にブレザーと呼ばれています」
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テーラードジャケットを選ぶときはここをチェック
ブランドによって若干サイズが違うので、テーラードジャケットを買うときは試着がマスト。中でも「ここだけはチェックして!」というポイントを、スタイリストが解説します。
1.肩のフィット感
「デザインによってフィット感はさまざま。ジャケットは肩幅があっていないときれいに着こなせないので、肩のフィット感をいちばんにチェックしてください」
2.袖の長さを確認
「同じサイズでも、日本製と海外製で袖の長さが違うことが多いので、必ず試着して確認しましょう。ロールアップすることも考えると、袖の裏地のある・なしや、裏地の柄なども選びのポイントになりますね」
3.全体シルエット
「着丈はもちろん、フロントボタンの位置によって胴長に見えることもあるので、自分の身長に対してのバランスを見ることが大切です」
4.お手入れ方法
「ジャケットのお手入れといえばドライクリーニングが主流でしたが、近年、自宅で簡単にお手入れできるジャケットも増えています。ジャケットの使用頻度が高い人は、お手入れ方法から選んでみるのもありですね」
【最新】テーラードジャケットを今っぽく着こなすポイント
定番だからこそ、シーズンごとに着こなしを見直したいもの。ここからは、2024年らしいコーディネートや小物使いのコツを紹介します。
POINT1|肩がけするだけでこなれた印象に
「コーディネートが何か物足りないときは、ジャケットに袖を通すのではなく肩がけに。それだけでこなれた印象になりますよ。ただ、多少ラフな印象になるので、ビジネスシーンには適さない場合もあります」
POINT2|シャツやきれいめパンツを合わせてカリッと着こなす
「Tシャツ×デニムにジャケットをはおるような、ジャケットを着くずしたスタイルの人気がありますが、最近はシャツやワイドパンツなどを合わせたきれいめスタイルが見直されています。オーバーサイズのジャケットを選んだり、シャツをバンドカラーにしてみたり、パンツをたっぷりとしたワイドパンツに変えるなど、ジャケットそのものだけでなく合わせるアイテムも更新すると、グッと鮮度が上がります」
POINT3|+ベルトで今っぽく
「ジャケットの上から(共布ではない)ベルトをオン。コーディネートのアクセントにもなりますし、ウエストマークされてスタイルアップ効果も狙えます。ベルトひとつで、いつものジャケットが今っぽく見えますよ」
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【色ごとの着こなし】テーラードジャケットのおすすめコーデ
選ぶ色によって、辛口にも優しい印象にもなるテーラードジャケット。まずは、黒、グレー、ベージュといったベーシックカラーの着こなしから見ていきましょう。
黒|シックなジャケットをカジュアルトップスでこなれさせて
ボーダーカットソーでパリジェンヌ風に仕上げた着こなしに、シックな黒テーラードジャケットをはおって。トラッドを品よくくずしたこなれバランスに注目。
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ダークグレー|明るいグリーンで華やぎを加味
グリーンのカーディガンで、ジャケパンスタイルにさりげなく華やぎをプラス。テーラードジャケットはダークグレー、タックワイドパンツは真っ白ではなくアイボリーを。ちょっとくすんだ色味を合わせるのが、明るいグリーンをこなれ感たっぷりに着こなすコツ。
グレー|ハンサムジャケットでキュートなピンクを引き立てて
スモーキーピンクのタイトスカートに、グレーのビッグジャケット。真逆のテイストをMIXすることで、ひねりの利いた装いに。ジャケットのインにライトグレーのシャツをはさみ、奥行きを出すのもポイント。
ベージュ|きれい色プリーツで繊細な女っぽさを演出
ウールテーラード×ウールボトムは、もっさり重たく見える最も危険な組み合わせ。ウールとは真逆のサテンスカートを合わせれば、素材のコントラストで軽やかなリズムが生まれ、女っぽさも一気に高まる。きれい色を選べば、より華やかに。
ミルキーベージュ|かっちりとしたテーラードも色選びでやわらかな印象に
ウールテーラードの堅い印象が苦手、という人には、優しげなミルキーベージュがおすすめ。オフ白のニットタイトやファーバッグで品のいいかわいげを加えれば、フェミニンな好印象に仕上がる。
【シーン別】テーラードジャケットを使った通勤コーデ
きちんと感を重視した通勤スタイルをピックアップ。きれいめだけれど地味見えしない、着こなしのコツが詰まっています。
トレンドも取り入れた品格ある装い
きちんときめたい日は、ベーシックなブラウンジャケットに信頼度の高い黒スカートを合わせて。少しモードなフォルムの一着で、単なるシンプルでは終わらない意志の強さを感じさせたい。
定番の黒スカートは、フォルムで個性を出し着こなしの鮮度を上げて
チェック柄ジャケットを引き立てるきれいめモノトーン
パッと目を引く柄ジャケットを着るときは、白ブラウスや黒パンツといったかっちりアイテムで合わせを固めて。フリルの立ち襟ブラウスは、辛口コーデのハズしとしても活躍。
やわらかなベビーピンクを差し色に
ジャケット×タートルネックニットのコクのあるブラウングラデーション。ピンクをバッグで少量取り入れて、地味見えを回避。
【シーン別】テーラードジャケットを使った休日コーデ
通勤だけではもったいない! テーラードジャケットのこなれた休日スタイルを厳選しました。
着こなしがストイックになりすぎないようにロゴTを仕込んで
カジュアルMIXでも、ハンサムジャケットとグレー効果できちんと感は損なわれない。インナーのロゴTやゆるりと巻いたカーディガンにこなれ感が漂う。
ひとさじの赤が、タフな精神と美意識の証
上質でマニッシュなジャケットとデニムに赤小物をちらして小粋に。厚手のウールジャケットが女らしく見違える。
ウールテーラードを肩の力が抜けたカジュアルDAYのアウターに
ビスチェのようなひとクセアイテムも大人の余裕でさらりとまとめあげるテーラード。カジュアルにもスッとなじむ、やわらかなウール素材でこなれた空気感をまとって。
最後に
ジャケットの着こなしには自分らしさが滲むもの。ときにはストイックに、ときにはリラクシーに…いろいろな着こなしを楽しめるのも魅力です。
インナーをひとくせブラウスに変えたり、ベルトをプラスしたり。合わせや小物を更新することで、定番ジャケットに今の気分を吹き込んでください!
監修者:スタイリスト 城長さくら
スタイリスト・望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中! 現在は『Oggi』などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。Instagram(@shiroosa)では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。