【33歳・不倫相手との子どもをシングルで産むと決めたケース】
有香さん(仮名)は、33歳のときに2年間交際を続けてきた不倫相手の子どもを妊娠。当初は相手に離婚を望み、自分と再婚したうえでの出産を望んだそうですが、結果としてシングルマザーとして出産することを選んだと話します。
「今も子どもはひとりで育てています。父親である男性からは出産直後に50万円を渡してもらいましたが、それっきり連絡もとっておらず、養育費ももらっていません。今、彼がどこで何をしているかも知りません」
出産は、有香さんなりに覚悟を決めてのことだったそう。「離婚をしてシングルマザーをしている友人はいますが、相手の男性に認知もしてもらえない状態で最初から完全にひとりで産むケースは、私のまわりでは私だけですね」と話していました。
不倫の過去は消えないけれど子どもには教えたくない葛藤
そんな有香さんは、将来的に子どもに対して「不倫の末の妊娠だった」と真実を打ち明けるべきか、打ち明けるならいつ言うべきなのかを迷っているとのこと。
「まだ子どもは小さいので、今のところは何も話さないままでここまできました。でも、これから学校に入ると『なんでうちにはパパがいないの?』という質問をしてくるでしょうし、そのときにどう説明したらいいのかなと今から考えてしまいます。
経済的な面は、幸いなことに私が専門職をしているので、贅沢をしなければ私と娘のふたりくらいならなんとか生活はできそう。でもパパ不在の経緯について、まさか『不倫をしてできた子だから』とは言えないなぁ… と思っていて…」
不倫をしてきたのは事実なので「それはもう消えない過去」と受け止めているという有香さん。しかし最愛の娘に嘘を教えるのも気が引けるうえに、ずっと先々に真実を知った子どもが母親を嫌悪しかねないとも思い、どうするべきか答えが出ないのだそうです。
「すぐには答えを見つけなくてもいいのかもしれない。でもそうしているうちに子どもはあっという間に大きくなるでしょうし。今、私は娘の父親以外の男性と交際をするつもりもなければ、結婚をしたいとも考えていません。このままずっと娘とふたりで暮らしていけたら、それで幸せ。現状に不満を持っていないのは強がりでもなんでもなく、自分の選択を納得して受け入れてきた結果です。
でも娘の心情を思うと、どういうふうに伝えるべきか…、ひょっとして娘に嘘をつく選択も優しさなのか… など、いろいろと考えてしまって。不倫をした過去が消えない以上、私は覚悟を決めて出産をしたつもりでしたが、娘を傷つけずに伝えられる方法を探さなくちゃ… と、最近ではそればかり考えてしまいます。きっといつかパパを欲しがって、寂しい思いをさせてしまうだろうなと思うと、娘に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです」
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。