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LIFESTYLE

2022.06.12

J-WAVEナビゲーター・クリス智子さん「ラジオは“モノの見方”が養えるメディア」

リモートワークやradikoの普及など、日常生活の変化によって私たちの身近なものとなったラジオ。今ではPodcastなどに代表される音声コンテンツへと、大きな広がりを見せています。今回は、長年J-WAVEのナビゲーター務めるクリス智子さんに、音声コンテンツの魅力をお聞きしました。

今、人気の音声コンテンツ。魅力の本質は変わらない

ラジオからPodcast、音声SNSまで。なぜ今、音声コンテンツが人気なのでしょうか。

28年間、生放送のラジオを中心に活躍し続けているクリス智子さんも、音声メディアへの関心の高まりを実感しているおひとり。配信方法やリスナーの聴取スタイルが変わっても、その魅力の本質は変わらないと断言します。

時間を共有する“場”としてのラジオ

コロナ禍で人と人との関係が極端に制限されたこの2年、私たちラジオのつくり手も、音声メディアが持つ意味やリスナーとのつながり方について、改めて考えました。

音声メディアの最大の特徴は、言うまでもなく“見えない”こと。私が20代でラジオの仕事を始めて、今なお続けているのは、その“見えない”ものをだれかと共有するすごさ、力を感じるからだと思います。

あまりにも多くの情報があふれている毎日の中で、人の声や気配といった、視覚ではない情報を自分たちがいかに必要としているのか、再認識した2年でもありました。

特に編集ができない生放送のラジオ番組は、想定外の言葉や出来事に、ナビゲーターとスタッフがドタバタと補い合いながら、番組を成立させています。集中力が必要ですし、放送後は毎日のように「ちゃんと終わるなんて、マジック!」と思うくらい(笑)。

でもそんな、人として完璧ではないところが伝わるのが、楽しいんですよね。radikoなどで後から聴いてくださる方も増えましたが、生放送の空気は、変わらず伝わっている手ごたえがあります。

また、ラジオは話し手とリスナーが同じ時間・同じ空間を1対1で共有しているような、プライベートな感覚が持てるメディアでもあります。

「聴いて!」と、一方的に話しているつもりもないですし、リスナーのことを信頼しています。当たり前のことですが、ウソやごまかしがないように、わからない言葉をそのまま表面的に読んだりせず、自分の中で咀嚼して話そうと、これまでにも増して気を引き締めています。

想像し、考え、感じる時間が私たちには必要だった

視覚は情報量がとても多くて、パッと見ただけで“わかったつもり”になりやすいもの。

でも本来物事を理解するためには、簡単に白黒つけるのではなく、ああでもない、こうでもないと反芻して、時間をかけて考えることが必要です。

そういった意味で、言葉や声色、気配といった限られた情報から考えを巡らせるラジオや音声メディアは、心や頭、思考を刺激して、自分の考え方の軸や、価値観を培ってくれるんじゃないでしょうか。

ラジオの仕事を始めた当初、私は見えない情報を「説明しなきゃ」と、一生懸命言葉で補おうとしていたんです。

でも、ひとりのリスナーとして、ほかの方の番組を聴いていくうちに、「なんでもかんでも説明するより、なんなら寸止めくらいのほうが面白いんだな」と感じるように。

たとえば私が「雨の匂いが…」と言ったときに、リスナーの方々が頭の中で紐づける暮らしの中のワンシーンや思い浮かべる光景は、ひとりひとり違いますよね。そんなふうに自分で物事をイメージする時間を日常的にもっていると、人生はずいぶん豊かになっていく気がします。

ふだん流していることの中に宝は眠っている!

ニュースなどで近々の情報を伝えることはもちろんメディアの大事な役割ですが、私が番組の中で大事にしているのは、“今じゃなくてもいい”情報や、自分が興味のないことをどう楽しむか。

生活の中に溶け込んで“ながら聴き”されることも多いラジオは、ふと「コレなんだろう?」「こんな面白い人がいるんだ」といった瞬間に遭遇しやすいと思うんです。

逆に、私がリスナーの方からの反応を見て「こんなふうに受け取られるんだ!」と思うことも多々あって、刺激を受けます。

それはつまり、自分が知らなかった物事を受け入れるということですよね。「自分とは違う世界がある」「自分とは違う考えの人がいる」と知れば、同時に「自分にも、自分の世界があっていいんだ」と思える。

“価値観の多様性”とは簡単に言うけれど、そんな小さな経験の積み重ねが、他人も自分も認め合っていくことにつながっていくと思うんです。

30代は、仕事でもプライベートでも、さまざまな過渡期にあって、周囲の動向も気になるお年ごろ。私も迷ったり悩んだりしていました(苦笑)。でも「じゃあ、私はどうしたいんだ」と考えたら、「自分の言葉でちゃんと話ができる人になりたい」と思ったんですよね。

ラジオはそのための刺激をくれるもの。ものすごいクリエイティブな人や偉業を成した人、面白い人たちとも気軽に触れ合えます。構えずに楽しまないと、損ですよ!

ラジオのここが好き!

流れているだけで、音として心地いい!

「音楽はもちろん、『なんとなく聴いていたい』とか、『頭に入ってきやすい』など声の力って大きいですよね。どういう声でいるか、いつも考えています」(クリス智子さん)

“見えないよさ”がある!

「情報量が少ないからこそ、想像力で補ったり考えたりするのが楽しい。私も『どこまで言葉で伝えたらいいかな』と、さじ加減を考えるのが面白いです」(クリス智子さん)

“派生して知る”のが楽しい!

「辞書で引いた言葉の、前後の言葉の意味を知るのと同じ。『聴きたい』と思っていた以外のところで、『知らないけど面白そう』なことが聴けますよ」(クリス智子さん)

クリス智子さんはどんな番組を聴いてるの?

「本やカルチャー、アート、サウンドクリエーター、旅…etc. といったキーワードで検索して、ザッピングしながら聴くのが好き。特定の番組に決め込まず、いろいろな人の考えや情報を取り入れるようにしています」

クリス智子さんの担当番組『GOOD NEIGHBORS』

J-WAVE月曜~木曜13:00~16:00

「GOOD NEIGHBORS」=「よき隣人」が示すように、さまざまなゲストをお隣さんとして迎え、トークを中心に展開。「食」にまつわる文章の読み聞かせや週末に読みたい本の提案も。

2022年Oggi7月号「耳をすませば、広がるラジオの世界」より
撮影/深山徳幸 撮影協力/J-WAVE 構成/佐々木 恵・酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部

クリス智子(くりす・ともこ)

ハワイ生まれ。上智大学比較文化学部卒業後、J-WAVEでナビゲーターデビュー。以来、現在に至るまで同局の番組を担当。現在は、ラジオパーソナリティのほか、ナレーション、エッセイ執筆なども手がける。くりす・ともこ/ハワイ生まれ。上智大学比較文化学部卒業後、J-WAVEでナビゲーターデビュー。以来、現在に至るまで同局の番組を担当。現在は、ラジオパーソナリティのほか、ナレーション、エッセイ執筆なども手がける。

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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