そもそも「自意識過剰」とは?
周囲の人から「それは自意識過剰だよ」と、言われた経験はありませんか? 自分では気がついていなくても、周りから指摘されて気がつく自分の性格ってありますよね。
まずは、「自意識過剰」の意味からおさらいしましょう。
「自意識過剰」の意味
「自意識過剰」とは、他人に「こう思われているのではないか」と疑って不安になってしまうことです。社会と関わって生きていく上で、周りの人に気を配ることも確かに大切ですが、必要以上に意識してしまうと、自分がへとへとに疲れてしまいます。
「自意識過剰」と「被害妄想」の違い
「自意識過剰」とは、周囲の目や気持ちを過剰に気にしてしまうことですが、似た意味を持つ言葉に「被害妄想」という言葉があります。疑って不安になるのが「自意識過剰」。一方、「こうに違いない」と決めつけることが「被害妄想」です。
たとえば、「自意識過剰」は、「Aさんに嫌われているかもしれない」と不安に思う感情のことを指します。これが「被害妄想」になると、「Aさんに嫌われているに違いない」と思い込んで攻撃的になったり、周りの意見に耳を貸せなくなってしまったりするのです。
「自意識過剰」がエスカレートすると、「被害妄想」に陥ってしまう可能性もあるため、気をつけたいですね。
「自意識過剰」な人の特徴とは?
続いては、「自意識過剰」になりやすい人の特徴を紹介します。皆さんはいくつ当てはまったでしょうか。心当たりのある方は要注意かもしれません。
1:自分の言動についてネガティブに振りかえりがち
友達や家族、会社の人などと一緒に過ごしたあと、一人で反省会を開いていませんか? 「あのときこう言ったけれど、嫌な気持ちにならなかっただろうか」「なんであんなことをしてしまったのだろう」と、ネガティブに振りかえりがちな人は「自意識過剰」の傾向があるといえるでしょう。
2:自分の外見が気になる
「自意識過剰」な人は、自分がどう思われているかを非常に気にしてしまいます。それは、内面だけでなく、外見にも当てはまるのです。悪目立ちしていないか、メイクや前髪が崩れていないかなどを気にしてそわそわしているのも特徴といえます。
3:自分を大きく見せがち
周りの目が気になる「自意識過剰」な人は、自分の話をするときに話をおおげさにする傾向が。少しでも自分を良く見せて、周りから高評価を得ようと思うため、自分の話をする際は、大げさにアピールすることもあります。
4:他人の視線が気になる
知り合いならなおさらですが、赤の他人であっても、自分に向けられる視線を過敏に感じ取ってしまうのが「自意識過剰」な人の特徴です。「目は口ほどにものを言う」ということわざがあるように、「自意識過剰」な人は、他人の視線ひとつでも「なにか思うところがあるから視線を向けられているのだ」と思ってしまう傾向にあります。
「自意識過剰」になる原因
知らず知らずのうちに「自意識過剰」になっている人が意外と多いのではないでしょうか。そこで、「自意識過剰」になってしまうのは何が原因なのか、一緒に迫っていきましょう。
1:自分に自信がない
「自意識過剰」になってしまう大きな原因は、「自分に自信がない」ということです。成功体験が少なかったり、何をやっても空回りしてしまったりした経験がある人は、自分に自信がないため、他者の反応をネガティブなものとして受け取りやすくなる傾向があります。
2:人間関係でトラウマを抱えている
過去に人間関係で深く傷ついたことのある人は、他人が怖くなってしまうというトラウマを抱える場合があります。そもそも人に対して恐怖心を抱いてしまうため、相手の些細な行動や言葉を、過敏にキャッチしてしまうといえるでしょう。
3:完璧を求めがち
「自意識過剰」になってしまう人は、完璧主義が原因の場合があります。「なんでも完璧にこなさないといけない」と思っているため、うまくいかなかったときの周りの反応が気になってしまう傾向が強いです。
「自意識過剰」の改善方法とは?
「自意識過剰」の自覚はあっても、直すことってなかなか難しいですよね。本記事では、「自意識過剰」を改善するために、今から取り組めること紹介します。
1:ネガティブな言葉を使わないように意識する
ネガティブな言葉を使うと、気持ちまで沈んでしまいます。すると、自分のことや周りのことを否定的に捉えてしまいがちに。ネガティブな言葉は使わないように心がけることで、「自意識過剰」を改善することができるかもしれません。
2:自分を客観視する癖をつける
「自意識過剰」な人は、自分を主観的に見ているため「こう思われているかもしれない」と不安になってしまいます。「自意識過剰」にならないようにするためには、主観的にならないよう、心に余裕を持つことが大切です。日頃から自分を客観視するように意識することで、冷静に自分を分析することができるため、過剰に周りの目が気になることを防ぐ効果が期待できます。
3:自分を受け入れる
「自意識過剰」な人の特徴として、完璧を求める人が多いことを紹介しました。たしかに、物事を妥協しなかったり、常に高い完成度を目指したりする姿勢はとても魅力的です。しかし、自分を追い詰めすぎて「自意識過剰」になってしまうこともあります。
「完璧じゃなくてもいいんだ」「失敗しても大丈夫」と、自分の短所や長所、価値を自分で認めてあげることが肝要です。
4:新しいことにチャレンジしてみる
新しいことに挑戦することで、人生の経験値が増え、知識や余裕を持つことができるようになります。たとえうまくいかなかったとしても、その失敗は次へつなげられる立派な経験です。様々な経験をすることで、自分に自信がつき、「自意識過剰」を克服することができます。
最後に
「自意識過剰」とは、自分の自信のなさや、過去の経験によるトラウマなどから周囲の目が過剰に気になってしまうことです。「自意識過剰」はすぐに克服することが難しいですが、日々の意識をすこしずつ変化させることで改善することができます。
しかし、「自意識過剰」は悪いことだけではありません。周囲の反応をよく見ている「自意識過剰」な人は、相手に対して気配りができる人でもあります。改善すべきところはありますが、この良い部分を伸ばしていけたらさらに魅力的な人になることができますね。
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