やる気不足や眠気の原因は、脳の栄養不足?
やる気や集中力を保つためには、脳が快適に働いていることが必要です。そのためには、食事できちっと脳にエネルギーを補充してあげることが大切です。
脳を快適に活動させるための一番の効率的なエネルギーが糖質です。糖質が消化吸収され、ブドウ糖となり、血液によって、脳へと運ばれていきエネルギーとして使われていきます。ですから、極端な糖質制限をすることは、脳を快適に働かせるという面だけ見れば、あまりおすすめではないのです。
しかし、だからといって、糖質を大量にとればいいということではありません。糖質をとりすぎると、インスリンというホルモンが大量に分泌され、ブドウ糖が中性脂肪に変換されて脂肪細胞に急速に取り込まれるため、食後2時間後には低血糖状態となってしまいます。この現象を「血糖値スパイク」といい、これが起きると、脳に運ばれるべきエネルギーが少なくなり、脳がエネルギー不足でうまく動かなくなるのです。
脳を快適に働かせる「低GI食」! 3つのポイント
そこで、おすすめしたいのが、低GI食品です。GIとはグリセミック・インデックスの略で、食品を食べた後の血糖値の上昇を示す指標です。ブドウ糖を100として相対的に表しています。数値が100に近いほど食後の血糖値が急激に上がり、低いほど食後の血糖値の上昇がゆるやかになります。低GI食品とは、その血糖値の上昇が低い食事のことです。
つまり、今日は集中力を高めたいというときに食事にGI値が低い食品を上手に取り入れると、血糖値スパイクを起こすことなく、脳に定期的にエネルギーを供給できるようになります。
GI値が低い食べ物のポイントは3つ。
1. あますぎる物は要注意。
2. 炭水化物は、白い食べ物より、黒い食べ物を選ぶ
3. 食物繊維が多いものを選ぶ
基本的に、あまいものは、糖質を多く含んでいるので、食後の血糖値があがりやすいものが多いです。また、食物繊維を多く含むと、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれます。
そのため、お米なら白米よりも玄米、白い食パンよりライ麦パン、うどんよりもそばの方が、食物繊維が多くおすすめできます。いまはやりのオートミールなどもGI値は低いのでぜひ取り入れてみてください。
野菜は基本的に低GIのものが多いですが、じゃがいもなどのイモ類、かぼちゃ、とうもろこしといったのは、GI値が高めです。
食べ方のポイントは「炭水化物ラスト」
もう一つ、心がけたいのが、高GIである炭水化物を最後に食べる「炭水化物ラスト」です。野菜を初めに食べる「ベジファースト」が健康法やダイエット法としてテレビなどで取り上げられますが、実際に科学的な観点からも、野菜を先に食べて高GIである炭水化物を最後に食べると、血糖値スパイクを防げることがわかっています。
さらに、野菜でなくても肉を最初に食べるミートファーストでも、魚を最初に食べるフィッシュファーストでも、高GIの食品をあとに食べるようにすれば、血糖値の急上昇を抑えることができます。
以上、『低GI食 脳にいい最強の食事術』より、脳を快適に働かせて活発に活動するための方法をいくつか紹介しました。ぜひ有意義な休日を過ごすために参考にしてみてください。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
『低GI食 脳にいい最強の食事術』発売中!
もっと詳しく知りたいかたは、ぜひ脳科学者・西 剛志さんの著書『低GI食 脳にいい最強の食事術』をチェックしてみてください。
『低GI食 脳にいい最強の食事術』(アスコム)
著/西 剛志
価格:1,430円(税込)