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この記事のサマリー
・「老舗」は「しにせ」と読み、代々同じ商売を守り、格式や信用を重んじる店や企業を指します。
・老舗として認められる明確な年数はありません。
・老舗の英語表現は、“a long-established store”。
「老舗」という言葉は、ビジネスシーンや日常会話、観光案内などでも目にする機会がありますよね。しかし、正確な意味を知らずに使うと、誤解を招くことがあるかもしれません。
本記事では、「老舗」の意味や語源、英語表現、類語について解説します。
「老舗」とは? 正しい読み方や意味、語源とは?
まずは、「老舗」の意味から確認していきましょう。
「老舗」の読み方と意味
「老舗」は「しにせ」と読みます代々同じ商売を守り、格式や信用を重んじる店のことを意味しますよ。
辞書では次のように説明されています。
し‐にせ【老‐舗】
《動詞「しに(仕似)す」の連用形から》
1 代々続いて同じ商売をしている格式・信用のある店。
2 先祖代々の家業を守り継ぐこと。
「かみは正直、商売は所柄なり、―なり」〈浄・天の網島〉
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「老舗」の語源は?
語源は、動詞「しに(仕似)せる」の連用形が名詞化したものです。『全文全訳古語辞典』(小学館)によると、かつては「仕似せ」とも表記していたようです。

何年続けば「老舗」になるの?
老舗は、「代々続いて同じ商売をしている格式・信用のある店」とされます。これは、単に長く続いているだけではなく、家族や経営者が伝統を守り、地域や顧客から信頼されていることが条件です。
では、創業どのくらいで老舗として認識されるのか? というと、実は明確な基準はありません。
また、地域によって、老舗の認識は異なるようです。例えば京都では、数百年続く歴史が重視されることが多いのに対し、他の地域では数十年でも格式ある家業を守っていれば老舗と見なされることもあります。
「老舗」を英語で表現すると?
「老舗」は英語で“a long-established store” と表現します。
老舗レストランは、“long-established restaurant”、老舗企業の場合は、“long-established company” と表すことができます。
また、代々同じ家族が経営している場合、 “a store run by the same family for five generations(五代続いた老舗)” と具体的に言うことで、歴史と家族経営が続いていることの両方を伝えることができます。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

老舗の使い方は? ビジネスシーンと日常会話でのポイント
「老舗」は、ビジネスシーンでも日常会話でも使う言葉ですよね。
例えば、「老舗企業のノウハウを学ぶ」という表現は、歴史と信頼を尊重している印象を与えるでしょう。一方で、単に「古い店」という意味で軽く使うと、格式や信用を無視した印象になることもあります。
ビジネスシーンにおいては、歴史や信用を重視する場面で、相手に敬意を示したいとき「老舗企業である御社」「老舗ブランドとしての信頼」と表現することができます。
「老舗」と似た言葉「名店」「元祖」「名門」との違いは?
老舗と似た言葉として、「名店」・「元祖」・「名門」がありますが、それぞれ意味は異なります。
「名店」は味やサービスの評価で語られる言葉
名店は、歴史の長さよりも料理やサービスの評価だったり、有名店か否かで使われます。例えば、友人との会話で「東京で名店と呼ばれるレストランに行った」と言う場合、評価の高いお店に行ったことが強調されます。
「元祖」は発祥・オリジナルであることを示す
元祖は「最初に始めた店・商品」を意味し、老舗のように代々守ってきたかどうかは問われません。例えば「たこ焼き屋の元祖」と言えば、「たこ焼き屋」を最初に始めた店を指します。
「名門」は家系や組織の伝統・格式に重点を置く
名門は、学校や企業、家系に使われることが多く、長い歴史と高い格式を重視した表現になります。老舗との違いは、商売そのものの継続というより、組織や家系の格式が強調される点です。

老舗に関するFAQ
ここでは、「老舗」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 老舗の意味や特徴を教えてください。
A1. 老舗とは、代々同じ商売を守り、格式や信用を重んじる店や企業を指します。
単に「古い店」という意味ではなく、代々同じ商売を守り、格式や信用を重んじるところが特徴です。
Q2. 老舗は何年続けば「老舗」と呼べますか?
A2. 明確な年数の基準はありません。
Q3. 老舗のNGな使い方はありますか?
A3. 単に「古い店」や「古い会社」に対して使うのは誤用です。
代々同じ商売を守り、格式や信用を重んじている店や企業に対して使います。
最後に
料理店、和菓子店、旅館など日本には様々な「老舗」があります。自分にとってお墨付きの「老舗」を見つけてみるのも面白いですね。
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