チューリップの花が開閉する仕組み!
春になると、赤や黄色に紫など、カラフルで華やかな色合いが可愛らしいチューリップが見ごろを迎えます。チューリップの花は閉じたり開いたりしているのですが、これには気温が大きく関係していること、ご存知でしたか?
花が開くのは昼間だけ!?

実は、チューリップの花は昼間は開いて、夜には閉じるという特徴があるのですが、これには日差しではなく気温が関係しています。
チューリップが開くのにちょうど良い気温は18~20℃で、私たちが快適に感じる気温と同じくらいです。20℃以上になると開きすぎてしまい、逆に10℃以下になると完全に閉じ切ってしまいます。
最近は暖かい日も増えてきましたが、まだまだ最低気温が10℃を下回る日もあるので、チューリップを見る時間によって、その姿を変えていることがあるのです。
チューリップの花が開閉するのはなぜ?

花が閉じたり開いたりするのは、チューリップの花びらの細胞の成長スピードが気温で変わるからです。
気温が高い時は花びらの内側(めしべやおしべ側)の細胞の成長が早く、横に倒れるようにして花が開きます。一方気温が低い時には外側の細胞の成長が早く、立ち上がるようにして花が閉じるのです。
小さな花にこんなにも繊細なメカニズムがあったとは… 植物の生命力には驚かされますね。
チューリップを楽しむときには、花の開き具合と併せて、気温も確かめてみてくださいね!
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気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。