【食事と健康のハナシ】その情報はホントに正しい?
「○○を食べると健康にいい」という情報は、商品の売り上げに大きく貢献します。巷では、ありとあらゆる健康に関する話であふれていますが、けっこう間違っているものも少なくありません。
◆科学的根拠=エビデンスには強さのレベルがある
ひとりの医師が「コレはいいですよ~!」とおすすめしているエビデンスより、複数の研究結果をとりまとめた研究手法であるメタアナリシスから導き出されるエビデンスのほうが、科学的根拠が強いといえます。実はこのエビデンスのレベルってとても大事。
とはいえ、私たち一般の人が、元になっている研究の質やエビデンスの強さを見極めるのはなかなか難しいところ。そこで書籍『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』に書かれている“科学的な根拠に基づく健康にいい食事”のなかから、特に健康意識が高い方にお届けしたいお役立ち情報をピックアップ。
世界中の妊婦が誤解してる?! 妊娠中に食べるといい食材とは?
2015年3月、英国BBCに「食品と妊娠に関する俗説」と名付けられた記事が掲載されました。それによれば、世界中で、妊娠中の女性がどのような食事をするべきかに関して根拠のない俗説が流布されているといいます。日本では妊娠中の女性が辛い物を食べると生まれてくる子どもが短気になるという情報もあったそう。
◆妊婦は果物と野菜をたっぷり食べよう
残念ながら妊婦にとって良い食事に関するエビデンスはまだ弱いけれど、現時点でわかっていることは、果物と野菜をたっぷり食べるといいということ。1日5単位(およそ385g〜400g)は食べてほしいところ。これらに含まれる葉酸が胎児の神経管閉鎖障害のリスクを下げてくれるからです。
◆妊娠中にたんぱく質をとりすぎるのは良くない?
妊娠中のカロリー摂取量のうち、たんぱく質の割合を控えめに25%未満にした場合、死産や体内発達遅延のリスクが下がったという報告もあります。
◆母乳栄養はやっぱりいいの?
下痢や肺炎、中耳炎などの感染症が少なくなったり、知能上昇や糖尿病のリスク低下など、乳児に関する母乳栄養のメリットはよく知られていますが、実は母親にもメリットがいっぱいなんです。乳がんや卵巣がんのリスクを減らす可能性が示唆されています。
◆子どもの成長にいい食事とは?
アメリカでは小児の肥満が社会問題化していますが、甘いお菓子やジュースなどの栄養のない不健康な食品(英語で「空っぽのカロリー[Empty calorie]」と表現します)ではなく、加工されていない野菜や果物、茶色い炭水化物など、ここまで紹介してきたメリットのある食品を食べさせるようにしましょう。
小児期に肥満だった人は、大人になってから糖尿病、高血圧、心筋梗塞、脳卒中を起こす可能性が高いだけでなく、若年死との関係も示唆されているのです。
『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』発売中
書籍『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』では、がんや心筋梗塞、糖尿病や動脈硬化、ADHDやアルツハイマーなど、気になることがあったときに、「主なリスク一覧」から内容を逆引きすることもできてとても読みやすく紹介されています。健康になれるだけでなく、気になるリスクと食品の関係について「根拠はあるのかな?」と思った時に、家に一冊あるとすぐに調べられます。
意外性や目新しさはないかもしれませんが、確実に健康に近づきたい人には、すごくおすすめできます。日々の生活に正しい食事をとり入れることが、人生の幸せに繋がるかもしれません。
『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社)
著/津川友介
本書では、最新の膨大な研究論文をもとに複数の質の高い研究で体に良いことが科学的に証明されている食事を紹介しています。自分の体が変わってきたことを実感できるようになるはず!
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朝岡真梨
世界50か国200都市を超える海外旅行の経験をもとに、各地のグルメや観光スポットの魅力を紹介している。最新のIT機器に関する取材も多く、女性目線からの分析が得意。キャラクターや英語にも明るく、コピーライティングの分野では他業種に関わっている。旅行先ですったもんだした体験や主婦業をラクして乗り切るヒントを綴っている「遊んでばかりのスナフキン」が人気。Instagram:@yans_publisher Twitter:@Yans_Publisher