どんなことをする? クリニックでニキビ治療
ニキビ治療について、クリニックではドクターの診察に基づいて治療法が提案されます。投薬、処置、注射、それぞれについて解説していきます。
【投薬】外用薬と内服薬
保険診療で処方される主なお薬は、大きく分けて外用薬と内服薬に分類されます。症状に応じて様々な外用薬や内服薬が組み合わされます。
◆外用薬
外服薬は以下があります。
・抗菌剤:アクネ菌などの細菌の増殖を抑制します
・アダパレン:毛穴のターンオーバーを早めて毛穴詰まりを改善します。面皰をできにくくする作用もあります。
・過酸化ベンゾイル:毛穴部分の角化剥離作用で詰まりを改善します。アクネ菌の殺菌作用もあります。
外用薬のそれぞれの特性を生かした抗菌薬配合アダパレンゲルやアダパレン過酸化ベンゾイル配合ゲルなどもあり、ドクターがお肌の状態に応じて外用薬を選択します。
◆内服薬
外服薬は以下があります。
・抗菌剤:ニキビ悪化の引き金になっている細菌の増殖を抑制する作用と、ニキビの炎症そのものを落ち着かせる作用があります
・漢方薬:荊芥連翹湯,清上防風湯,十味敗毒湯などが保険の適応になっています
・ビタミン剤:ビタミンAは角化の抑制、B群は皮脂分泌の抑制、ビタミンEは炎症性ニキビへの進行を抑制すると言われていますが、有効性を確立する大規模な試験はまだ行われていないのが現状です。
【処置】面皰圧出って?
クリニックで行われるニキビ処置として、『面皰圧出』というものが挙げられます。皮膚に小さな孔を開け、皮脂や膿を押し出して取り除くことで炎症を早く消退させます。
自分でニキビをつぶすと、余計な皮膚を傷つけたり、細菌が入ったりすることがあるので、クリニックでおこなってもらうことをおすすめします。
【注射】炎症を抑えるステロイド注射
膿が溜まったニキビが進行して毛穴の壁が破壊されることで袋状になったものを嚢腫と呼び、さらに進行すると硬く盛り上がって硬結となります。ステロイドの注射をおこない、炎症を抑える治療をすることがあります。
* * *
ここ10数年ほどで保険診療で行えることが随分増えてニキビ治療は進化してきています。ニキビは、早く治せば治すほど痕になりにく性質があるので、自己流でよくならないニキビはクリニックで早めに診てもらいましょう。
問診や診察でスキンケアや生活習慣の改善点がみつかることもあり、自分自身のお肌への理解も深まるはず!
TOP画像/(c)Shutterstock.com
田場医院 院長 田場史子(たば・ふみこ)
兵庫県三田市にある形成外科・皮膚科・美容皮膚科を併設する「田場医院」院長 形成外科専門医。
1982年生まれ。高知大学医学部医学科2007年卒。淀川キリスト教病院での研修後、神戸大学大学院医学研究科形成外科学へ入局。2018年田場医院に形成外科・皮膚科・美容皮膚科を開設。クリニックにはお肌で悩む多くの患者さんが訪れる。