【目次】
・「釈明」の意味や使い方とは?
・「釈明」と間違えやすい類義語
・相手に「釈明」を求める場面とは?
・悪印象を与えない「釈明」の方法3選
・最後に
「釈明」の意味や使い方とは?
「釈明」という言葉を使ったことはありますか? 耳にしたことはあっても、実際に使ったことのある方は少ないと思います。社会に出て、様々な人と関わりを持つからこそ、「釈明」という言葉を正しく理解しましょう!
「釈明」の意味
「釈明」は、<しゃくめい>と読みます。「釈」は「分かりにくい事や、物を解いて述べること」、「明」は「物事を公にすること」という意味があります。
したがって「釈明」とは、「分かりにくい事や、誤解を生んでいる事について明らかにすること」です。
「釈明」の使い方を例文で知ろう
誤解や非難を避けるための説明や、それらの問題を解決し、相手に理解してもらう行為を、「釈明する」と言います。
例えば、「横領問題で話題の政治家が会見を開き、事の顛末を釈明していた」という使い方が可能です。逆に、「釈明」してもらいたい側は、「釈明を求める」という使い方をします。「彼には、公の場での釈明を求めます」など、日常会話で使うより、堅苦しい場面や真剣な場面で使われる言葉です。
「釈明」と間違えやすい類義語
「釈明」には、「分かりにくい事や、誤解を生んでいる事について、明らかにする」という意味がありますが、いくつか、似たような意味を持つ言葉があります。例えば、「弁明」や「弁解」「言い訳」です。それぞれの違いを説明できますか?
混同してしまいがちですが、若干ニュアンスに違いがあるので、間違わないように注意しましょう。これから違いを解説します。
1:「弁明」
「弁明」は、<べんめい>と読みます。「弁」の意味は、「理屈を立てながら、理論的に話すこと」です。ちなみに、訓読みで「弁える」と書きますが、<わきまえる>と読みます。「明」は「釈明」と同様に、「公にすること」です。
「弁明」には、「説明を行い、物事を明確にすること」と「自分の事情や立場を明らかにすることで、相手の理解を求めようとすること」という二つの意味があります。
「釈明」と同じような言葉ですが、「弁明」には、「言い訳する」や「言い逃れする」というニュアンスが含まれず、「ただ本当のことを話す」ことに重きが置かれます。
2:「弁解」
「弁解」の読み方は、<べんかい>です。「弁」は「弁明」の時と同様に、「理屈を立てながら話すこと」という意味になります。一方で、「解」の意味は、「物事を解いて、明らかにすること」です。
「弁明」は言い逃れではなく、本当のことを話すことに重きが置かれましたが、「弁解」とは、「自分の過ちを正当化するために、理屈を立てながら物事を解いて明らかにしよう」とすることです。すなわち、言い逃れしようとする意図を含んでいる言葉が「弁解」になります。
3:「言い訳」
「言い訳」とは、「事情を説明して身の潔白を証明しようとすること」や「物事の道筋を説明して明らかにすること」という意味になります。一般的には、過ちやミスなどの責任から逃れようとする人が使う言葉です。
したがって、「言い訳」と「弁解」は細かなニュアンスも似ています。
相手に「釈明」を求める場面とは?
日常会話でなかなか使われることのない「釈明」という言葉。どのような場面で「釈明」という言葉が使われるのでしょうか。
1:大きなミスや、不祥事が発覚した時
例えば、政治家の汚職や過ちが発覚した時に、「釈明」を求められることがあります。どうしてその行為に及んでしまったのか、再び同じ過ちを犯さないために何をするのかなど、原因の追究と防止策についてを明らかにすべきだからです。
2:相手に、不誠実な行為を働いたと誤解された時
例えば、「浮気をした時」や「された時」、また「そのような誤解や疑いがあるとき」に、「釈明」を「求める」「する」という言葉を使います。「釈明」とは、誤解や非難を受けた際に、事情を理解してもらうために説明をしようとすることを指す言葉です。したがって、疑いだけでなく、実際に浮気をしてしまった時にも使われます。
3:言葉に行き違いがあった時
言葉足らずであったり、コミュニケーションがうまく取れなかったりして、相手との関係がうまくいかなくなった時にも、「釈明する」という言葉を使うことが可能です。
自分はそんなつもりはなかったのに、相手にとっては傷つく言葉だったなど、間違った伝わり方をしてしまうことは往々にしてあります。そんなときは、お互いの、もやもやを解決するために「釈明」をして、コミュニケーションを取ることが大切です。
悪印象を与えない「釈明」の方法3選
「釈明」しなければならないときは、相手が自分に対してマイナスイメージを抱いてしまっている場合がほとんどです。その場合、間違った「釈明」の仕方をしてしまうと、かえってマイナスイメージを増大させてしまうかもしれません。そうならないために、最低限押さえておきたい、「釈明」する上でのポイントを確認しましょう!
1:「言い訳」にならないように注意する
「釈明」が必要な状況として考えられるのは、相手が自分に関することで誤解してしまったり、相手が理由を説明して欲しいと思ったりしている場合です。しかし、「釈明」する側は、「自分は間違ってない」ことを伝えようとするあまり、自分を正当化してしまったり、保身に走ってしまいがち。
それでは、相手の不信感を拭うことは出来ません。相手に理解してもらうことが目的なので、「言い訳」にならないよう、あったことを正確に伝えるよう心がけましょう。
2:相手の気持ちになって考える
自分が間違っていたにせよ、誤解されているにせよ、自分の状況を理解してもらうには、相手が話を聞くことの出来る状態でなければなりません。相手がどのような心理状態であるか、冷静に話を聞いてもらえるかを考えたうえで、慎重に説明をするようにしましょう。お互いが感情的になると、余計にこじれてしまいます。
3:低姿勢、謙虚な姿勢を忘れない
相手に不快な思いをさせてしまったことに対して、謝罪する気持ちを込めながら対話するようにしましょう。それだけで、相手の受け取る印象はかなり異なります。
最後に
今回は、「釈明」という言葉について詳しく見てきました。「釈明」と似た意味を持つ言葉もありましたが、細かなニュアンスが異なっていましたね。「釈明」が「弁解」や「言い訳」になってしまわないよう、注意しましょう!
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