脳を知ることは、自分自身を知ること
いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。そんな脳について知ることは、イコール自分自身を知ること。
そこで、テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者・茂木健一郎さんの書籍『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』より、日常生活でも役に立つ脳の働きや仕組みについてご紹介! 計4回にわたるプチ連載形式でお届けします。
人工知能時代のいまこそ、人間の脳のユニークな力を探ってみて!
前回の記事はこちら>>地頭をよくしたいなら、コレをして! 脳科学者が伝授!
ひと目ぼれは、どうして起こるの?
出会った瞬間、ビビッときて好きになってしまうひと目ぼれ。本人の意思とは関係なく起こってしまうことから、そこに脳の存在を感じずにはいられないもの。
この問題に関しては、これまでさまざまな実験が行なわれていますが、実はまだはっきりとした結論は出ていません。ただ、関連する研究があります。
それによれば、人間は最初の約2秒で、対象について判断を下しているようだ、ということ。つまり、非常に短い時間のうちに、さまざまな情報を受け止める能力をもっているというのです。
ひと目ぼれも、相手の外見、雰囲気といった情報を一瞬で受け止め、判断した結果でしょう。これはまだ仮説の段階ですが、脳の構造とも一致します。
一般的に人間の脳では、論理を司る回路より、感情を司る回路のほうが情報処理の速度が速いといわれています。そのため、感情(扁桃体を中心とする回路)の情報が、論理(大脳新皮質を中心とする回路)を先回りしてしまうことがあるのです。
ひと目ぼれは、相手の情報がインプットされ、大脳新皮質が論理的に詳しく解析するよりも前に、感情の回路が「この人大好き!」という結論を出してしまった状態。人を好きになることは、直感によるところが大きいといえるでしょう。
ちなみにアメリカのある調査では、ひと目ぼれから結婚したカップルは55%に上り、そのうち離婚したのは男性が約20%、女性は10%以下という結果に。アメリカ人の離婚率は約50%なので、かなり低いことがうかがえます。
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脳の秘密についてもっと詳しく知りたい方は、書籍でチェックしてみて!
トップ画像/(c)shutterstock.com
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
茂木健一郎 著/日本文芸社
なぜ、脳から意識が生まれるの? ひと目ぼれは、どうして起きる? 頭がいいって、どういう人? 人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。
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