【目次】
・【頭皮のかゆみ】さまざまな原因
・こんな症状の場合は皮膚科へ!
・健やかな頭皮に大切なシャンプーのこと
・シャンプー後のスカルプケアもおすすめ
【頭皮のかゆみ】さまざまな原因
■頭皮だって“ケア”が必要
『頭皮ケア』は頭皮自体を健やかに導くだけでなく、健康的な髪を育てる土台に。頭皮状態が特に乱れていなくても、肌と同様にケアをすることがおすすめです。
すでに頭皮の乱れが気になり始めたときは、今すぐ生活習慣や使用アイテムを見直すことが大切。場合によっては皮膚科を受診しましょう。
【1】頭皮がかゆくなる主な原因
\教えてくれたのは…/
毛髪診断士:北川愛子さん
[アンファー株式会社の商品開発部にて、シャンプーなど主に女性向けの商品開発をしている]
「頭がムズムズしてかゆい」と感じるときは、頭皮に何らかの異常が起きているサイン。はじめに、原因をチェックしてみましょう。
≪頭皮のかゆみの原因≫
・汗によるムレ
・皮脂を好む雑菌が繁殖している
・皮膚が乾燥している
・シャンプーやコンディショナー・トリートメントの洗い残しがある
・紫外線によって頭皮のバリア機能が低下し、過敏になっている
・花粉などのアレルギー反応が起きている
…などが挙げられます。次に、季節で起きやすい原因も確認しましょう。
【2】春になるとかゆくなるのは?
春になると頭皮がかゆくなるというケースも。「気温が上がって日中に汗をかくようになったから」… だけではない、知っておくべき原因とは?
≪春のアレルギー反応≫
「気温が上がって日中に汗をかくようになったからというのもありますが、花粉症の症状で頭がかゆくなるという人もいます。それはアレルギー反応。マスクをして体内に花粉を入れないようにしたり、帽子をかぶって花粉が頭皮に付着しないようにするなどの工夫が必要です」(毛髪診断士:北川さん)
【3】汗ばむ夏は紫外線に注意!
身体の中でも特に汗や皮脂の分泌が盛んな頭皮。夏はいつも以上にケアが必要です。
≪夏は紫外線対策を≫
「紫外線の影響でバリア機能が低下し、水分が蒸発しやすくなることでかゆみが起きやすくなる頭皮。帽子をかぶって紫外線対策することはとてもおすすめです。夏は蒸れやすいのでこまめに帽子をとり、頭についた汗を拭き取ってケアしたり、通気性の良い帽子をかぶりましょう」(毛髪診断士:北川さん)
【4】乾燥してフケが出る
頭皮のかゆみとともにフケが出るという場合の原因を、引き続き毛髪診断士の北川さんにお聞きしました。
≪フケが出る主な2つの原因≫
1. 頭皮が乾燥している
シャンプーのしすぎ・季節の変化・睡眠不足・日々のストレスによる体調の変化などで『皮膚のバリア機能』が低下することで、頭皮の乾燥を招きます。
2. 皮脂の過剰分泌により菌が増加する
気温が高かったり、油分の多い食事を摂りすぎると皮脂が出やすくなります。シャンプー時に頭皮の余分な皮脂を落としきれていないと、菌が増殖して新陳代謝のサイクルが崩れたり、大きくて黄色の湿った「脂性のフケ」が出ます。
【5】白髪が増えるとかゆい?
「かゆみと白髪の直接的な関係性はわかっていませんが、白髪が増えるタイミングでの頭皮のかゆみは、もしかしたらエイジングによる頭皮環境の乱れが原因かもしれません。
肌と同じように頭皮も時間をかけて新しいものに変わります(ターンオーバー)。何らかの理由によるターンオーバーの乱れ ⇒ 皮膚のバリア機能が低下 ⇒ 頭皮が乾燥 ⇒ 刺激を感じやすくなるためにかゆみが生じるのです」(毛髪診断士:北川さん)
≪ターンオーバーを正常に整える≫
・栄養バランスのとれた食事
・寝不足の改善
・ストレスを抱え込まない
髪や頭皮に必要な栄養素であるタンパク質や亜鉛を、意識的に摂るようにするのがおすすめです。
こんな症状の場合は皮膚科へ!
■皮膚科へ行くべき症状 01
≪脂漏性皮膚炎≫
「皮膚の常在菌「マラセチア菌」が増えすぎることによる炎症。頭皮が脂っぽく、触るとしっとりとした大きめのフケが付いてくる場合は要注意。顔や首・耳裏なども赤くなる場合があります」(毛髪診断士:北川さん)
■皮膚科へ行くべき症状 02
≪尋常性乾癬≫
「皮膚が赤く盛り上がり、その上を白く乾燥した角質がかさぶたのように覆いかぶさって、ポロポロとフケのように剥がれ落ちる症状。原因ははっきりと解明されていませんが、慢性化するので根気強く皮膚科で治療する必要があります」(毛髪診断士:北川さん)
■皮膚科へ行くべき症状 03
≪頭部白癬(水虫)≫
「ジメジメと蒸れた状態の頭皮は、足にできる水虫と同じ症状を起こすことも。頭皮のかゆみ・フケに加えて、一部が脱毛してきた場合は要注意です」(毛髪診断士:北川さん)
※セルフケアで改善がみられない場合・症状が悪化するときは、迷わず皮膚科で診察してもらいましょう。
健やかな頭皮に大切なシャンプーのこと
■シャンプーは頭皮ケアの基本
洗い残しも洗いすぎも厳禁! デリケートな地肌をしっかりケアして、土台も髪も美しく。
【1】正しいシャンプー方法
「髪を洗うときは、爪を立ててゴシゴシ洗うと地肌を傷つけてしまいます。指の腹で頭皮を優しくマッサージしながら洗うのがコツ。また、洗った後のシャンプーやトリートメントをしっかり流すことも大切です」(毛髪診断士:北川さん)
【2】シャンプーで常在菌を洗い流さない
\教えてくれたのは…/
『育毛のプロが教える髪が増える髪が太くなるすごい方法』著者:辻敦哉さん
シャンプーに入っている成分の中でもっとも悪影響が大きいのは、合成の界面活性剤です。地肌・髪にとっては洗浄力が強すぎるため、頭皮の皮脂も根こそぎ分解して洗い流してしまう可能性も考えられます。
頭皮は適度に皮脂が肌をおおっている状態が理想。多すぎても少なすぎてもいけないのです。しかも、場合によっては頭皮にいる善玉の『常在菌』を殺してしまうという弊害も。
『常在菌』にはカビや花粉・病原体微生物などといった、外部刺激から肌を守ってくれる役割があります。常在菌がいなくなると、かゆみや炎症・湿疹ができるなどさまざまなトラブルが起こる原因に。
【3】頭皮にやさしいシャンプー選び
シャンプーに合成の界面活性剤が使われてるかどうかの見分け方をご紹介します。
≪シャンプー選びのポイント≫
・液体が透明もしくは半透明
・着色されていない
・「オレフィン(C14-C16)スルホン酸Na」不使用
石鹸やアミノ酸が主体のシャンプーは、透明(もしくは半透明)色をしています。ただし、透明であっても「オレフィン(C14-C16)スルホン酸Na」が含まれるシャンプーは避けましょう。(成分表の中段以下に記載されている程度なら、調整剤としての使用のため大きな刺激はありません)
【4】かゆみがある場合のシャンプー選び
フケ・かゆみを防ぐような薬用シャンプーを選ぶのがおすすめ。実際にフケが出ている場合は、フケのタイプでシャンプーの種類を選びましょう。
シャンプー選びのポイントを、毛髪診断士:北川さんにお聞きしました。
≪乾性系のフケの場合≫
保湿効果があり、しっとりした洗い上がりの薬用シャンプーがおすすめ。頭皮の荒れを防ぐ有効成分「グリチルレチン酸ジカリウム」が含まれていると、頭皮を健やかに保ってくれます。
≪脂性フケの場合≫
皮脂の過剰分泌によって増えてしまう脂性フケ。その原因になる菌にアプローチする「ミコナゾール硝酸塩」が含まれた薬用シャンプーがおすすめです。
シャンプー後のスカルプケアもおすすめ
■頭皮美容液でスカルプケア
これまでご紹介したとおり、カラカラに乾いた頭皮はフケ・かゆみを引き起こす原因に。汚れを取り去ったクリーンな頭皮に必要なのは「保湿ケア」です。
肌のスキンケアと同じく頭皮にも“美容液”を取り入れて、健やかな髪・土台を目指しましょう。