浮気体質を見抜くには? SNS好きの男性は要注意…
離婚相談者の多くは「こんなはずじゃなかった」「幸せな結婚生活を送るはずだったのに」「できれば結婚前に戻って結婚相手を選び直したい」と涙ながらにおっしゃいます。
離婚自体は、まったく恥ずべきことではないし、人生の汚点でも何でもないと私自身は考えています。それでも目の前で苦悩の表情を浮かべる相談者を見ていると「結婚前に的確なアドバイスや情報があれば、この離婚は避けられたのに」と、もどかしく思います。避けるべきなのは、離婚自体ではなく、離婚に至るまでの長く苦しい不毛な結婚生活なのです。
そこで婚活中の女性が多いOggi,jp読者の皆さんに、弁護士として多くの離婚相談を行なってきた中で発見した「結婚してはいけない人」の傾向を見抜く、いわば「秘訣」をお伝えしていきたいと思います。
いま交際しているお相手にちょっと不信感を抱いている方、この人でいいの? と思っている方、いつか結婚したいけどパートナー選びに必要な知識を得たいと思っている方にぜひ読んでいただければと思います。
前回は「不倫・浮気性」の男性のチェックポイントを中心に「結婚してはいけない人」を紹介しました。今回は事例を紹介しながら、浮気体質を見抜くポイントを解説していきます。
本当にあった不倫の話 〜真里菜さん(仮名・33歳)の場合〜
真里菜さん(仮名・33歳)は、婚活を専門とするマッチングアプリを通じて恭一さん(仮名・38歳)と知り会いました。
専門商社勤務で当時33歳、長身で写真写りもいい彼のプロフィールを初めて見たときは、「こんな素敵な人がまだ残っていて、マッチングアプリに登録しているんだ!」と真里菜さんは自分の幸運が信じられませんでした。
真里菜さんと恭一さんは会ってすぐに意気投合し、1年後に婚約・結婚。夫の希望もあって勤めていた会社を退職し、専業主婦になりました。
「いまから思えば、夫は、SNSが異常なほど好きだったのです…」
若い女と不倫した夫から一方的に別れを切り出され、最終的に離婚を決意した真里菜さんは、結婚前にある兆候があったと言います。それは、夫がSNSを異常に好きだったこと。デート中にもかかわらず熱心にスマホを見ていることがあり、なぜそんなに頻繁に確認するのか真里菜さんは不思議に感じていました。
ただ、夫は「超優良物件」と言ってもいい条件を備えていましたし、自分が大好きで多少ナルシストの傾向があったものの、スマートでそつがなく、真里菜さんは特に気にすることはありませんでした。何と言っても、最初から「結婚を前提に付き合ってほしい」と言われたことで、他にライバルがいたとしても自分が一番なのだと確信していたせいだと言います。
「結婚後、5年ほどは幸せに過ごしていました。夫は商社勤務ということもあり、飲んで深夜に帰ってくることが多かったのですが、口うるさいタイプではなく休日には家事を手伝ってくれる、もの分かりのいい夫でした。悩みといえば子どもに恵まれないことくらい。そんな折、夫の両親から援助してもよいという申し出があり、不妊治療を始めることにしたのです。
ただ、高額な治療を始めても、一向に子どもは授かりませんでした。落ち込む私に、夫は『別に無理しなくてもいいんじゃない? 夫婦2人で仲よく暮らせばいいんだし』と言ってくれたんです。なんて優しくて理解力のある素敵な旦那様なんだろうと感激しました。夫の言葉に救われた気持ちになり、つらい不妊治療はいったんお休みすることにしたんです」
事件が起こったのは、いつもと変わらない平凡な日でした。
真里菜さんはいつも携帯には無頓着でロックはかけていないし、夫も携帯を無造作にソファーに置いたりしていました。自分たち夫婦の信頼感を表していると思い、真里菜さんは夫の携帯を盗み見しようなどとは微塵も思ったことはありませんでした。
ところが、その日、ダイニングテーブルに置かれていた夫の携帯にLINEのメッセージがバナー表示されたのですが、たまたま目に入った内容が衝撃的でした。
「ダーリン♡ 明日は家に来れる?」
真里菜さんは頭が真っ白になったと言います。意を決して夫に問い質したところ、夫はあっさりと不貞を告白。
相手はマッチングアプリで知り合った12歳年下の女性であること、4年ほど前から週末の夜はほとんど彼女の家で過ごしていたこと、去年、彼女に子どもが生まれたので認知したことを淡々と話しました。
「話し終えると、夫は私に、子どももできたので今後は彼女と結婚して家庭を持ちたい。すぐにでも離婚してほしい、と言ってきたんです。その女性以外にも、マッチングアプリで知り合った女性と浮気を繰り返していたと白状しました。夫は、不倫に対して罪悪感はこれっぽっちもなさそうでした。
それどころか途中から誇らし気に不倫相手との一部始終をこと細かに話し出して…、その様子がどこか誇らし気なんです。『俺ってモテて困るんだ』。そんなふうに見えました。夫のまるでピント外れな対応に、私は開いた口が塞がりませんでした。
それに、私がつらい不妊治療をしていたときに、ひと回りも年下の若い女と子どもをつくり、簡単に離婚してほしいなどと言う夫に対し、沸々と怒りが込み上げてきました。法律的には、不倫をした側が簡単に離婚などできないと聞いたことがあります。にもかかわらず、夫は法律などどこ吹く風で、平気で離婚を求めてきます。絶対に許せないと思いました」
その後、真里菜さんは弁護士を通じて相手の女性に500万円の慰謝料を請求する内容証明を出し、結果的に相手女性から250万円が支払われました。真里菜さんとしてはけっして満足のいく額ではなかったものの、弁護士からは相場としては高いほうだという説明を受け、渋々納得。不倫三昧の夫とは、半年後、離婚に至りました。
マッチングアプリで知り合った場合は、より慎重に!
真里菜さんと離婚後にお会いして話をしたところ、次のように話していました。
「私の友人でマッチングアプリで知り合い、幸せな結婚をした子もいます。ですので、一概にマッチングアプリが悪いとは言えません。いろんな男性と知り合うための重要なツールですし、友だちの紹介だって同等のリスクはあります。ただ、マッチングアプリで知り合った場合は、より慎重に相手を見極めたほうがいいと思います。
アプリを利用する場合は、人となりを十分に知らないまま、条件面だけで交際に発展することも多いですし、運営側が本人確認をどこまで徹底できているのか、こちらはよく分からないですしね。結局は、自分の見る目が重要になってくるのだと思います。私は、いまではあんな夫の子どもをつくらなくてよかったと心底ホッとしています」
不倫・浮気をする人の特徴
真里菜さんの事例をもとに不倫・浮気をする人の特徴を挙げてみましょう。
・飽きっぽい性格である
・浮気に罪悪感がまったくない
・とにかく女性が大好き
・SNSを頻繁に利用する
・自己中心的・ナルシストである
配偶者の浮気ほど心を傷つけることはありません。たった1回の浮気でも夫婦関係は簡単に破綻します。浮気による修復不可能な関係の破綻は、誰にでも起こり得ることです。
浮気する側は、なんだかんだ言っても許してくれるだろうと安易に考えているところがあります。しかし、された側は相手に裏切られた心の傷はずっと心に残っていて消化せず、浮気された側の心を始終苦しめます。
とにかく浮気性の配偶者を持つと本当に苦労します。これは間違いありません。できれば結婚前に、結婚相手が浮気性や不倫体質ではないかを見抜いておきたいものです。
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フェリーチェ法律事務所代表 後藤千絵弁護士
京都府出身。大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に入社するも、5年で退職。大手予備校での講師職を経て、30歳を過ぎてから法律の道に進むことを決意。派遣社員やアルバイトなどさまざまな職業に就きながら勉強を続け、2008年に弁護士になる。2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所設立。
離婚・DV・慰謝料・財産分与・親権・養育費・面会交流・相続問題など、家族の事案をもっとも得意とする。中でも離婚案件は女性を中心に、年間約300件以上、のべ3000人以上の相談に乗っている。神戸在住。