【目次】
・抜け毛の主な原因が知りたい
・今すぐできること・気を付けること・やめること
抜け毛の主な原因が知りたい
「AGA」って男性の脱毛のこと?
\教えてくれたのは…/
国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長:増富健吉先生
(医学博士。専門は、分子腫瘍学・RNAウイルス学・RNAの生化学・内科学)
“薄毛”というと、中年期以降の男性のイメージがありますよね。AGA(男性型脱毛症)という言葉もよく耳にするようになりましたが、このAGAは女性も無関係ではないのです。
“男性らしさ”や“女性らしさ”とは、ホルモンの量や働きの強さによって表現されていて、両方のホルモンバランスが影響を与えています。ですので、女性でも、何らかの原因で男性ホルモンが優位に働くと「男性型」と表現されたり、その一例として「女性のAGA(女性の男性型脱毛症)」になる人も。
ホルモンの分泌異常による影響
「さらに、男性ホルモン・女性ホルモンのみならず、“甲状腺ホルモン”や、“性ホルモン以外のステロイドホルモン”の分泌異常によっても、抜け毛につながることがあります」(増富先生)
≪ホルモンバランスチェック≫
・やる気が出ない
・元気がない
・太ってきた
・寒がり
・便秘
・肌荒れ など
上記症状と同時に抜け毛もあれば、内科にてホルモンバランスを診てもらうのもおすすめです。
女性の薄毛・抜け毛… 原因や対策は? 男性型脱毛症(AGA)と同じ?
「病気かも?」のチェックポイント
\教えてくれたのは…/
皮膚科専門医・あらなみクリニック総院長の荒浪暁彦先生
(著書『顔の印象はプチ美容でここまで変わる〜薄毛、シワ、シミ、アトピー、ニキビ治療の最前線!〜』好評発売中)
抜け毛の原因は、ほとんどの場合が「ホルモンバランスの変化」によるものですが、中には病気が原因の場合もあるので注意が必要です。
≪抜け毛の原因となる主な症状≫
・糖尿病などで引き起こされるホルモン系の異常
・血行不良
・肝臓疾患
・強いストレスによる精神疾患
・脂漏性皮膚炎
・全身性エリテマトーデス など
毛髪と頭皮のケアを心掛けていても改善しなかったり、短期間で髪の量が急に減った場合は、必ず病院を受診するようにしましょう。
今すぐできること・気を付けること・やめること
【1】シャンプーをチェックしてみよう
「一般的に売られている『硫酸系(石油系)界面活性剤入りシャンプー』の使用をやめれば、薄毛に悩む人の数はかなり減ると思っています。洗浄力が強く角質層に刺激があるため、使い過ぎると頭皮を傷めてしまうのではないかと私は危惧しています」(荒浪先生)
※使用中のシャンプーに『ラウレス硫酸ナトリウム/アンモニウム』に代表される界面活性剤が入っていないか、成分を確認してみましょう。
【2】体の中からケアすることも大切
抜け毛を防ぐためには、何よりも健康を保つことが大切です。
「内臓(特に腸)と髪は密接な関係があります。抜け毛を防ぎたいなら、とにかく腸を健全にすること。普段の食生活を和食にしたり、腸内細菌の糧となる食物繊維をたくさん摂ることがおすすめです」(荒浪先生)
【3】頭皮にも栄養を届けること
\教えてくれたのは…/
聖心美容クリニック 統括院長:鎌倉達郎先生
(宮崎医科大学医学部卒業/横浜市立大学医学部形成外科臨床教授)
「栄養不足」も抜け毛の原因の一つ。食欲不振になりがちな“夏バテ”は、頭皮に栄養が届かない状態を招くので注意しましょう。
健康な頭皮と髪を作るには、タンパク質と補酵素となるビタミンC・B・A・E、ミネラルや亜鉛など、髪に必要な栄養をしっかりとることが重要です。また、女性は夏に貧血になりやすいので、鉄分も意識して摂ることがおすすめです。
【4】まとめ髪は避けましょう
「目もとの引き上げや輪郭のリフトアップになるからと必要以上にきつく結ぶことは、おすすめしません」(鎌倉先生)
≪まとめ髪のデメリット≫
・毛根、キューティクル、髪、頭皮にダメージを与える
・蒸れやすい
・牽引性脱毛症で悩むことも珍しくない
ポニーテールやお団子ヘアなど、髪をまとめるヘアスタイルを長く続けるのは避け、紫外線にも注意しましょう。
■まとめ
髪や頭皮ケアももちろん気になりますが、はじめに確認すべきことは「本当の原因を知ること」です。その上で正しい対策に取り組みましょう。