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2021.03.15

「愛の不時着」から読み解く制限と自由の相関関係<元テレビ朝日プロデューサー転職実録#26>

仕事と自分の人生を見つめ直す社会人10年目。今回は、制限と自由のお話。元バラエティ番組の女性プロデューサー 古瀬麻衣子が考える「理想の人生」への近づき方。

古瀬麻衣子

泣くほど悔しい経験をしてきたからこそ、挑戦する自分がいる

これまでの連載はこちら

3月もあっという間に半ばになり、「もう四半期終わるし!」「売り上げも伸ばさなきゃ…」「新規事業もやらなきゃ…」「請求書も出さなきゃ…」と毎日焦る古瀬です。

この余裕の無さはテレビ朝日に勤めている時より上回っている気がして、常に私はいばらの道を歩いていくしかないんだなと涙目になります。

何回も見ている物語なのに何故こんなに感情移入するのか?

(c)Shutterstock.com

そんなストレスをせめて寝る前くらいは解消したく、数ヶ月ぶりにNetflixで『愛の不時着』を見ました。セリフも、次のシーンもどうなるか覚えているくらいリピートしたのに、よくもまぁまた視聴できるなと。

そしたら、まさかの、また大号泣。すすり泣く私をみて、夫が本気で引いていました。

この時、ふと思ったのです。なんでこんなに同じストーリーなのに何度も感情移入できるんだろうと。他のドラマではなかなかこうならない。

鼻水をすすりながら、泣けるシーンを何度も再生して思ったこと。それは、ここに自由がないからだと。どうすることもできない制限があるからだと。そして、その自由を享受している人もまた世の中に存在しているから。

個人の力ではどうすることもできない制限が確実に存在し、たまたまその環境下にいただけで、他の人が享受している自由を手にすることができない。

国をまたいだ恋愛なんていくらでも皆んなが楽しんでいるのに、北朝鮮と韓国にいる男女だったという理由で、連絡すらも一切取ることができない状況になる。

努力すれば何とかなる! の域を超えているものの、愛の力で何とかならないのか! と悔しさや切なさを主人公になった気持ちで味わえるわけです(「愛の不時着」における制限は、恋愛エンタメ界では「ローマの休日」の次に制限強めですね)。

自由を制限されてきたからこそ、今の自分がある

(c)Shutterstock.com

おそらくこのドラマにハマった人は、状況は違えど、同様の経験をしている人なんじゃないかと思います。恋愛に限らず、仕事や友達や家族などあらゆる側面で、周囲と同じような“自由”を享受できない制限の中にいたことがある人。

幼少期の私がまさにそうです。田舎の一般家庭に生まれたので、父親が海外駐在するどころか、東京勤務にもならない。その割に、上昇志向が強すぎた私は、置かれた環境における“制限”にいつも絶望していました。

ずっとずっと田舎暮らしだと、私にとっては学べる環境や人脈という点で制限があり、同世代でそれを自由に享受していた人たちを見て、泣くほど悔しかった。小学生や中学生の時にはその環境を自分の力では変えることができず、その切なさや悔しさを心に秘めて大きくなったと思います。

(c)Shutterstock.com

だからこそ、今、やりたいことは何でも挑戦して、絶対にやりたいことを制限されない環境に身を置くことに全力を掛けられる自分がいます。

制限こそがエネルギーであり、パワーなのかもしれない”と、「愛の不時着」を見ながら、考察したことでした。

全て順風満帆な人が凄まじい成功者になっている例を考えてみましたが、なかなか思い浮かばず、やはり今ある制限に嘆かずに、そこから生まれる力を信じてみてもいいなと思う3月の夜更でした。

◆これまでの連載はこちら

古瀬麻衣子

1984年生まれ。一橋大学卒。テレビ朝日に12年勤務。「帰れま10」などバラエティ番組プロデューサーとして奮闘。2020年、35歳で米国拠点のweb会社「Info Fresh Inc」代表取締役社長に就任。現在NY在住。日本人女性のキャリアアップをサポートする活動も独自に行なっている。

Instagram:@maiko_ok_
HP


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