辻󠄀 麻衣子さんってどんな人?
岡山県真庭市の勝山で、200年以上の歴史を持つ老舗酒蔵「辻󠄀本店」。ここで造られる「御前酒」は、全国新酒鑑評会で金賞を獲得した、岡山県が誇る銘酒として知られる。
この酒蔵で「御前酒」を含む、酒造りの全責任を担う杜氏が、今回ご紹介する辻󠄀麻衣子さん。
ーー「御前酒」杜氏になった理由とは…?
「辻󠄀本店」を経営する一族の長女として生まれた彼女。跡継ぎは弟に決まっていたが、子どもの頃から「御前酒のまいちゃん」と町の人に呼ばれ、歴史ある家業に息苦しさを感じていたという。
元来、経営者一族は酒造りには関わらないのが習わしだったが、20歳になってお酒を飲み始めたのが転機となり、「杜氏や蔵人の生き生きと働く姿を見て、酒造りを一生の仕事にしたい」と思うようになった。
当時、酒蔵は女人禁制とされていたが、先代の杜氏から届いた「なんでも教えてやるから帰って来ればいい」という手紙が、酒造りへの道を開いてくれたという。
辻󠄀麻衣子さんの「7つのルール」
さて、そんな彼女が「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…?
■1. 家選びは酒蔵から3分圏内
酒造りに欠かせない酵母や麹菌は生き物だから、思い通りにならないことも日常茶飯事。そのため、すぐに様子を見に行けるように酒蔵の近くに住む。
■2. 毎年必ず田植えと稲刈りに行く
毎年必ず田植えと稲刈りに行くという彼女。変わらぬ味を届けるため、米の出来によって仕込みの配合を調整しているそう。
■3. トイレットペーパーは無香料
トイレットペーパーなどの日用品も、香りがするものは避けることを徹底。麹の発酵状態の異常に瞬時に気づけるようにするため。
■4. 上手くいかなときは貯水タンクの上にのぼる
うまくいかないときは、貯水タンクの上にのぼるのが定番。従業員やお酒のことを考え、「もう一度頑張ろう」と奮起するそう。
■5. 仕込み期間が終わった次の日は納豆
彼女の一番の好物は納豆だが、納豆菌は麹菌に影響を及ぼすため、酒を仕込む半年間は触れることすら許されない。そのため、仕込み期間が終わったら真っ先に納豆を買いに行く。
■6. ノートにまとめて「見える化」
杜氏になって14年、いまでも学ぶ姿勢を忘れない彼女。学んだことはすべてノートに書き残して見える化するのがルール。
■7. 酒蔵で働くハードルを下げる
女人禁制が根強い酒蔵を若くして継いだ彼女。酒蔵で働くハードルを下げるため、女性でも酒造りしやすい環境をつくっていきたいという。
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次回の「7ルール」の放送は、3月16日(火)よる11時00分~。コロナ禍の昨年11月、台湾の国民食・ルーローハンの専門店「帆帆魯肉飯(ファンファン・ルーローハン)」を東京・三軒茶屋に開店した唐澤千帆さんをご紹介。
逆境が続くなか、試行錯誤を繰り返し店に立ち続ける彼女を駆り立てる思い、そして7つのルールとは…?
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