【目次】
・「過信」の意味や読み方とは?
・使い方を例文でチェック
・類語・対義語をご紹介
・英語表現とは?
・最後に
「過信」の意味や読み方とは?
「過信」という言葉を聞くと、どのようなイメージを持ちますか? 「彼は自分の実力を過信したせいで、失敗した」などというように、いい場面では使われない言葉のように思えます。この記事では、正確な意味を具体的な例文を交えながら、ご紹介していきますよ。また、「自信」との違いについても考えていきます。
意味と読み方
「過信」は、「かしん」と読みます。価値や力量などを実際よりも高く見積もって、信頼しすぎることを意味しますよ。
使う時の注意点
一般的に、「過信」は悪い意味で使われることの多い言葉。「このミスは、自分の能力を過信したせいで起きてしまったのかもしれない…」などのように、「過信」したことが原因で悪いことが起こった、という流れで使われます。
また、よく耳にするかもしれませんが「過信しすぎる」という言い方は重言なので注意が必要。すでに「過信」という言葉に「信頼しすぎる」という意味が含まれていますので、重複した表現となってしまいます。
使い方を例文でチェック
「過信」という言葉を使った例文をご紹介します。具体例を参考に、理解を深めてください。
1:「すべて自分の力だと過信していたが、会社の看板のおかげだったと今更ながら気づいた」
「自分の実力だと思っていたことも、そうではなかった」と気づいた時に使う例文です。独立した時や会社という組織を抜けたときに、初めて会社の強みを実感する時があります。
2:「“夫婦関係は良好だ”と過信していたので、まさか離婚を切り出されるとは思わなかった」
「過信」という言葉は、人に対してだけでなく、物事や能力に対しても使用可。この例文の場合は、関係性を「過信」していたことを表しています。この例文のようなことが起こらないように、どんなに月日が経っても相手への配慮を忘れないようにしたいですね…。
3:「このプロジェクトは容易に成功すると過信していたが、あに図らんや暗礁に乗り上げた」
先述したように、「過信」は物事に対しても使うことができます。この例文では、プロジェクトに対して「過信」を使っていますね。何事にも「過信」は禁物です。
「過信」と「自信」の違いは?
「自信」は、自分で自分の能力や価値などを信じること。自分の考え方や行動が正しいと信じることも指します。一方、「過信」は、先述した通り、価値や力量などを実際よりも高く見積もって、信頼しすぎることでしたね。
「自信」は自分や自分の能力・考え方など、自分発のことに対してのみ使いますが、「過信」は物事や人物、他の人の能力について使うことができます。従って、表現できる範囲が異なりますね。また、「自信」は自身に対する判断・評価ですが、「過信」は客観的評価や結果に対して使うことが多いでしょう。
類語・対義語をご紹介
「過信」の類語や対義語には、どのようなものがあるでしょうか? それぞれご紹介していきます。
1:類語「慢心」
「慢心」の読み方は、「まんしん」。意味は、「驕り(おごり)高ぶること」や、「自慢する気持ち」を指します。
例文:「成功している人ほど、慢心を戒めている」
2:類語「増長」
「増長」の読み方は、「ぞうちょう」。「だんだん高慢になっていくこと」、「つけあがること」を指します。いい気になって思い上がっている姿が思い浮かびますね。
例文:「インスタグラムのフォロワーが増えてから、彼女は何だか増長している」
3:対義語「慎重」
「過信」とは反対の意味を持つ言葉として、「慎重(しんちょう)」が挙げられます。注意深くて、軽々しく振る舞わないことを意味しますよ。吟味を重ねてから行動に移るため、スピード感はありませんが、安定感は抜群ともいえるでしょう。
例文:「彼はどんなに調子がよくても、決して過信することなく、常に慎重な姿勢を崩さない」
4:対義語「過小評価」
「過小評価」の読み方は、「かしょうひょうか」。物事を評価するときに、実際より低く見積もることを言います。また、見くびった評価をすることも指しますよ。
例文:「あなたは自分の実力を過小評価し過ぎている。もっと自信を持ちなさい」
英語表現とは?
「過信」を英語で表したいときは、「put too much confidence」を使うことができます。
例文:Don’t put too much confidence in our teacher.(先生を過信してはいけない)
高く見積りすぎる、過大評価するという意味で、「overrate」も使えますよ。
例文:I think his ability is overrated.(彼の能力を過信し過ぎていると、私は思う)
最後に
「過信」について解説してきましたが、いかがでしたか? 「自信」との違いについてもご説明しましたが、「過信」と「自信」とは意外と紙一重の違いなのかもしれませんね。
「自信」を持つことは、自己肯定感にも繋がり、とてもいいことです。それがいつの間にか行き過ぎて、「過信」とならないよう、心や振る舞いに謙虚さを持っていたいですね。
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