【目次】
・「責任転嫁」の意味とは?
・「責任転嫁」の使い方は? 例文でチェック
・「責任転嫁」する人の心理とは?
・責任転嫁されたら? 3つの対処法
・「責任転嫁」の類語にはどのようなものがある?
・「責任転嫁」の英語表現とは?
・最後に
「責任転嫁」の意味とは?
職場などで問題が発生した時に、誰かに「責任転嫁」をされた経験はありませんか? 今回は「責任転嫁」の意味に加えて、「責任転嫁」をする人の心理やその対処法をご紹介していきます。なんとなく「責任転嫁」という言葉を使っている、「責任転換」との違いが分からないという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
◆「責任転嫁」の意味
「責任転嫁」とは、「本来自分が負うべき責任・失敗・罪を他者になすりつけること」を意味します。何か問題が起こった時に、言い訳や嘘などを言って人のせいにして、自分の責任を回避しようとすることです。
また、「責任転換」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。この言葉は、「責任転嫁」の誤用です。間違って使わないように、注意しましょう。
◆「責任転嫁」の語源
「責任転嫁」では、なぜ「嫁」という字が使われるのかご存知でしょうか? 「転嫁」とは元々「再婚」を意味する言葉です。「嫁がせる」を意味する「嫁」と、「別の場所へ移す」を意味する「転」を組み合わせて「転嫁」となります。
この「転嫁」から転じて「人にものを移す」、「責任を他へ移す」という意味で「責任を転嫁する」と表現されるようになりました。現在では、「転嫁」という単語だけでも「罪や責任を他人に押し付ける」という意味を持ちます。
「責任転嫁」の使い方は? 例文でチェック
「責任転嫁」はどのような文脈で使われる言葉なのでしょうか? 例文とともに見ていきましょう。
1:「上司は、すぐに私に責任転嫁をする人だ」
責任転嫁をする人は、一度きりではなく何度も繰り返す傾向が強いです。自分を守りたい思いから、何かあるとすぐ回避行動に走ります。そのため周りにいる人は迷惑をかけられ続けてしまいます。
2:「責任転嫁をするつもりはありません」
反対に、自分の責任や過ちをきちんと受け止め、言い逃れをしない人もいます。ポジティブな意味を持たない言葉ですが、場合によっては誠実さを表明する効果もあります。
3:「責任転嫁をするような発言に耳を疑った」
実際にミスをしたのは自分なのに、「教え方が悪かった、間違っていた」などと人のせいにしたり、「PCのせい」「電車のせい」「環境のせい」などと他の物のせいにしたりする発言のことです。こうした発言は多くの人から「無理がある」と思われてしまいます。
「責任転嫁」する人の心理とは?
「責任転嫁」をする人の心理を知っておけば、無駄にイライラすることが減ります。主な3つの心理を見ていきましょう。
1:怒られたり、注意されたりするのが怖い
叱られたり、注意を受けたりすることを恐れる気持ちから、責任を他人に押しつけようとしてしまいます。責任を追及されたときに、状況説明や弁明をすることが苦手な場合が多いです。
2:周囲からの評価を下げたくない
自分がミスをしたという自覚があるケースでは、「周囲からの評価を下げたくない」という心理が働く場合があります。周囲にミスを知られることで、自分の評価が下がるのを避けようと、自己防衛に走ります。プライドが高い人や見栄っ張りなタイプが、こういった心理に陥りやすくなります。
3:自分に自信があり無自覚
自分のミスに無自覚な場合もあります。「自分がミスするわけがない」と、無意識に他人のせいにしてしまう、というケースです。このような場合、本人に自覚がないだけに指摘しても効果がないことが多く、周囲は苦労することになります。
責任転嫁されたら? 3つの対処法
それでも責任転嫁をされたら、嫌な気持ちになってしまいますよね。そんな時どのように対処すればよいのでしょうか?
1:上司や同僚に相談する
周囲に相談するのも、効果的な対処法のひとつです。信頼できる上司や同僚などが挙げられます。相談する際には、可能な限り他にも同様の被害にあった人を集めておくのが有効です。同じ立場の人がたくさんいれば、訴えに説得力が増し、効果的ですよ。
2:責任転嫁をされた場合、はっきり「違う」と言い返す
責任転嫁を受け入れずに、間違っている場合は「違う」とはっきり述べることが大切。責任転嫁する人に、甘えは通用しないことをわかってもらう必要があります。また、甘えだけでなく、プライドが高いタイプにも同様です。
3:証拠を残しておく
責任転嫁されたときによく起こるのが、言った・言わないなど水掛け論になってしまうことです。このような事態にならないよう、日常的にやり取りを記録に残しておくことが大切です。口頭で決まったことは証拠が残らないため、客観的な証拠として必ずメールで内容をまとめて送るなどの対策を取ることをオススメします。
「責任転嫁」の類語にはどのようなものがある?
「責任転嫁」の類語としては、「責任逃れ」が挙げられます。自分の責任から逃げることで結果として誰かに責任を押し付けることになりますね。他には「責任回避」があります。また、「責任転嫁」は自分には責任がないと主張するので、「自己正当化」も似た意味の言葉だと言えるでしょう。
「責任転嫁」の英語表現とは?
「責任転嫁」は英語ではどう表現されるのでしょうか? 英語で「責任転嫁」は「shifting of responsibility」となります。responsibility(責任)をshift(移す)ことから、「責任転嫁」の英語表記に当たるとされています。
最後に
いかがだったでしょうか? 責任転嫁をする人の心理やその対処法を見ていきました。周りに思い当たる相手がいる人は、ぜひ対処法を実践してみてください。
TOP画像/(c)Shutterstock.com