【目次】
・「碩学(せきがく)」の意味とは?
・「碩学」と「博学」の違い
・「碩学」の使い方を例文でチェック
・「碩学」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
・「碩学」を使う時の注意点
・最後に
「碩学(せきがく)」の意味とは?
まずは、「碩学」の意味や由来から解説します。
◆碩学の意味
「碩学」は「せきがく」と読み、「修めた学問が広く深いこと、またそのような人」を指す言葉です。
◆碩学の由来
「碩」という漢字には「大きくてかたい」「中身がすぐれている」「立派である」といった意味があります。それに「学」が組み合わさり、「身につけた学問が広く深いこと」という意味になりました。
「碩学」と「博学」の違い
「博学」は、「はくがく」と読みます。「知識が広い分野にわたって、豊富な知識を持っていること」の意味。「博」という字には、「ひろい」「ひろめる」といった意味があります。「博学」は昨今でもよく使われている言葉なので、耳にしたことがあるかもしれませんね。
また、「博学」には人を指す意味はなく、「博学」な人のことは「博学者」と言います。一方「碩学」は、「広く深い学問を修めること、また修めた人」と、一語でそのような人を表す意味が含まれていることに注意しましょう。
「博学」はひとつに限らず、別の学問にも通じており、広くいろいろな知識を持っていること。向上心が高く勉強熱心、かつ記憶力に富んでいるなどの優秀な人に対して、相手を褒める言葉として使うことができます。
「碩学」の使い方を例文でチェック
「碩学」の使い方を例文でチェックしていきましょう。
1:「彼は英語だけではなく、ドイツ語やフランス語にも精通した碩学です」
「広く深く学問を修めた人」を表す「碩学」という言葉は、ひとつの分野だけでなく、複数の分野で活躍した人に対して用いられます。多くの分野に精通している人ということになりますね。
2:「碩学を身に着けるために、ほかの分野についても学ぶ機会を持とうと思っている」
この場合の「碩学」は、「修めた学問の広く深いこと」という意味。ほかの分野について学ぶことで、修めた学問を広げようとしています。
3:「碩学と呼ばれるようになって久しいが、私などは未だに学問の道半ばにいる」
「広く深く学問を修めた人」は、「碩学」と呼ばれています。この場合は、ほかの人から見れば、複数の分野において学問を修めていると思われているが、まだまだ学ぶべきことがあるという意味になります。
「碩学」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
「碩学」の類語や言い換え表現をご紹介します。
1:「有識」
「有識」は、「ゆうしき」と読みます。「学問や知識、教養を備え、見識が高いこと」の意味。「有識」には、「その人」という意味が含まれませんので、人を指し示す場合は、「有識者」と表現します。
例文:「新型コロナウィルスに対する有識者会議が行われた」
2:「篤学」
「篤学」は、「とくがく」と読みます。「熱心に学問に励むこと、またその人」という意味。
例文:「彼は、非常に篤学で、その専門の方ではとにかく日本有数の権威者だという評判であった」
3:「博学多才」
「博学多才」は、「はくがくたさい」と読みます。「博学」は各方面の学問に通じており、多くの事を知っていること。「多才」はいろいろな才能に恵まれていること。ですので「博学多才」は、「幅広い知識を持ち才能にも恵まれていること」という意味になります。
例文:「彼は博学多才で、国境や文化、宗教の垣根を越えて、いろんなことを学び吸収していました」
「碩学」を使う時の注意点
「碩学」は「広く深く学問を修めた人」、つまりベテランの教授や実績のある研究者に対して使うことができます。特に、専門とは異なる分野で結果を残した人に対して用いる表現です。
「碩学」の一語でそのような人を表すため、「碩学」の後ろに人を表す語はつけません。「碩学家」や「碩学者」といった使い方は誤用ですので注意してくださいね!
ただし、「碩学王」はノルマン朝第3代イングランド王(在位:1100年から1135年)だったヘンリー1世の呼称として例外的に用いられるので注意。ヘンリー1世は、知識人で用意周到な人柄であることから「碩学王」と呼ばれています。
最後に
いかがでしたでしょうか? 「碩学」は、碩学者と用いてしまいそうになるかもしれませんが、一語でそのような人を表す意味が含まれていることに注意しましょう。突然いろいろなことが起こるなど、先行き不安なことも多いですよね。迷ったときは、幅広い分野について学問を修めている人の意見に耳を傾けてみるのもよいかもしれませんね。
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