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「三々五々(さんさんごご)」の意味や由来とは?
はじめに「三々五々」の言葉の意味と由来を解説します。
◆三々五々の意味
「三々五々」は、「さんさんごご」と読みます。「三人、五人というような少人数のまとまりになって、それぞれ行動するさま」という意味。たとえば、「三々五々集合する」は、「数人ずつでかたまりながらぼちぼち集合する」、ぴったり時間に合わせて全員が集合するのではない、という意味合いを含んで使われます。
◆三々五々の由来
「三々五々」は、正しくは「三三五五」と書きます。中国・盛唐期の詩人李白の漢詩『採蓮曲(さんれんきょく)』の一節が由来といわれています。「三三五五垂楊(すいよう)に映ず」、これは、「楊の木の影に、あちらに三人、こちらに五人の人が見え隠れしている」という意味です。「三五」を繰り返した熟語が「三三五五」となり、一般的に「三々五々」と書くようになりました。
また「三々五々」の語源は、漢語表現の「三五」がもとになっていたともいわれており、「ところどころに散らばる」という意味を持っています。「三五」の表現は、古典文学の万葉集や夏目漱石の小説にも使われています。
古くから日本では、「三」という数字は吉数とされてきました。それを重ねた「三三」は縁起の良い言葉であるため、結婚式の儀式「三々九度」のように使われています。 しかし、縁起の良い数字の意味としての「三々」は、「三々五々」には含まれていません。「連れだって散らばっている」様子を表しています。
◆三々五々を略した言い方
「三々五々」を「三五」と略して使われる場合があります。意味は「三々五々」と変わらず、「あちらに3人、こちらに5人と、人や物が散らばっている様子」という意味です。ただ、「三五(さんご)」では意味が伝わりにくい場合があるため、「三々五々」と略さずに使う方が良いでしょう。
「三々五々」の使い方を例文でチェック
「三々五々」の使い方を例文でチェックしていきます。日常的には、飲み会などの集合や解散時に、これは「3〜5人くらいずつで集まる」「3〜5人くらいずつで帰る」といった使い方が多いでしょう。
1:「会社の全体飲み会は、毎回15分前くらいから三々五々集まり始める」
2:「あのカフェには、三々五々おしゃべりをする人々の姿が絶えない」
3:「コンサートが終了すると、観客は余韻を残しながら三々五々帰っていった」
「三々五々」の類語にはどのようなものがある?
「三々五々」の類語をご紹介します。
1:「三々両々」
「三々両々」は「さんさんりょうりょう」と読み、「両々」には、「あれとこれも・両方とも」という意味があります。基本的に「三々五々」と同じように、「3人や5人といった少人数のまとまりになって行動するさま」「あちらこちらに散らばっている様子」を表す場合に使います。「三々五々」と比べると、「三々両々」はあまり使わない言葉です。
2:「ちらほら」
「ちらほら」は、「あちこちにまばらにある様、たまにある様」という意味。ちらほらも「三々五々」と同様に副詞であり、「ちらほらと」と使われることが多くなっています。
3:「ぽつぽつ」
「ぽつぽつ」は、「 物があちこちに少しずつあるさま」「物事が少しずつ行われるさま」という意味。一人、また一人と途切れずに人が集まってくる様子などを表します。例えば「参加者が、ぽつぽつ来はじめた」というと、イメージがつきやすいかもしれませんね。
「三々五々」の対義語にはどのようなものがある?
「三々五々」の対義語をご紹介します。
1:「一同に」
「一同に」は、「そこにいるすべての人」という意味。「関係のある人全員」という意味合いで「社員一同」「スタッフ一同」と使います。
2:「一斉に」
「一斉に」は、「全部がそろって同時にする様」という意味。子どもの頃によく言った、「いっせーのーせ」の「いっせー」は「一斉」が由来なんですよ! 「みんな一緒に」「全てが同時に」といった意味で使われます。
3:「勢揃い」
「勢揃い」は、「人々がある目的のもとに一か所に集まること」という意味。「一か所に集まる」ことを強く表しています。「会議室に今年の新入社員が勢揃いしている」などと使う場合、「ある一定の条件のもと集まった人たち」といったニュアンスになります。
最後に
いかがでしたか? 「三々五々集合してください」と言われたら、数人ずつでかたまりながらぼちぼち集合してくださいね、という意味になりますよ。頭の片隅に置いておいてくださいね。
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