【目次】
・「結構です」の意味と使える相手とは?
・「結構です」の使い方を例文でチェック
・「結構です」の類語にはどのようなものがある?
・「結構です」を使う時の注意点とは?
・最後に
「結構です」の意味と使える相手とは?
「結構です」と言われたときに、肯定の意味なのか否定の意味なのかと困った経験はありませんか? 本記事では、2つの意味を持つ「結構です」を詳しく解説していきます。

まずは、「結構です」の意味から解説します。
◆「結構です」の2つの意味
「結構です」には「それで良い」という許可・肯定の意味と、「必要ない」という断りの意味があります。そのため、前後の文脈によってどちらの意味かを判断することになります。「結構です」という言葉だけでは意味があいまいなので、使う際には正しく意味が伝わるよう、注意が必要です。
あいまいな表現は、後々のトラブルにつながりかねません。どちらの意味か明確に伝わるよう、「はい、そちらで結構です」、「結構です、必要ありません」などと意思が伝わる表現も合わせて用いるようにしましょう。
◆「結構です」を使える相手
「結構です」は丁寧語表現になっているので敬語だと思われがち。しかし、実際は目上の相手に使うことは失礼とされているんです。「結構です」はもともと、身分の高い者が目下の者のに対して「それで良い」という許可を与える際に使っていた言葉。そのため現在でも「結構です」には上から目線なニュアンスがあり、場合によっては「偉そう」「生意気」「失礼」だという印象を与えることがあります。
ただし、受け答えとしてではなく会話の文章の中で「結構です」を用いることは失礼には当たりません。たとえば「冒頭部分だけで結構ですので、ご確認いただけるでしょうか」というように使うのは問題ありません。正しく理解して失礼のないようにしましょう。
「結構です」の使い方を例文でチェック

「コーヒーをお持ちしてよろしいですか?」という質問に「結構です」という言葉だけでは、コーヒーが必要なのかどうか分かりませんよね? 以下の例文のように意思表示をする表現を用いるようにしてください。
肯定する場合:「結構です、ありがとうございます」
否定する場合:「いいえ、結構です」
「結構です」の類語にはどのようなものがある?
「結構です」の類語をご紹介します。意思表示を明確にしたい場合などには「結構です」を使わず、類語を使うようにしましょう。
1:「遠慮いたします」
断りの意味での言い換え表現です。目上の方からの食事の誘いを断る際などに用います。
例文:「せっかくのお誘いですが、体調がすぐれないため遠慮いたします」
2:「お気遣いなく」
「お気遣いなく」も断りの意味で用います。差し入れや支援を断る際などに使える表現です。
例文:「それほど不自由はしていないので、どうかお気遣いなく」
3:「十分です」
肯定の意味での言い換え表現です。取引先から受領した書類や品物の確認をし、結果を伝える際などに使えます。
例文:「確かに書類をお預かりしました、こちらの内容で十分です」
「結構です」を使う時の注意点とは?

「結構です」を使う時は、下記の3点に注意してください。
1:許可・肯定の意味なのか、お断りの意味なのかはっきり分かるように使うこと
2:目上の相手には使わないこと
3:冷たい印象にならないよう言葉を補足する
コミュニケーションを取る上では、自分の意思を正確に相手に伝えることはもちろん、伝え方や相手がどう思うかまで配慮することが大切です。状況に応じて別の言葉に言い換えるなど、工夫しましょう。
最後に

ただ単純に「結構です」と用いると、肯定的な意味なのか否定的な意味なのか、相手に自分の意思をはっきり伝えることができないことがあります。便利な言葉ではありますが、会話の前後に注意しましょう。
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