機能と楽しさを両立した“ちゃっかり”なセレクトがユニークだった2020年
働く女性1,110人を対象に、2020年「いいもの」のアンケート調査をOggiが実施し、ランキング形式で発表する企画「Oggiアワード」。今年のランキング結果をもとに、働く女性たちのモノ選びの視点・傾向について、PRプロデューサーの笹木郁乃さんと、博報堂買物研究所 所長の山本泰士さんに分析していただきました!
世界が一変した今年、モノ選びの基準はどう変わった?
世界中の人々の暮らしが大きく変わった2020年。Oggi世代の働く女性の消費傾向にはどんな特徴や変化があったのでしょうか。
「何より〝外出できなくなった〟ことによる影響が大きいです。忙しく働く女性は特に、これまで〝時短〟〝効率重視〟でモノやサービスを選ぶ人が多く、外食や旅行など、家の〝ソト〟の消費にお金やエネルギーを集中させる傾向がありました。
それがコロナ禍により〝ナカ〟をいかに楽しむかという考え方に変化。調理家電などはいい例で、映える料理が簡単にできて家族や友人と楽しめたり、ほったらかしなのに本格的な料理が味わえたり。単に時間が短くなればいいというだけではなく、新たな楽しみを生むアイテムやサービスが選ばれています」(山本さん)
「ランキングを見ると、Oggi世代の働く女性は素直で真面目な人が多い、というのが第一印象。少々値が張っても王道ブランドやCMCMで話題のもの、〝間違いのない〟製品にしっかりお金をかける堅実さがうかがえます。PCや家電、掃除機、車などはその代表例ですね。
一方でスマートスピーカーなどの最新家電も取り入れるなど、ミーハーというか(笑)、情報感度の高さを感じました。
また、美容家電は世間一般ではコロナ禍でようやく〝おうち美容〟として注目を集め始めた分野。でも、Oggi読者の働く女性たちはすでに性能のいい製品を選び、日常的なケアとして習慣化させています。その美意識の高さはさすが」(笹木さん)
メリハリ消費に加え、賢く得する〝ちゃっかり〟な一面も
「メリハリのある消費傾向も特徴的。たとえばビールなら、1位と3位の生ビールの間に、第三のビールがランクインしています。贅沢な気分になりたいときやご褒美に飲むものと、お風呂上がりなど日常的に飲むものなど、ハレとケを使い分けているのでしょう。
憧れのブランドだけではなく、デザイン性が優れている商品や、性能十分にしてコスパのいいものなど、より質の高いものを選び取る力が高いと感じました」(山本さん)
「マネー編では、〝楽天カード〟など、ポイントが貯めやすく汎用性の高いサービスを選んでいるのも印象的。ここぞというときにはしっかりお金を使うけど、お得なサービスも見逃さない〝ちゃっかり〟な賢さも見てとれます」(笹木さん)
「これからは、コロナ禍の影響と相まって、さらにオンライン化が進むでしょう。買い物するにしてもサービスを利用するにしても、すべて〝画面越し〟で完結する時代がやってきます。
そんな時代の中でいいモノを選ぶには、何より〝信頼できる情報源を見つけること〟がキモになってくるでしょう」(山本さん)
「最近は、YouTuberやインフルエンサーがたくさんいますから、自分の価値観に合う人を見つけてしまうのも手。その人がおすすめするなら買って大丈夫! という基準をつくると、失敗も少なくなります。
情報が偏りすぎないよう、雑誌などのメディアと組み合わせて審美眼を研ぎ澄ましていくと、自分に合ったモノ選びができるようになると思います」(笹木さん)
2021年Oggi1月号「Oggiアワード2020、発表!」より
構成/酒井亜希子・佐々木 恵(スタッフ・オン)、旧井菜月
再構成/Oggi.jp編集部
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