性格と体格が密接にかかわると説く「体癖論」を知ることで、一気に人間関係がラクになる!
約束の時間に遅れる人っています。遅刻が続く相手に対して、「どうしてあと10分、早く家を出てこられないかな〜」「これって忙しいアピールなわけ!?」と、あてもない理由を探ろうと悶々とすることも…。
友人同士なら注意をすることもできるけれど、遅刻をしがちな仕事相手にはなかなか面と向かって言いにくかったりもする。遅刻しがちな人への傾向と対策ってあるのでしょうか?
名越さんが回答!
人の性格というのは体格と深く関わっていて、遅刻癖も性格分類(=体癖)からひもといていくことができます。この身体からくる性格の特徴は、基本的に変えることはできないものですが、その「違いを知る」ことで人間関係はだいぶラクになるのです。
相手の遅刻に翻弄されずに、ストレスにならない方法としては、その「違いを知る」ことと、その「違いを踏まえて対応する」ことです。そこで、今回は、僕が普段から人を診るときに使っている「体癖論」に沿って解説していきます。いきなり衝撃的かもしれないのですが、私は専門家なので包み隠さず言いますね。
遅刻癖の多くは、私から見ると「しょうがない」こと。それは、その人の時間に対する、どうしようもない感覚ですから、少し遅れてくることを前提にしておいたほうがむしろ合理的なのです。遅刻癖がある人の特徴的な体格をまとめてみましょう。
まず、痩せ型の人が多いです。あごはしゃくれ気味で、肩が胸を守るようにぐっと前に出て猫背のような姿勢、鎖骨が横に真っすぐではなく首の周りを巻くようなイメージ。
あと、人の話を聞くときに、ぼんやりと目がすわってくる人が多いです。呼吸器が弱いことも関係していることが多く、潜在的に規則に縛られることの〝息苦しさ〟を避ける傾向へと繫がっているようです。
あくまで無意識にですが、ちょっと規則を破ることで心理的なバランスをとろうとしているわけです。そのうえ、これらの人は朝から低血圧で起きられない体質の人も多く、自覚してもなかなか改められないのです。
ですから、あきらめろとは言いませんが、時間を指定して注意を喚起しつつも、もしもの場合を考慮して計画しておいたほうが、お互いにストレスなく仕事も進められるということです。
この傾向のある人は、朝が弱い一方で夕方からは本領を発揮します。気立てが優しくてセンスがよく、特に美的なセンス、芸術的なセンスに恵まれています。それらの長所を生かせばとても会社に貢献できるでしょう。
まずは遅刻魔さんがこのタイプであるかないかを判別してください。このタイプでないのであれば、なぜ遅刻するのか、その心理的な原因を前向きに話し合うことも、解決のきっかけになることがあります。
人の体格と性格には密接な関係があると説く「体癖論」は、書籍も多くあり、僕の性格分類ゼミでも体癖論を取り入れていて学ぶことができます。職場での人間関係にきっと役立つと思います。
2019年Oggi9月号「名越康文の奥の『ソロ』道」より
イラスト/浅妻健司 構成/宮田典子(HATSU)
再構成/Oggi.jp編集部
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なこし・やすふみ
1960年、奈良県生まれ。精神科医。臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など幅広く活躍中。著書に『SOLO TIME 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』(夜間飛行)ほか多数。