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2020.12.17

男性不妊医師の衝撃の少なさ… 精索静脈瘤の発見が遅れた理由<30代の不妊治療vol.23>

妊活歴が3年目に突入した主婦ライター・34歳クロサワキコの不妊治療体験レポ Vol.23。夫の精索静脈瘤の手術や人工授精、体外受精とステップアップを重ねていくなかで感じてきたリアルな本音をお届け。今回は、精索静脈瘤と不妊の関係についてのお話。

精索静脈瘤ってなに? 見つかりにくい理由とは?【30代からの不妊治療】

妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。

前回は、夫の男性不妊治療のお話をお届けしました。今回は、精索静脈瘤と不妊の関係についてのお話。

研修医でも見落とさないレベル! グレード3の「精索静脈瘤」を発見

(c)Shutterstock.com

不妊治療をしても妊娠しないことがきっかけで、セカンドオピニオンを受けることにしました。総合病院に訪れると、そこでの初診で予想外なことに、夫の精液検査が不十分との指摘を受けました。早々に、男性不妊の再検査を受診。その結果、夫は精索静脈瘤を患っているとがわかりました…。

「奥さん!」と、I先生に大きな声で呼ばれ、びっくりして「ハイ!」と大きな声で返事をした私。「女性の前で申し訳ないけれど、ざっくばらんに説明させてもらうとね…」と、I先生は、精索静脈瘤に関して詳しくお話をしてくれました。

I先生「ご主人の左側の精巣のところにある血管がコブみたいになっているんですよ。これは研修医でも見落とさないレベル。グレード3の立派な精索静脈瘤です。ご主人、さっき触診のときに自分で触ってみてもわかったよね?」

「はい。あれが病気だなんて全然知らなかったです…」

I先生「うん、そうだよね。痛みとかなければ、そのまま自分に精索静脈瘤があることを知らずに、生涯を閉じる男性がほとんどだと思う」

「その精索静脈瘤があると、なんか、まずい感じなんですか?」

今になって思えば、自分でももう少しマシな聞き方はできないのか! と思うのですが、恥ずかしながらこの「精索静脈瘤」という言葉をこの時はじめて聞いたので、重篤な病気なのか、軽い症状の一種なのかもわからず、胸がドキドキしてしまいました。

不妊カップルの男性の4割も!? 精索静脈瘤があると何が問題なの??

(c)Shutterstock.com

医師がゆっくり説明を続けてくれました。

I先生「大丈夫。精索静脈瘤があっても、命にかかわるような話じゃない。ただね、静脈にコブができて血が逆流したりすると、精巣のなかの温度がわずかに上昇するので、それで精子に何らかの影響があるんじゃないかって言われているんですよ。本人に自覚症状がなければ、病気とも思わないし、病院にも来ないから、男性全体でどのくらいの人が精索静脈瘤になっているのかはわからないんで、精索静脈瘤があっても、知らずに天寿を全うする男性がほとんどだと思う」

「はぁ~、なんだ、びっくりしました…」

I先生「うん、だけどね、不妊カップルに限って言うと、40%の男性がこの精索静脈瘤を持っているの」

「えー! 4割も…、ですか!」

I先生「そう。男性全体の15%くらいは精索静脈瘤じゃないかっていうデータがあるんだけど、さっき申し上げたように、気がつかない人も多いから、詳しい数字ってはっきりしないんです。でも不妊の男性の割合は40%。だからってね、クロサワさんご夫婦の不妊の原因が、旦那さんの精索静脈瘤だ! と断定することはできないし、治療したからってすぐ妊娠するものでもない。けれども、不妊男性の4割に精索静脈瘤があるということは、もしかしたら私たちの目には見えないレベルで、精子に損傷を与えるような何かがあるのかもしれない。私たちもたくさん研究をしているんだけど、女性の体の卵子とか子宮の話と違って、男性の精子世界は、まだ未知の部分が多いのですよ…」

「なるほど。一応、去年、僕の方が、年齢が妻より上ということもあって、一緒に不妊専門を扱っているクリニックで、男性不妊の検査も希望と伝えたんですけど、超音波も触診もなくって…。その検査、なんでなかったんですかね…」

夫はとてもショックを受けている様子でした。外でこんなに感情が見えるのは珍しいことだったので、私も胸が痛みました。初めから「不妊治療は2人で」と積極的に付き添ってくれて、検査も受けていたのに…。

なんで研修医でも見落とさないレベルの精索静脈瘤を発見できなかったのか? 心のなかが絵具でぐちゃぐちゃっと塗りつぶされていくような心境でした。

不妊治療専門のクリニックで精索静脈瘤の検査すら受けられなかった理由は?

(c)Shutterstock.com

I先生「今ね、日本に男性不妊を専門で診る医師って60名くらいしかいないと言われているんですよ」

「え、え…!? 全国で…?? 都内だけじゃなくってですか??」

何かの間違いかと思って、思わず聞き返してしまいました。男性不妊専門医、衝撃の人数。

I先生「そうなの。ここの病院には、たまたま2人いるんですが、男性不妊の検査をしたいって言っても、なかなか細かいところまでは専門の先生じゃないと診ないのが現実かもしれない。けれど不妊の原因は男女それぞれに同じくらいある。だからうちの病院は、必ず初回は2人で来てね! ってお願いしているんです。そうはいっても、みんな仕事だ何だって忙しくって、奥さんだけで来ちゃうケースもあるんだけど、今日、クロサワさん、ご夫婦でちゃんと来てくれてよかった」

「はい、本当によかったです」

私はこのセカンドオピニオンの日、総合病院でもステップアップをしたほうがいいと言われたら、自分の治療を進める覚悟でした。けれど、思いがけず、告げられた夫の精索静脈瘤。夫も先生もよかった! っていうけれど、正直、まだ心配のほうが大きくって二人のやりとりを聞きながら複雑な気持ち。

どの病気にも言えることかもしれませんが、複数の治療法や原因の可能性がある場合、それを丁寧に説明してくれる医師に出会えるかどうかってとても大きいと思います。

まして、金銭的にも体力的にも負担が大きい不妊治療。「男性不妊の検査」とひと言でいっても、検査の内容が医療機関ごとにこんなにまちまちだなんて…。しっかり調べたり勉強したり、不妊治療をはじめるときは患者側も、医師に任せっぱなしではダメなんだなと痛感しました。

次回は、精索静脈瘤の原因と手術の必要性についてのお話をお届けしたいと思います。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

クロサワキコ

34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。


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