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WORK

2020.11.23

男性は新しい環境で居場所が欲しくてカマすんです! そんな男はスルーせよ『女のお悩み動物園』出版記念ジェーン・スーさん×オッジェンヌ対談!

Oggi人気連載『もやもやの泉』でお馴染みのジェーン・スーさんの最新刊『女のお悩み動物園』は、Oggiで約5年にわたって連載を続けるコラムを一冊にまとめたもの。新刊発売を記念して、Oggi世代代表・オッジェンヌ5期生の有木万美子さんに、スーさんに実際に今抱える悩みを相談してもらいました。2回目のテーマは「仕事」です。

前回の対談テーマ「恋愛」はこちらから

仕事の悩みの極意:仕事は仕事、男女も年齢も割り切って上手く立ち回る

有木さん:30代になってから経験がついてきたからか、どんどん仕事が楽しくなってきました。でも、部下を持つようになったり、プロジェクトを見る立場が変わったりすることで、20代とはまた違うことで悩むようになったなって。

スーさん:自分の30代を振り返っても、Oggi読者の方から送られてくる悩みを見ても、仕事での悩みはいつの時代も本当に尽きないなと思います。しかも、特に会社で女性が抱える仕事での悩みって、男性中心の社会と女性中心の社会でルールが全く違うことが原因だったりするんですよね。

有木さん:どういうことですか?

スーさん:男性が中心の社会では、特に「強さ」を重んじるようです。「弱さ」を見せられないとも言えます。周りにナメられちゃいけないんですね。女性ばかりのチームに新しく人が入ってきても、先輩がその人にいきなり無茶をやらせてカマすってことはあんまりないですよね。まずは、お互いどんな人か様子を見る。

でも、男性社会では、飲みの席でしごいたり、バカなことをさせたりと通過儀礼を経て仲間に入れる、いわば軍隊の世界。男女でやり方が全然違うんです。

こういった通過儀礼に慣れている人ほど、特に女性にはナメられたくないと考える傾向があるようです。男性が男性社会のルールでカマしてくると、女性社員から「中途で入ってきて部下になった年上男性社員への指導に困っています!」とか、「男性社員にマウントを取られてウンザリです!」みたいなお悩みが発生するんです。私もサラリーマン時代にたくさん見てきました。

有木さん:確かによく耳にしますね。転職先だったりすると、今まで自分が積み上げたキャリアや経験もあるし、男性側からしたら「自分はできるんだ」ってことをアピールしたくなるのかな。

スーさん:おっしゃる通りですね。男女問わず「早く実績を出して自分の能力を証明したい」と思うところはあると思いますが、どちらも「新しい環境に居場所がほしい」という願望ほうが大きいんじゃないかな。だけど、一部の男性は「ナメられちゃいけない」が先に立ちすぎて、女性相手にどう自分の居場所を作っていいのかがわからないんだと思います。

業務がスムーズに進むことが一番だから、なんでも聞いてもらったほうが良好な関係が築けるのにね。もしこういう場面にあったら、スルーが一番。効果がないってことを知ってもらう。マウントを取っても居場所は作れないんだって気づいたら、無駄に威張らなくなるはずです。

有木さん:私も悩んだことがあるんですが、仕事仲間に対しては年齢や性別関係なく、仕事以外の会話でコミュニケーションを積極的に取るようにしたんです。そうしたら、仕事でのコミュニケーションもよりスムーズになって!

スーさん:スバラシイ! 業務以外のコミュニケーションで億劫がらずにフラットに接すれば、状況が変わることもあります。

有木さん:ありがとうございます。でも、できるならそんな男性も頼りやすいような女性になりたいでのですが、どうしたらいいですか?

スーさん:うーん、この場合、頼れるか否かは女性の問題じゃなくて相手の問題だからなぁ。手っ取り早いのは、キャラクターを作り上げてしまうこと。年上とか男性とか関係なく、仕事は仕事で割り切って振る舞う人というキャラクターですね。相手が年上でも、機嫌を損ねたくないからと不必要に譲る必要は全くなし! 相手が男性でも年上でも、仕事は仕事。そこはわからせないと(笑)。

有木さん:絶対譲らない(笑)。

スーさん:そう、絶対譲らない(笑)。そういうキャラで行く。

有木さん:男女だけでなく、立場の違いも仕事での悩みの原因になっているのかなって。上司との付き合い方とか、私の周りでも悩む人は多いです。

スーさん:仕事をしない上司とか。いますね、どこ行ってもいますねー。しかも手柄取りマンだったりすると悲劇ですよね(笑)。

有木さん:日本は年功序列の会社が多いから、能力ではなくて年齢が一番大きな昇進の理由だったりしますもんね。

スーさん:仕事をしない上司の部下になったら、同僚みんなで一斉に手を離すといいですよ。その上司がやらなければいけない分の仕事っていうのが絶対にあるから、一致団結してそこは絶対に助けない。そうすれば、その人のボロがより明るみにでるはずです。もし何か言われても、みんなでしれ〜っとする。上司は態度を変えざるを得なくなります。ついてこない部下がひとりやふたりじゃない場合はね。

あと、その上司が仕事ができないことは多くの人が知っているだろうから、そこを匂わせて他部署にコネクションをたくさん作って、協力者を増やしておくのもいいですよ。仕事もスムーズに進むようになりますし、相談することで誰のせいで困っているのかが周りに伝わりますし、知識が増えて自分のためにもなります。

有木さん:なるほど…、とても実用的なアドバイス…! 早速実践してみます。

スーさん:決定権を持つ役職に就く人の多くが男性の場合、職場はどうしても男性社会のルールに則りがちになります。女性であるだけで不利になることが多いんですよね。それでもうまく乗り切るには、会社の仕組みをちゃんと知っておくことがカギ!

誰の命令がどうやって下りてきているのか、誰にどんな権限があるのか、決定権は誰が持っているのか、をちゃんと把握して、うまく立ち回ること。無償のケアをアテにする人を「よかれと思って」と助けないこと。

有木さん:どうやったらそういうのがわかるようになりますか?

スーさん:ベティ・L. ハラガンの『ビジネス・ゲーム』という本があって、1993年に書かれた作品なのに、2020年の日本でも十分通用する内容なんです。女性がどう会社で働いていくかという内容なんですが、私は初めて読んだ40歳くらいのとき、目からウロコが落ちすぎて前が見えなくなるくらいの衝撃を受けました(笑)。ガーン! 下手こいてた私! って。25歳くらいの時に読んでたら、サラリーマン生活全然違っただろうなあって。

女性たちよ、もっと走ってくれ。

スーさん:今の日本の女性は何かやりたいことがあっても、社会のシステムとか、周りの問題でできなくて、悩んでいる人が多い気がします。例えば、男性を怒らせないのが良いとされる雰囲気が根付いてしまっていたり。そうすると、はっきりものを言う女性は周りから気が強いと言われたり、うまく男性を転がせる人の方がいい評価をつけられることがあるかもしれない。でもそれで何かしたいことを諦めたり、我慢するのは違いますよ! 留学でも起業でも独立でも、どんどん挑戦してください。もっと走ってほしい、そう思います。

お悩みを抱える女性はスーさんの最新刊『女のお悩み動物園』をバイブルに!

「自分はどうしたら良いんだろう」と悩んでいたことが、もしかしたら社会の慣習、会社のシステムなどの環境によるものかもしれない。もしかしたら、問題があるのは相手かもしれない。スーさんの言葉を聞いていると、自分の悩みが半分になる気がします。

しかし、スーさんにいつも相談できるわけではない… そんな時に、スーさんご本人の代わりに自分の悩みを客観的に捉えるお手伝いをしてくれるのが最新刊『女のお悩み動物園』なんです!

モヤッとしたときに手に取って、いろんな動物の悩みを読めば、きっと心が軽くなるはず。

詳しい本の内容はこちら!

撮影/黒石あみ 文・構成/坂巻貴紗

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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