「押印」なんて読む?
コロナ禍によりテレワークだけでなく、これまで対面で行われていた手続きなど、様々なことが在宅で行える世の中に変わった2020年代。行政手続きもオンライン化が進められる中で、ハンコ生産数の減少や、押印廃止もニュースになっていますね。
脱ハンコにかかるニュースのキーワードでもある「押印」。みなさんは正しく読めますか?
◆正解は「おういん」
押印とは『印を押すこと』をいいます。
押は、押すや押しと使うことが多いですね。軽井沢にあるのは鬼押出し園(おにおしだしえん)ですし、「おしいん」とも読めそうですが、正しくは「おういん」です。
押はもともと音読みで「おう」と読むため、熟語で使われる際には「おう」と読むことが多いんですよ。例えばボタンを押下するは「おうか」と読みますね。
◆似ている言葉、「捺印」
押印と似ている言葉として捺印があります。捺印は「なついん」と読み、『印判をおすこと。また、おした印影』のこと。
押印と同じ意味に思えますが、特にビジネスの場面では使い分けられています。
もともと押印は記名押印の略として使われており、印字された名前やスタンプなどで押した名前、本人以外が書いた名前の横に印鑑を押す場合に使います。
一方、捺印は署名捺印の略として使われており、自筆で書いた名前の横に印鑑を押す場合に使います。
現状、署名捺印 > 署名 ≧ 記名押印の順でその書面の信頼度の高さにつながっているんですよ。
いかがでしたでしょうか?
2020年秋ごろに押印を見直す議論が活発化、河野太郎行政改革担当相が国の行政手続きを巡り不要な押印廃止を各省庁に求めた結果、令和3年4月1日以降には年末調整・確定申告などの手続きに、押印が必要なくなりました。婚姻届についても令和3年9月1日以降に押印が不要に。
マイナンバーカードを活用して、e-taxやふるさと納税などがオンライン上で完結できるようになるなど、利便性がさらに増しています。
言葉の意味/デジタル大辞泉
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!