今年の「中秋の名月」は10月1日(木)!
ようやく朝晩を中心に秋の深まりを感じられる日が増えてきましたね。秋といえば、「中秋の名月」。2020年の中秋の名月は10月1日(木)です。
まん丸なお月様がきれいに夜空に浮かぶイメージですが、中秋の名月が実は満月とは限らないこと、ご存知でしたか?
▲国立天文台ホームページより
◆そもそも中秋の名月って?
「中秋の名月」とは旧暦の8月15日の夜に見える月のことで、「十五夜」とも呼ばれています。月見の宴をする習慣は平安時代に中国から伝わったとされていて、秋の収穫祭でもあることから、芋を備える「芋名月」とも呼ばれます。旧暦では7~9月が秋で、それぞれ初秋、中秋、晩秋と呼ばれていたために、8月の月を中秋の名月としていました。
▲国立天文台ホームページより
◆どうして中秋の名月=満月にならないの?
実は、2020年10月の満月は10月2日なので、中秋の名月とは1日ずれることになります。中秋の名月は満月と思い込みがちですが、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
旧暦は月の満ち欠けを基準にしていて、旧暦では新月の日が1日となります。新月から次の新月になるまでの29~30日を1ヶ月とし、真ん中の15日が満月とされていました。ですが実際には月の軌道は楕円形のため15日に満月になるとは限らず、中秋の名月と満月は一致しないことがある(むしろ一致しないことの方が多い)のです。
▲国立天文台ホームページより
とはいっても今年の満月と中秋の名月のずれは1日なので、中秋の名月にはほぼ真ん丸のお月さまを楽しめそうです。来年は中秋の名月と満月が一致する見込みで、2013年以来、8年ぶりのこととなります。
◆十五夜だけじゃない「十三夜」とは?
十五夜の後には「十三夜」というお月見もあります。旧暦9月13日の月のことで、十五夜と並んで美しい月とされてきました。2020年は10月29日です。
十五夜を「芋名月」と呼ぶのに対して、十三夜は栗や豆を供えることから「栗名月」、「豆名月」ともいいます。またどちらか一方の月しか見ないことを「片月見」といって、あまり縁起がよくないそうです。どちらの月も雲に隠れることなく見られると良いですね。
秋になると大気中の水蒸気やチリが減り、澄んだ夜空に浮かぶ月の光がよりいっそう輝いて見えます。月の光に照らされると心が洗われるようにも感じられますよね。夜は肌寒いので、温かい飲み物を片手にお月見をぜひ楽しんでください。
参考:国立天文台
TOP画像/(c)Shutterstock.com

気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。