クーポンって何語なの?
我らの味方、“クーポン”♡ 響きも可愛いですよね。
ところで「クーポン」って何語かご存知ですか?
◆「クーポン」はフランス語
クーポンとは、デジタル大辞泉によると、
1:切り取って使用する券。回数券など
2:乗車券・指定券・宿泊券などをひとつづりにしたもの。また、一定の条件で利用できる割引券や優待券
3:債券の利札。また、そこに表示された利息のこと
という3つの意味をもちます。私たちに馴染みがあるのは[2]、特に割引券や優待券の意味ですよね。
「クーポン」は、もともとはフランス語の「couper」(切る、切り離す)に由来し、クーポン「coupon」(切り取られた一片)という意味でしたが、そこから切り取って使う券などを指すようになるとともに、英語としても取り入れられていきました。
アメリカでは広告に切り取って使う割引券をつけることが多く、「クーポン」という言葉の由来がマッチしたんですね。わたしたちは「クーポン=割引券」ですが、語源から回数券などの切り離す方式の金券のことも「クーポン」というんですよ。
◆金融用語にも“クーポン”がある
実はもうひとつ、「クーポン」が使われる場面があるんです。それは金融取引の場面です。国や地方公共団体、事業会社などが、資金を調達するために発行する債券と呼ばれる証書があります。資金を調達するということは、お金を借りるということ。
お金を借りた際は借りた金額に加えて、利子と呼ばれるお金をプラスして返すことが通常です。この利子にあたる部分がクーポンと呼ばれます。債券にも利子を払ってもらうために切り離して使う利札というものがついていることから、利札を使って受け取る利子のことをクーポンと呼ぶようになったんですよ。
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いかがでしたか? クーポンの語源が割引や優待というお得を意味する言葉ではなく、切り離すという意味だったなんて意外でしたよね。
最近はクーポンもアプリになっていたりと電子化がすすみ、実際に切り離して使うことは減ってきていますが、語源を知るとクーポンの変遷も感じられますね。
言葉の意味/デジタル大辞泉
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!