知っておきたい【男性の妊活】について!
男性の妊活に必要な精子は、年齢を重ねていても作り出すことができるものの、若い頃に比べると、妊活力は低下しやすいと言われているんです。
精子のアンチエイジングというと、カラダや肌の若返りよりもハードルが高いイメージがあるのですが、実はセルフ・クリニックの両方でケアをしていくことができます。
ここでは、精子のアンチエイジングがどのようなメソッドなのか、クリニックで受けられる方法と、セルフで始められるケアの両方をまとめてご紹介しましょう。
◆男性も妊活できるの? クリニックで受けられること
年齢を重ねた男性の妊活は、精子の活動力・妊娠力が若い頃よりも低下しているため、そもそもアンチエイジングができるのか、具体的なメソッドがとても気になりますよね。
クリニックでは、【精子凍結】という治療を受けながら、精子のアンチエイジング・男性の妊活力を高めていく方法が世界的にも注目を集めています。
ここでは、男性の妊活に役立つ精子凍結について参考にしてみましょう。
精子凍結とは? メリット・デメリットは?
男性の妊活として注目されている精子凍結は、精子を採取し、生きている精子のみを保存液で処理したのちに、液体窒素にて保存する技術です。
精子凍結には、
・ARTの施行当日に精液を採取できなくても質の良い精子を一定期間保存できる
・将来、化学療法や放射線療法などで精子がダメージを受けることが予想される場合に、良好な状態の精子を保存しておくことで備えることができる
などのメリットがあり、年齢的なネックにかかわらずに、良好な精子を一定期間保管できます。
精子凍結の気になるデメリットは、
・精子凍結をしても、必ず妊娠できるわけではない
・精子凍結は費用が高額である
といった点があります。
精子凍結はいつまでできる? 保存はいつまで可能?
精子凍結に年齢制限はなく、保存も半永久的に可能ですが一般的に精子凍結は1年更新のため、毎年クリニックで延長同意書提出や費用支払いが必要です。
◆精子のアンチエイジング! セルフケアのメソッドとは?
精子のアンチエイジングは、はじめて妊活をスタートする男性であっても、手軽にできるメソッドがたくさんあります。今日から徐々に男性の妊活力を高めていくことができるよう、精子のアンチエイジングに役立つ方法をさっそく参考にしてみましょう。
禁煙をする
精子のアンチエイジングを始めるなら、まずは禁煙することが第一のステップ。タバコには、精子の数や運動率を停滞させてしまう有害物質が含まれているため、禁煙することでこのデメリットの解決につながります。
また、タバコを吸うと精子のDNAが損傷する活性酸素が大量に発生するため妊活中はパートナーとなる女性の安全・健康を守るためにも禁煙は必要不可欠な男性の妊活・精子のアンチエイジングです。
精子のアンチエイジングにお酒はご法度?
適度なアルコールの摂取は、ストレスが解消し、質の良い精子を作ることができるメリットがあるものの、過剰な摂取は逆効果。お酒を大量に呑んでしまうと、精子の質・運動率が低下すると、数々の研究データからも報告されています。
精子の溜めすぎはアンチエイジングにならない?
質が良く、運動率の高い精子を作るためには、精子を出すよりも、溜めておく方が効果的というウワサを目にしたり耳にしたりしたことはありませんか?
実は精子の溜めすぎはアンチエイジングに逆効果で、ストレスから活性酸素が大量に発生したり、運動率が弱まったり、精液中で死んでしまう精子が増えたりすると言われています。
精子の寿命はわずか3日程度となっているため、パートナーとの妊活・スキンシップを楽しみながら、週に1~2回は精子を出すように心がけてみましょう。
~おわりに~
男性は女性に比べると、年齢的なネックがない分、妊活を効率的に進めていけるメリットがあります。クリニックでの専門的なケアと、自宅にいながらでもできるセルフケアを並行しながら、精子の質を高めて、新しい命の誕生を心待ちにしてくださいね。
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医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。
東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。
監修する女性向けアプリ「eggs LAB」では、独自ロジックにより、アプリでの問診で自身の情報を入力することで、これまでにない高い精度での生理日・排卵日予測を実現。不安定な生理周期にも対応した適切なアドバイスや、妊活に関する情報まで、個々の身体の状態にフィットした「あなただけの/あなたのための/今欲しい情報」を発信中。