半年を振り返って気持ちを新たに! 夏越の祓の行事と由来
早いもので6月ももう終わり。2020年も折り返し地点にさしかかっています。6月30日は全国各地の神社で「夏越の祓(なごしのはらえ)」がおこなわれます。今回は、この行事がどんなものなのかご紹介しましょう! 2020年残りの半年が、より有意義に過ごせるようになるかも!?
◆「夏越の祓」の行事?
「夏越し(なごし)」という言葉自体聞いたことがない方もいるかもしれませんね。12月末日を「年越し」というのに対して、6月末日は「夏越し」と呼ばれています。6月の晦日である30日におこなわれます。
夏越の祓は、半年間元気に過ごせたことに感謝するとともに、積み重なった心身の穢れをはらい、これからの半年も無病息災で生きることを願う行事です。
この風習は、茅でできた茅(ち)の輪をくぐって厄を払う「茅の輪くぐり」や、紙の人形(ひとがた)などを自分の体に撫でて半年間の罪や穢れを託し、海や川に流す「形代流し」といったものがあります。最近では環境への配慮からお焚き上げにすることも多いようです。
※2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、各神社によって対応が違っているようです。詳しくはお近くの神社HPまで。
◆何を食べる?
京都では「夏越しの祓」に「水無月」という和菓子を食べる習慣があります。三角形の形をした白いういろうの上に、甘く煮た小豆がのった生菓子です。実は「小豆」にも「三角形」にも邪気払いの意味があり、とっても縁起の良いお菓子なんです。
◆「夏越の祓」の由来
平安時代、宮中では旧暦6月1日に「氷の節句」という行事が行われていました。冬にできた氷を氷室(雪や氷を夏まで貯えておく施設)に貯蔵しておき、そこから取り寄せた氷を口にして暑気払いをしていました。
しかし、氷は貴重で庶民には手に入りませんでした。そこで氷をかたどった三角形の生地に小豆を散らしたお菓子が作られたのです。「水無月」は庶民の氷へのあこがれと知恵からできたお菓子だったんですね。
元々は京都のお菓子ですが、私の住んでいる東海地方でも見かけました。皆さんのお住まいの地域にも売っているかもしれませんよ。私は初めていただきましたが、口いっぱいに広がる優しい甘さに癒されました。これを食べて2020年残りの半年も元気に過ごしたいですね。
6月は1年の折り返し地点。この半年間、年明けに立てた目標は皆さん実行できていますか? 「夏越の祓」は半年を振り返り、気持ちを新たに残りの半年を迎えられる良い機会です。後悔することがあればここでリセットし、残りの半年を全力で駆け抜けましょう!
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気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。