漢字・ひらがな・カタカナはどう違う?
書類やメールを書くなど公私にわたって文章を書くことって意外と多いですよね。最近はブログやツイッターなどSNSで文章をアップすることもあるため、むしろ文章を書く機会は増えているかもしれません。
文章を書く際、同じ言葉であっても、漢字で書いたり、ひらがなで書いたり、はたまたカタカナで書いたりしますね。みなさんはどうやって使い分けていますか? まずは漢字、ひらがな、カタカナの成り立ちをチェックしてみましょう。
◆漢字は中国から伝わった
漢字は、今から約2,300年前の紀元前3世紀頃に、現在の中国から日本に伝えられたといわれています。
紀元前3世紀と言えば、日本は弥生時代。当時の中国は秦。秦の時代といえば秦の始皇帝、万里の長城などが有名ですね。漫画が映画化された『キングダム』の吉沢亮さんが演じる嬴政(えいせい)のモデルが秦の始皇帝と聞くと時代が想像できるでしょうか。
漢字は当初は外交用途に使われていたようですが、徐々に日本で使われていた言葉に意味の合った漢字を当てはめて使うようになりました。漢字が入ってくるまで、日本には言葉はあったけれど文字はなかったといわれています。
◆ひらがなとカタカナは漢字から派生した日本特有の言葉
これまで日本で使われていた言葉に、意味の合った漢字を当てはめて使うようになったものの、もとは外国の言葉ですので、日本で使われている全ての言葉に漢字を当てはめることはできませんでした。
そこで誕生したのが、万葉仮名です。万葉仮名は漢字の音に着目し、漢字を用いて日本の言葉の音を表記するようになりました。万葉仮名ではありませんが、夜露死苦などは当て字であり、漢字の音に着目して日本の言葉を表記している例ですね。
万葉仮名を使って書かれた代表作が『万葉集』です。学生時代、日本史などで覚えましたよね! 万葉仮名は漢字を当てているため、難しい字も多く、1つの音にいくつかの漢字を当てることができるなど、複雑であったため、万葉仮名を崩して簡単にして使われるようになったのが、ひらがなです。
そもそも漢字は外交用途として使われていたところから、日本国内でも男性が政治的な場面で用いるものでした。“公的な場で使われる漢字”に対し、“ひらがなは女性が日常的に使う言葉”として広まっていきました。ひらがなで書かれた作品として有名なものが清少納言の『枕草子』や紫式部の『源氏物語』ですね。
同時期に、万葉仮名の一部を使ったカタカナが使われるようになりました。カタカナは僧侶が読み上げる“経典の読み方メモ”を起源としているといわれています。経典は漢文で書かれており、難しいため、行間に読み方のメモを書き記していたんだそう。
とはいえ、メモを書き記すスペースが小さいことから万葉仮名をそのまま書き入れることは難しく、その解決策として万葉仮名の一部を書くようになったのです。伊の部首であるにんべんがイになったと例を挙げるとわかりやすいですね。
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いかがでしたか? 今回は改めて「漢字・ひらがな・カタカナ」の成り立ちを確認しました。同じ漢字から派生した文字でも派生の仕方によってだいぶ形が異なっているのも納得ですね。ひらがなは女性が使う文字だったことから、まるみのある形が多く、優しい印象を与えるのかもしれませんし、これを意識しながら文章を書いてみるとだいぶ読みやすくなると思いますよ。
次回は、もう少し詳しく、文章の中の漢字とひらがなの割合について解説していきます。
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!