【目次】
・「倍返しだ」はドラマ『半沢直樹』のセリフで流行語にも
・倍返しの意味
・倍返しの類語にはどのようなものがある?
・最後に
「倍返しだ」はドラマ『半沢直樹』のセリフで流行語にも
7月19日からスタートするドラマ『半沢直樹』。2013年に放送された第一弾は社会現象を巻き起こしましたから、ファンが非常に多い作品ですよね。
また、ドラマの劇中で、堺雅人演じる主人公の半沢直樹が放つ「やられたらやり返す。倍返しだ!」という決め台詞は、当時大きなムーブメントを起こしました。一躍流行語となり、同年の新語・流行語大賞で年間大賞を受賞しています。
『半沢直樹』は、池井戸潤の小説「半沢直樹シリーズ」を原作としたテレビドラマのこと。銀行内部での不正を扱ったフィクション作品であり、一般的には視聴率が取れないと言われている「経済ドラマ」です。
本作は、銀行に勤める男性の縦社会が舞台。「女性の登場人物が少なく、目立った恋愛シーンもない」、また、「主題歌や挿入歌などのテーマソングもない」など、視聴率獲得を全く意識していないかのような珍しい作品です。
しかし、「実力派俳優陣による見事な演技力」や「わかりやすい主人公と敵の設定」、「リアルかつ時代劇調の脚本・演出」などが視聴者から支持され、第1話から19.4%という高視聴率を獲得。その後も着実に視聴率を上げ続け、なんと最終話では42.2%を記録し、平成の民放テレビドラマ史上第1位となりました。
倍返しの意味
そもそも「倍返し」の正しい意味は、「贈られたものや受領したものに対して、倍額に相当する金品を相手に返すこと」、「やられた以上に手ひどく仕返しをすること」の2つ。『半沢直樹』の劇中では、主に主人公の半沢が意地の悪い上司たちに対して「やられたことを倍にして仕返しする」という意味で使われています。
しかし、実際には「してもらった以上に恩返しをする」という意味合いでも使うことが出来ますので、そちらも覚えておくと良いですね。
ただし、『半沢直樹』の影響で多くの方が、「倍返し」=「仕返しをする」という意味合いの言葉だと認識しています。そのため、使い方には注意が必要ですよ。ここで「倍返し」を使った例文を少しご紹介しましょう。
1:「これ以上足を引っ張るようなら、徹底的に戦います。やられたらやり返す。倍返しだ! 覚えておいていただこう」
ドラマ『半沢直樹』の劇中で、主人公の半沢が上司である大和田常務ら敵対勢力に対して言い放ったセリフ。全10話の中でも、最も話題を呼び注目された名セリフです。
意地悪な上司に、こんなセリフを言えたら爽快ですね。そんな視聴者の共感を得たことも、『半沢直樹』が高視聴率を獲得し、大人気ドラマになった理由の一つでしょう。
2:「ホワイトデーは倍返しでお願いね」
毎年バレンタインデーには、女性が男性にチョコレートやプレゼントを贈り、ホワイトデーには男性が女性にお返しをするのが日本では一般的ですね。女性としては、どんなお返しが貰えるのかワクワクしてしまうもの。そんなときに冗談まじりで使える一文です。
3:「お世話になったお母さんに、いつか絶対に倍返しする」
使用するシチュエーションにもよりますが、「倍返し」というフレーズだけ使ってしまうと、いかにも「仕返し」をするという印象になりかねませんので、ご注意を。この例文の場合は、恩返しをする決意を表しています。
倍返しの類語にはどのようなものがある?
「倍返し」の正しい意味について伝わりました? 続いては、「倍返し」の類義語をご紹介していきます。「倍返し」の言葉と一緒に類義語も覚えてみてくださいね。では早速、見ていきましょう。
1:意趣返し
「意趣返し」とは、ただ単に「今この場でやられたことをやり返す」という即時的な意味ではありません。もっと根深い恨みや、憎しみを込めた仕返しを意味しています。
ですから、「倍返し」とは違い、憎悪の感情が込められた恨みの強い言葉です。よっぽどのことがない限り、「意趣返し」という言葉を使うことはないでしょう。
2:目には目を歯には歯を
「目には目を歯には歯を」とは、「受けた害と同じだけの害を相手に与えて仕返しをする」こと。「やられた以上の仕返し」を意味する「倍返し」とは、少し意味が異なります。小さな意味の違いではありますが、抑えておいてくださいね。
ちなみに、日本だけでなく、海外でもおなじみの言葉。「An eye for an eye and a tooth for a tooth」英語で表現しても同じですね。
3:お礼参りをする
「お礼参り」には、2つの意味があります。元々の意味は、神仏にかけた願いが叶ったときに、神社やお寺へ御礼をしに行くことです。しかし、このことについてはほとんど知られていません。
世間に周知されている意味は、刑期を終えたやくざが、「警察に密告した者」や「自分を裏切った者」に対して報復を行うことです。
「仕返しをする」という点では同じですが、「お礼参り」は上記の2つとは違い、逆恨みによる仕返しの意味が強くなります。
最後に
「倍返し」の意味や使い方についてご紹介しましたが、いかがでしたか? 縦社会の厳しい日本では、ドラマ『半沢直樹』のように「倍返し」という言葉を上司に使うことは容易ではありませんね。
しかし、前述させていただいたように「倍返し」は、「恩返しをする」という意味合いでも使うことができます。ですから、今までお世話になった方、大切な家族や友人に対しては、いつか絶対に「倍返ししたい」と思って頑張ると良いかもしれませんよ。