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2020.06.20

バラ色の転職成功人生は存在する!? しない!?<アラサー女子の実録>

「転職」に一番必要なのものは? 「転職」経験者の女子たちの実態、彼女たちの言葉からみえてきたものは… 転職経験アリのOLライターがお届けします。

ライター sacco

そろそろ「転職したいな」と考え中のアラサー女子に伝えたい

イマドキアラサーにとって「転職」という言葉は当たり前の選択肢。アラサー世代は転職活性化市場だから、引く手あまた。それでもって「転職」ってどこかで甘美な雰囲気が漂う言葉に感じてしまう事もあるけど、経験者の女子たちの実態、彼女たちの言葉からみえてきたものは天国? それとも…。

今回はケース別に転職体験談を紹介していきます。

ケース1. キャリアアップそしてチャレンジとしての転職

(c)Shutterstock.com

新卒で日系中堅IT企業に就職。約半年間の転職期間を経て10年目に外資系IT企業に転職したK.Nさん(現在34歳)の場合

「新卒で入社した会社は年功序列を重んじる企業でした。だから転職を考えるきっかけも、長期的に考えないと昇進しにくい会社だと身にしみて分かったから。すでに30歳を超えていたので仕事を辞めるには年齢的な不安がありつつも、女性が活躍できる場所で刺激をうけながらキャリアを積みたいと思い切って転職転職先はダイバーシティに力を入れているIT企業で評価などを短期的に行う外資系を選択。チャレンジするには最適な場所だと感じました。

先に言った通り、転職先はダイバーシティに力を入れているだけあって、アラサー女子たちが活躍できるチャンスは多く、人事に関する意思決定も早い企業で入社してすぐ昇進というのも夢ではありません。しかし、これはキャリアアップの落とし穴

意思決定の早さは、『すぐにパフォーマンスを見せてくれ』の裏返し。ゆえに日系企業出身者には刺激が強め。慣れることができなくて数ヶ月で再転職していく人も珍しくない中、私自身、長期的なキャリアパスを考えている日系企業のほうが実は向いていたのかもと思い直しています…。なかなか昇進していかない前職に辟易して転職したにもかかわらず、日々揺れています」

ケース2. 自分を活かすための転職

(c)Shutterstock.com

新卒で通信サービス企業に就職し7年目に約1年間の海外勤務が転機となり、コンサルファームに転職したY.Kさん(現在32歳)の場合

最初の会社で直属の上司からパワハラを受けていたが、長く働かないといけないという固定概念と、パワハラから逃げたくないと考えていたため、職場環境が良くない状況に耐えながら仕事と向き合っていました。

そんな私にチャンスが巡ってきたのは社会人6年目の頃。約1年という短い期間ではありましたが、ニューヨークで働く経験を積むことができ、これが大きな転機となり転職に踏み込むことができました

ニューヨーク勤務時代に知り合ったアメリカ人や中国人、フィリピン人との交流を深めていく中で、私は彼らが自身の専門性やキャラクターを活かしてくれる場所や組織を求めて転職していること、そして自分が不幸になる場所から去ることは当然の選択肢で『逃げ』ではないのだということに気がつくことができ、これが転職に踏み切れた理由となりました。

転職先は欲を出さずに、生活水準はそのままで自分の専門性や性格を活かせる会社を探しました。転職先は多忙を極める会社なので勤務時間的にはブラックだと思いますが、仕事内容や職場環境は良いと考えているので後悔はしていません。

ただ30代後半に差し掛かってきている年齢になり、長時間勤務による疲労がリセットされず溜まり続けています。そのため、今後ずっと今のような働き方は続けられないと考えているので、近頃は、将来の備えとして会社という組織に頼らないでも働ける方法を考え始めています」

ケース3. 自分にとって働く意義を考えた転職

(c)Shutterstock.com

新卒で金融系企業に就職4年半働いて非営利団体に再就職したM.Iさん(現在30歳)の転職体験

「私の転職理由はカッコいいものではありません。強いて言えば以前いた会社が性に合わなかった、それだけです。あと、多くの同世代と方と比べると私はキャリアに関しては無欲なため、キャリアアップ転職というものではありません。

ですが、新入社員のときから『いつかは、この会社を辞めようと』と何気なくは思っていたので3年目に入った頃から、転職するべきかどうかを自問自答した結果、転職。職場では良好な人間関係も築けており、仕事内容への不満はなく充実していましたが、『ここで長く働くつもりなの?』と自分に質問してみると答えは『No』でした。

「No」という答えが出てきたのは、休暇が取りにくい、通勤時間が長い、というのが理由。前職では有給休暇を希望通りに取得するのが難しい環境でした。また、ほぼ毎日ようにある残業と、通勤に往復2時間以上費やしているということにストレスを感じていました。通勤を利用して勉強ということも考えましたが、私にはそういった時間活用をしてまで遠い職場に向かうほど、仕事に対する熱意が見つかりませんでした。

転職して残業もなくなり、通勤時間も半分程度になりました。給料に関しては前の会社の方が良いです。それでも、自由に休みが取れない環境だったこと、残業や通勤時間に時間が奪われていくというのは自分が望むライフスタイルではないので、自由に使える時間が増えたことは有意義です。増えた時間は、家でゴロゴロしたりTV見たりしているだけですが、これが私なので十分満足しています」

ケース4. 辛い職場から逃避するための転職(アラフォーOLライター sacco体験談)

(c)Shutterstock.com

筆者も社会人4年目のアラサー時代と40歳手前での転職経験あり。40歳手前での転職は転職後1年で前職に戻る、という特異的な経験も持つ。転職歴は以下の通り。

(1)新入社員~27歳:メーカ下請け企業 A社
(2)27歳~38歳:IT企業 B社
(3)38歳~39歳:ITコンサル C社
(4)39歳~現在:IT企業 B社

※ (2)と(4)は同じ会社。リターン転職です。

今回は最初の転職経験(1)→(2)についてを紹介します。

27歳での転職きっかけは、パワハラ。新入社員として入社した会社は大きい企業ではなく、大手製造メーカーの下請け企業で、私は、10歳年上の男性先輩と良い関係性を築けませんでした。

嫌がらせのように定時直前に彼から急にタスクが渡され『今日中に終わらせて』と言われることが当たり前に。

そして本人はお気に入りの後輩たちと飲みに行く、という日々。振られた仕事を終わらせることができなかったときは、大勢の前での叱責され… 私はいつの間にか毎日が不安に追われて心が休まる日がなくなっていきました。

そのような状況下で目眩と耳鳴りに襲われ、尋常じゃないくらいの汗が吹き出してしまう、という異変が起こるように。症状は日を追うごとに悪化し、半年後に病院へ。軽いパニック障害・睡眠障害・自立神経失調症と診断されました。いわゆる“鬱”です。

診断を聞いた瞬間に、このままでは身体が崩壊してしまうと考えて転職を決意。善は急げとばかりに活動を開始。転職先は大手IT企業を焦点に絞り約5ヶ月後には希望通りの会社から内定をもらうことができました。

転職先として大手IT企業に絞ったのは、

・当時(2007年頃)、IT企業は好景気だったので転職者採用が活性していた
・現職よりも昇給額やボーナスといった給与面が良かった

という理由。

職種が変わったものの第ニ新卒は適用されない年齢だったため、即戦力採用。当たり前ですが周りから投げられる視線は『戦力要員』としてのスキルが備わっているのか? というもの。

そのため、心にチクチクと刺さる注意や指導は多々あり、加えて同世代とのスキルギャップを感じることも多く何回も心が折れそうになることも。

戦力として働けるようになったのは転職して5年目の頃から。そして33歳の時にプロジェクトリーダーとしても仕事ができるくらいまでになりました。

が、大体の社員は20代後半でリーダーを任されている実態があるがゆえに、私はだいぶ遅いタイプであることは否定できません。同僚とのスキルギャップは今でもつきまとい、今後も払拭されることは無いのだろうと考えています。

OLライターが考える転職実録から見えてきたアラサー女子へのアドバイスは…

(c)Shutterstock.com

私の場合、今の会社、つまりIT企業B社では合計11年以上と長く働けており、新卒で入社したA社と比較すると給料面も良い。信頼できる先輩後輩や上司にも出会うことができたため一般的な見方であれば転職成功事例の一つ。

だが、悔いている部分が大きい。それは、IT企業を選択したこと。逃げたい一心だけで、早々に手を打ってしまった後悔を長く引きずっています。

IT企業に勤めているにもかかわらず、根本であるITがどうも苦手で興味が持てない。これは、働き始めてしばらくしてから気づいた自分のファクトでした。そして、興味をもてない仕事をやり続けるのは不器用な私にとっては苦労が多い。そのため、可能なら過去の私に『自分が本当にやりたいことは何かを真剣に考えて』と伝えたい。転職先候補選びに自分への配慮が不足していたから。

筆者自身の経験と今回紹介した彼女たちの実録から、転職を考え始める時期というのは「自分を見つめ直すチャンス」でもある、と捉えるように。毎日を忙しく過ごしている中で、自分の根本と向き合う時間はおざなりになりがち。だからこそ、『転職』という二文字がリアルに浮かび上がった時に、自分との対話を大切にしたいところ。

ケース1の彼女や筆者のように自分との対話が少ないと、転職結果が大きい後悔に繋がるリスクが高まります。しかし、ケース2や3の彼女のたちのように、自分が何をしたいかをちゃんと見つめた上での行動であれば、納得感の多い転職に繋がります。

転職する・しない、どちらの選択をしたとしても多少の後悔は感じるもの。ただ選択をする上で、しっかりと自分を理解した道筋であれば、来る後悔に対処がしやすくなります。

キャリアアップをするための転職、ライフスタイルを追求した転職、私のように逃げる転職。転職には色んな人生の理由があります。

だからこそ、その分岐点に立った時、自分が進んだ道がより良い判断だったと将来思うことができるようにするためになぜ自分は転職をしたいと思っているのか? 自分は何をして年齢を重ねていきたいのか? ということに、目を向けて自分との対話をしてみてください。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

ライター sacco

IT企業に勤めるお酒ラブ(特にクラフトビールラブ)、毎晩移住を妄想するくらいオージーラブのOLライター。
お酒を片手にシュールな人間模様の観察と妄想するのが趣味。最近は国内のブルワリー情報収集も日課になりつつあるビアギーク街道まっしぐら!

ときに紛争や平和などに思いを馳せる真面目な一面を覗かせたりも。モットーは「ビールで世界平和!」

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