【目次】
・「体裁」とは? 意味や読み方を知ろう
・体裁の使い方を例文でチェック
・体裁の類語にはどんなものがある?
・体裁の対義語は?
・体裁の英語表現は?
・最後に
「体裁」とは? 意味や読み方を知ろう
「体裁」という言葉をご存じでしょうか? 言葉や熟語を知っているけど、正しい意味は理解できていない、という方も多いかもしれません。
「体裁」の読み方は「ていさい」。「外から見た様子や外見」を意味する言葉です。この「外から見た様子や外見」にはいくつかの意味が含まれています。
1つ目は言葉の通り、「物を外から見た時の様子や外見」。2つ目は、「世間の目に映る自分の姿、世間体」という意味です。そのため、相手に迎合したり、ご機嫌をとる振る舞いや言葉を指して、「体裁」と使うこともあります。この場合は「お体裁」という表現をする場合もありますよ。
体裁の使い方を例文でチェック
1:「会議に備えて、書類の体裁を整える」
1つ目の「物を外から見た時の様子」という意味で使用しています。この「体裁を整える」には「修正する」、「見た目を良くする」という意味があるため、書類などの物だけでなく人に対しても用いることが可能です。
また、「体裁を整える」と同様の意味を持つ表現に、「体裁よく○○する」があります。「体裁よく盛り付けをする」などというように使いますよ。
2:「準備は大変だったが、何とか体裁が整った」
「体裁を整える」と「体裁が整う」、よく似た表現ではあるものの、助詞により意味合いが異なります。「体裁が整う」の意味は、「見た目が一定水準に達する」こと。相応の形式が成り立つことを表します。
「体裁が整う」と同様の意味として「体裁をなす」という表現もありますよ。
3:「クリスマスを1人で過ごすのは、体裁が悪い」
この例文で用いられる「体裁」の意味は、「世間の目に映る自分の恰好」。つまり、ここでの表現は「恰好がつかない」「きまりが悪い」という意味になります。
4:「彼は、体裁を保つことを重要視している」
この例文も、「体裁」を「世間体」という意味で使っています。ここでいう「体裁を保つ」とは、「面目を保つ」ことを意味しています。また、「体裁を守った」と過去形にすると「恥をかかずに済んだ」という意味に変化しますよ。
5:「体調が悪いものの、メイクをして体裁を取り繕った」
この「体裁を取り繕う」は、「体裁を保つ」とよく似た意味を持つ表現です。「なんとかして面目を保とうとする様子」、「見た目や世間体を気にした振る舞いをする」といった意味として用いられます。
これらのように、人に対して「体裁」という表現を使う際は、「世間に映る自分の恰好」や「世間体」という意味で用いられることが多いです。
体裁の類語にはどんなものがある?
1:「見栄え(みばえ)」
「見栄え」とは、見た感じや外観がよいこと。「見栄え」は主に服装や髪型など、見た目に対して用いられます。世間体という意味を持たないところが、「体裁」と異なる点ですね。
2:「外聞(がいぶん)」
「外聞」は、世間の評判や世間体のこと。「体裁」の類語ですが、違いもあります。それは、観点の違い。「体裁」は“他人から見た自分”がどのような存在か、自分で考えたこと。
一方、「外聞」は社会的な観点から見た自分の存在のこと。つまり、体裁は自己評価ですが、外聞は周囲からの評価となる点が異なります。
3:「上辺(うわべ)」
「上辺」とは、「見せかけの様子」のこと。例文でも出てきた「体裁を取り繕う」と似たシチュエーションで、「上辺を繕う」という言葉が使われますよ。
体裁の対義語は?
1:「実質」
「実質」は「物事の中身、本質」のこと。外から見た様子や外見を表す「体裁」とは反対の意味を持ちますね。
2:「本質的」
「本質的」とは「重要なこと」「物事の根本的な性質に関わるさま」を指す言葉。「実質」と同様に、「外からは見えない中身や真実」を表現することのできる言葉です。したがって、表面的なことを意味する「体裁」の対義語に当たります。
体裁の英語表現は?
「体裁」を英語で表現する場合、ぴったり同じ言葉はありませんが、近い意味を持つ単語はいくつかあります。特に「外見」という意味の「appearance」や「形式」という意味の「form」などがあてられることが多いです。
また、英文を日本語に訳すときは、かみ砕いた表現をすることがしばしばあります。「体裁」という意味を持つ単語でなくても、文脈に応じて「体裁」という言葉に訳されることがありますよ。
また、「体裁」は、「体裁が悪い」などのように「恰好がつかない」「きまりが悪い」という意味として使うことができましたね。その場合は「気まずい」「きまりが悪い」という意味の慣用表現である「feel awkward」を用いることができます。
最後に
「体裁」という言葉について、理解することができたでしょうか?「体裁」は「体裁を整える」や「体裁を保つ」など、ビジネスシーンでよく用いられる言葉です。自分の言葉として身につければ、ボキャブラリーの幅が広がるはずですよ。
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