5月から! 熱中症に負けない体づくりを
4月はいつまでも空気がひんやりと感じられたのに、5月に入ったとたん夏! という暑さがやってきて体にこたえますよね。暑くなる今の時期から気を付けたいのが熱中症。新型コロナウイルスの影響で家にこもりがちだからこそ、気を付けたいことをまとめました。
◆熱中症対策は梅雨入り前の5月から
熱中症は例年梅雨入り前の5月頃から発生し、梅雨明け後の7月下旬から8月上旬に多発する傾向にあります。熱中症は、気温が高いことなどにより体温調節の機能がうまく働かず、体内に熱がこもってしまうことで起こります。夏だけではなく体が暑さに慣れていない5月も熱中症になる可能性があり、注意が必要です。
◆屋外だけじゃない! 熱中症の約半数は室内で発生
熱中症が発生するシチュエーションというと、どこが思い浮かびますか? 部活中の生徒、農作業中、工事現場の方たち… もちろん、屋外は日差しもたっぷりで熱中症対策が欠かせません。ですが、下のグラフの通り、住居や飲食店など全体の約47%が室内で発生しているんです!
▲「2019年(5〜9月)の熱中症による救急搬送状況(消防庁)」を加工して作成
ほとんど家にいるから大丈夫… と思ったら大間違い! 今すぐ暑さに負けない体作りをしましょう!
◆暑さに慣れるまでには約2週間を要する
暑い日が続くと、体はだんだんと暑さに慣れていきます(暑熱順化)が、こうした暑さに対する体の適応は気候の変化より遅れて起こる傾向があります。暑さに慣れるためには、ややきついと感じる運動を毎日30分程度継続することが必要です。
暑熱順化は運動開始数日後から起こり、2週間程度で完成するといわれています。そのため、日頃からウォーキングなどで汗をかく習慣を身につけておくと、夏の暑さに負けない体作りができます。おうち時間が長い今は、いつも以上に体を動かすことが必要ですね。私も毎日お部屋で動画を見ながら体を動かす時間をつくっています。
◆マスクをしていても水分補給を忘れずに
また、今は新型コロナウイルス感染症予防のためマスクを着用している時間が長いですが、マスクをしていると水分を取ることが少なくなりがちです。人間は軽い脱水状態のときにはのどの渇きを感じませんから、のどの乾きを感じる前に水分を取るようにしましょう。
今年はなかなか故郷に帰りづらいですが、遠く離れたおじいちゃんおばあちゃん、ご両親など身近な人にも声掛けしながら熱中症対策に取り組んでいきましょう!
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気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。