【目次】
・「才媛」とは? 読み方や意味を知ろう
・才媛の使い方をチェック
・才媛の類語にはどんなものがある?
・才媛の対義語は?
・最後に
「才媛」とは? 読み方や意味を知ろう
みなさんは、「才媛(さいえん)」という言葉の意味をご存知でしょうか? 「才媛」とは、「学問・才能がすぐれた女性。才女」という意味で「高い教養や才能のある女性」のことを指す言葉です。知性に優れ、学識のある女性のことを「才媛」と呼びます。
「才媛」という表現を一番よく耳にするのは、結婚披露宴でしょう。お祝いのスピーチで新婦を紹介する際に、「才媛」と褒め表すのが一般的とされています。一度は「当時地元の県立高校に通っていた新婦は、学内で才媛の誉れが高く…」などといった、結婚祝いのスピーチを聞いたことがあるのではないでしょうか。
ただ、近年では披露宴で新婦を「才媛」と言い表すことは、少なくなってきているようです。なぜなら、この言葉が使われ始めた当初は、男女平等という考えが当たり前ではなく、女性が教養や才能のあることを強調する時代だったからです。よって、「才媛」という言葉は、場面や世代によっては差別的に聞こえてしまう可能性があるので注意が必要でしょう。
また、目上の人に対して「才媛」と言うのは、失礼にあたるので気をつけましょう。日本語では、目上の人に対しては「褒める」というよりも「尊敬の気持ちを表す」表現を使った方がいいですよね。となると、「才媛」という言葉を使える場面や相手は、かなり限定されます。
では具体的に、どのような場面で、どのような相手に、使うのが正解なのでしょうか。
才媛の使い方をチェック
さて、「才媛」が「賢く優れた女性」のことを指す言葉だということは分かりましたが、どのように使われる言葉なのでしょうか。先述したように、使い方を間違えると失礼に当たる可能性もある表現ですから、使う際には注意が必要です。具体的な例文とともに、「才媛」の使い方をご紹介します。
1:「彼女は美人なだけでなく、大学を主席で卒業したという才媛だ」
この例文だと「才色兼備」という言葉でも同じ意味を表すことが出来ますね。「優れた才能を持ち、顔や姿も美しい女性」のことを指す「才色兼備」。例えば、「彼女は、まさしく才色兼備だ。」と言っても、同じ意味です。しかし、いかに知能に優れ、賢い女性であるかを強調したいのであれば、例文のように「才媛」を使った方が良いかもしれませんね。
2:「彼女は、アメリカの大学で政治学や経済学を学んだという、才媛の誉れ高い女性です」
「~の誉(ほま)れ高い」という表現は、「~と評価の高い」という意味です。よって、「才媛の誉れ高い」とは、「学問・才能に優れていると評価の高い女性」という意味になります。また、「才媛」だけではなく、「秀才と誉れの高い」や「名匠と誉れの高い」など、様々な使い方が出来ますよ。知らなかったという方は、これを機に覚えておくと良いですね。
3:「彼女は海外留学中に大変優秀な成績を修め、大学の卒業生総代に選ばれた才媛と名高い女性だった」
「才媛と名高い」は、「才媛の誉れが高い」という表現と同じく、「才媛」という言葉と一緒に、よく使われる表現です。「~として、よく知られている」、「~として有名である」という意味で、「彼女が賢く才能に優れている」ということを、誰もが知っているような場合に、このような表現をすることが出来ますね。
才媛の類語にはどんなものがある?
続いて、「才媛」の類義語には、どんなものがあるのでしょうか。意味の違いに注目して、使い分けられるようにしましょう。
1:「才女」
平安時代、女性の才能といえば、「文学の才能」を意味しました。そのため今でも「才女」と言うと、文学の才能のある女性を表すことが多いです。また、仕事の能力が高く、きびきびした女性のことを指す場合もあります。それに対して「才媛」は、文才のみならず、全般的に教養豊かな女性のことを指し使われることが多いでしょう。ただ、現代では、どちらもほぼ同じ意味として、「賢く優秀な女性」を表すときに使われています。
2:「賢女」
「賢女」とは、賢く・利口な女性に対して使われる言葉です。「才媛」は、学識などにおいて、才能が優れていることを強調する言葉ですが、賢女は、単に「頭がキレる」、「頭の回転が速い」というような意味でも使うことも出来ます。
3:「秀才」
秀才とは、「一般的な人よりも秀でた才能を持っている人」を意味します。「才媛」は、女性に対してのみ使われる言葉ですが、「秀才」は、男女ともに、優れた知能・才能のある人に対して使うことが出来ます。また、「才媛」は目上の人に使うと失礼に当たる場合がありますが、「秀才」はどんな相手に対しても使うことの出来る表現です。「才媛」と言って良いか分からない場合は、無難に「秀才」という言葉を使うと良いでしょう。
才媛の対義語は?
いかがでしょう、「才媛」の類義語はチェック出来ましたか? さて、続いては「才媛」の対義語を一緒に見ていきましょう。
1:「鈍才」
「鈍才」とは、才能が鈍く、頭の回転が遅い人を指す言葉です。しかし、「鈍才」よりも「鈍感」や「天然」というような表現の方が、私たちにとっては一般的かもしれませんね。もちろん「才媛」の対義語は、相手を褒める言葉ではないので使い方には注意が必要です。
2:「劣才」
通常よりも、学問や才能が劣っている人のことを指す言葉に、「劣才(れっさい)」という言葉があります。ただし、「劣才」も、一般的に誰かに対して使う言葉ではありません。あくまでも、小説の登場人物などを表現する際に使われる言葉でしょう。
最後に
「才媛」の読み方や意味については伝わったでしょうか? また、正しい使い方や類義語についても分かっていただけましたか? あまり、聞き慣れない言葉ですから、正しい意味や使い方が分かっていないと、恥ずかしい思いをしてしまう可能性がありますよね。
冒頭でも紹介しましたが「才媛」は、一般的に結婚式のスピーチで使われる言葉です。しかし、女性であることを強調する言葉であるため、現代では使われることも少なくなってきています。
時代の変化とともに価値観も変化していきますから、適切な言葉も、そのときどきで変わってきますよね。褒めるつもりが、相手に不快な思いをさせては本末転倒です。意味や使い方を正しく理解した上で、状況に応じて使い分けられるようにしましょう。
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