「精進」と「邁進」の違い、それぞれの意味と使い方
新しい年度が始まり、仕事の熱意や意欲を表明する機会もちらほら。そんなときに適切な言葉は「精進致します!」それとも「邁進致します!」さてどっち?
◆「精進致します」は集中して努力すること
精進(しょうじん)するとは『1:雑念を去り、仏道修行に専心すること。2:一定の期間行いを慎み身を清めること。3:肉食を断って菜食をすること。』であり、もともとは仏教用語でした。
そこから意味が広がり、仏道修行などに限らず、『4:一つのことに精神を集中して励むこと。一生懸命に努力すること。』(デジタル大辞泉より)を意味するようになりました。
◆「邁進します」は恐れずに突き進むこと
邁進(まいしん)するとは、『恐れることなく突き進むこと。』(デジタル大辞泉より)。
目標に向かって迷いなく突き進むことを表します。
◆「精進」と「邁進」の使い分けは?
精進と邁進、どちらも一生懸命に頑張るという時に用いる表現ですが、精進はひたむきに努力する姿勢に重きがあり、邁進はエネルギッシュにスピード感をもって進めていく姿勢に重きがあるんですね。例文を参考に理解を深めていきましょう。
例)新しい職場に着任した場合、昇格した場合
「一日も早く戦力になれるよう精進致します。」「より当部に貢献できるよう一層精進を重ねて参ります。」
例)新しいプロジェクトに携わることになった場合
「プロジェクト成功に向けて邁進致します。」
いかがでしたか? 似ている言葉ですが、ニュアンスが少し異なりますので、より気持ちにあった表現を選んで使えるといいですね。
しかし今覚えたとしても、似ているがあまり、どっちがどっちだっけ? と、わからなくなってしまうこともあるかと思います。そんなときのために、最後にとっておきのフレーズがあります。
「今後も精進を重ね、仕事に邁進していきますので、よろしくお願い致します」
このような表現をすれば、これから努力し突き進んでいくという意欲が伝わりますよ。
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!