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2020.03.12

「市松模様」について紹介! その語源やデザインの種類についても要チェック

2020東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムのモチーフにもなっている市松模様。着物の柄などによく使われることから、日本の古来の伝統的模様として知られています。本記事では、市松模様の語源やその種類について詳しく解説していきます。

【目次】
市松模様とは?
市松模様はどのようにして流行したのか?
市松模様の様々な種類について
チェック柄とは違う?
最後に

市松模様とは?

(c)Shutterstock.com

「市松模様」とは格子模様の一種で、日本古来の伝統的模様のひとつとして知られています。正方形や長方形を格子状にシンプルに並べたそのデザインは、上下左右に途切れることなく終わりのないイメージなため、「永遠」や「発展」、「繁栄」の意味を持つ、縁起の良い柄として知られています。

この市松模様、2020東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムのモチーフにもなっていますね。「組市松紋(くみいちまつもん」と名付けられ、国や文化・思想などの違いを示す、形の異なる3種類の四角形を組み合わせて作られています。

日本の伝統色である藍色が引き立つ、この2020東京オリンピック・パラリンピックエンブレム。どちらのエンブレムも、同じ形、同じ数の四角形でつくられているそうですよ。

ちなみにオリンピックマスコットの「ミライトワ」と「ソメイティ」にも同じ市松模様が使われています。

市松模様はどのようにして流行したのか?

(c)Shutterstock.com

市松模様は、古くは「石畳」、「霰(あられ)」などとも呼ばれ、日本では昔からさまざまなモノの意匠模様に使われてきました。

その歴史はびっくりするほど古く、なんと古墳時代の埴輪(はにわ)の服の柄にもあしらわれていたのだとか。法隆寺や正倉院の染織品にも、織模様として多く用いられているといいます。

そんな長い歴史を持つ「市松模様」ですが、「市松」という名前はどこから来ているのでしょうか。実はその名前がついたのは江戸時代中期。佐野川市松という人気歌舞伎役者が、舞台衣装で白と紺を色違いに並べた模様の袴を身につけて登場したところ、当時の女性の間で大人気に。それがきっかけで大流行し「市松」と呼ばれるようになったと言われています。市松模様の「市松」は歌舞伎役者の名前が由来だったのですね。

市松模様の様々な種類について

(c)Shutterstock.com

日本の古典的な紋様である市松模様は、工芸品や染織品だけでなく、今ではインテリア用品や衣類など幅広い分野で使用されています。

私たちの身の回りの物でも、よく見ると市松模様のアイテムはたくさんあふれています。各種パブリックをはじめ、スマートフォンケースやマグカップ、ポーチなど、モダンでありながらも、どこか「和」の雰囲気を持ち合わせているものばかりです。

そして「永遠」や「繁栄」などの意味を持つと言われる柄なので、市松模様の入ったアイテムは、事業拡大や子孫繁栄などの願いを込めたプレゼントにぴったりなんです。

ルイ・ヴィトン定番人気柄のひとつ「ダミエ(Damier)」ラインは、日本の市松模様にインスピレーションを受けていると言われています。ブラウンの濃淡が、落ち着いた市松模様を作り出していますよね。

さらに市松模様で思い出すのは、F1などレースのフィニッシュラインで振られるチェッカーフラッグではないでしょうか。典型的なチェッカーフラッグは白と黒の正方形の市松模様と言われています。

ところで市松模様は、庭園のデザインにもなっているのをご存知ですか? 京都の東福寺には、敷石と苔でできた見事な市松模様の庭園がありSNSなどでも話題に。「フォトジェニック!」と外国人からも人気となっています。

チェック柄とは違う?

(c)Shutterstock.com

▲左:チェック、右:市松模様

外国にも市松模様と似た模様があります。そう、おなじみの「チェック柄」です。チェック柄とは、直角に交差する線や四角形で構成された模様のこと。

でも「市松模様」=「チェック」ではないようです。市松模様はあくまで2色が互い違いになった模様で、デザイン的にその色は交差しません。

一方、チェック模様は二色が交差して重なるものがほとんどです。格子柄のなかでも定番のギンガムチェック柄を思い浮かべてみてください。色が交差して重なる部分がありますよね。

最後に

今年は東京オリンピックの年ということもあって世界中から注目されることになる「市松模様」。エンブレムのモチーフになっている「市松模様」の語源や由来を、外国人観光客に聞かれることがあるかも!? そんな時、さらりと答えられたら素敵ですよね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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