【目次】
・「とっぽい」の意味と語源や由来は?
・とっぽいの正しい使い方は? 例文をご紹介
・とっぽいの類義語はどんなものがある?
・最後に
「とっぽい」の意味と語源や由来は?
この言葉を知っていると年齢がバレると言われるのが「死語」。そこにカテゴライズされそうなのが「とっぽい」かもしれません。
「新明解国語辞典」(三省堂)には「言動や服装が不良じみていて、自分の得になると思えば反社会的なことも平気でする様子、またはそのような性格だ」と記されています。
また、辞書サイトの「日本語俗語辞書」では、こんな解説がされています。
《「とっぽいとは「ずる賢い」「抜け目がない」という意味で明治時代には使われている言葉である。また、当時から粗暴という意味でも使われている。
昭和時代には気障な人や不良じみた人、または双方を含む「気障で不良じみた人」という意味で使われるようになる。これらは「生意気」という意を含んで使われることが多く、直接「生意気」という意味で使われたこともあるが、どちらにしても現在では死語となっている。
とっぽいは香具師・的屋言葉からきたという説もある。ただし、これらはもともと「大きい・太い」という意味で使用しており、先述の意味との関連性があるかは不明。これとは別に「間抜け」という意味でとっぽいというエリアもある》
「生意気」「気障(きざ)」「不良っぽい」「抜け目がない」「ずる賢い」この言葉の並びを見ると、荒っぽい男性のイメージですが、昭和の頃はいわゆる「不良っぽい」という意味で使われることが多かったようです。
また語源については、香具師・的屋言葉が由来になったものとは別に「玄人(くろうと)っぽい」を略したものとする説もあります。あまり経験がない人のことを指す「素人」に対し、その道を究めた達人が「玄人」。「素人なのにあたかも玄人のような振る舞いをしている」ことから、「くろうとっぽい」「とっぽい」に変化したという説も有力だと言われています。
とっぽいの正しい使い方は? 例文をご紹介
1:「新人なのに、とっぽいやつだ」
若い人で、ちょっと生意気な人は「とっぽい」と言われることが多いようですね。体育会系の部活などでは、生意気、ずる賢いという意味でも使われるようです。
2:「あんなにおとなしい子なのに、彼氏はすごくとっぽい感じだった」
よく「とっぽいお兄ちゃん」なんて言い方をしますが、気障で不良っぽい感じの男性は、そう形容されることが多いようです。「とっぽい」は基本的には男性に対して使う言葉ですので、女性には使わないようにしましょう。
また、他人から「とっぽいね」と言われて、「ずる賢い」「抜け目がない」という意味にとり、あまりいい気持ちにならない人もいますから、使う時はTPOを考えましょう。
3:「社会に出たらずいぶん、とっぽいこと言うようになったね」
この言い方は、気障になったとも、ずる賢くなった、粋になった、とも取れる使い方です。シチュエーションによって、使う相手によって若干意味が異なる言葉ですので、誤解が生じないような使い方をしましょう。
とっぽいの類義語はどんなものがある?
1:「気障(キザ)」
「気障」とは服装や言葉遣いなどが気どっていて、嫌な気持ちにさせることを指します。このような人は相手の気にさわる→気障(きざ)わりになる、というところから「気障」と言われるようになりました。
2:「高慢(コウマン)」
知識や教養をひけらかす、気どっていて嫌味が多いことを意味します。生意気で嫌味なさまを俗っぽく表現すると「とっぽい」と同じニュアンスになります。
3:「狡猾(コウカツ)」
悪意があり、ずる賢いことを指す言葉です。「悪意のある」という意味を持つので、抜け目のないズルさを強調していますからかなり悪い意味で使われます。
最後に
「とっぽい」は、昭和の頃には日常的に使われていましたが最近は会話の中で聞く機会も少なくなりました。ヤンチャなイメージにも近い語感もありますが、年代によって受け取り方が異なる言葉ですので、使う時には気づかいを忘れずに。
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