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LIFESTYLE

2020.01.05

流されず自分の意志で働きたい! 本に学ぶ「かっこいい」女性像

書評家の石井千湖さんが、テーマごとにおすすめ本を紹介してくれる人気連載。今回のテーマは「かっこいいってどういうこと?」。

意志をもった、勇気のある女性たちに学ぶ「かっこいい」生き方
30歳からの働く女性にとって「かっこいい」ってどういうこと!?

仕事をバリバリこなし、おしゃれも抜かりなく、リア充に暮らしたい。でも、何か物足りない気がする…。私たちが目ざしたい「かっこいい」女性像を今一度、考えさせてくれるおすすめ本をご紹介。

1『説教したがる男たち』
〝女は下〟という男の常識を痛快に語るエッセイ集

怒るべきことにきちんと怒る人もかっこいいと感じる。たとえば、レベッカ・ソルニットの『説教したがる男たち』は、性差別との戦い方がかっこいい。歴史から災害社会論まで、幅広い分野で画期的な本を書いている作家のフェミニズムにまつわるエッセイ集だ。

はじめに収録されているのが、タイトルにもなっている「説教したがる男たち」。あるパーティで、大金持ちの年配の男が、ソルニットの書いているテーマについて重要な本があるのを知っているかと聞く。実はその本の著者はソルニットだった。男は自分より若い女は無知と決めつけて、読んでもいない本を書いた当人にすすめたのだ。

「いるいる、こういうおじさん」と共感を覚える女性は多いのではないか。「マンスプレイニング(=男性が女性を見下して何かを解説すること)」という流行語も生み出した文章だ。ソルニットはユーモアを交えつつ、根拠を明確にして、彼らが説教することの問題点を指摘していく。理不尽なことに抗う勇気を与えてくれる本だ。

『説教したがる男たち』
著/レベッカ・ソルニット 訳/ハーン小路恭子 左右社
歴史や災害社会論、美術批評まで幅広い分野で活躍する作家のフェミニズムをテーマにしたエッセイ集。男性が女性に説教するというありふれた出来事が深刻な社会問題につながっていることがわかる。性暴力を告発する#MeTooムーブメントも後押しした。

2『かたづの!』
江戸時代に実在した〝知〟で戦う女大名の物語

男女関係なくかっこいいのは、自分の頭で考えられる人ではないかと思う。みんながそうしているからと流されてしまうのではなく、意志をもって何かを決断し、暴力をふるわずに実行できる人。中島京子『かたづの!』の主人公・祢々(のちの清心尼)のように。江戸時代に実在した、唯一の女大名の人生を描いた歴史小説だ。

祢々は、八戸南部氏当主・直政の妻。少女のころから頭脳明晰で、家族と幸福に暮らしていた。ところが、夫と跡継ぎの息子が立て続けに亡くなってしまう。ふたりの死には叔父が絡んでいるらしいが、相手は親族で一番の権力者で逆らうことは難しい。小さな城と領民を守るため、祢々は自ら当主となり、次々と罠を仕かけてくる叔父に知恵で対抗する。

本書の語り手は、祢々の友達であり、寿命が尽きて角だけの存在になってからも彼女を見守る羚羊(=かもしか)の片角(かたづの)。片角のチャーミングな語り口のおかげで、悲痛な話も重苦しくなりすぎない。また、祢々はどんなに血なまぐさい争いに巻き込まれても決して戦をすることはせず、民衆のために最良の道を選択する。平和主義を貫きつつ、現実主義者であるところも素晴しい。

『かたづの!』
著/中島京子 集英社文庫
江戸時代に実在した女大名の生涯をファンタジックに描いた歴史小説。権力をもつ男たちに圧力をかけられながら、頭を使って民衆を守ろうとする祢々を尊敬せずにはいられない。語り手の片角だけではなく、河童など不思議でキュートな生き物がたくさん登場する。

2019年Oggi1月号「『女』を読む」より
撮影/よねくらりょう 構成/宮田典子(HATSU)
再構成/Oggi.jp編集部

TOP画像/(c)Shutterstock.com

石井千湖

いしい・ちこ/書評家。大学卒業後、約8年間の書店勤務を経て、現在は新聞や雑誌で主に小説を紹介している。著書に『文豪たちの友情』(4月13日発売予定)、共著に『世界の8大文学賞』『きっとあなたは、あの本が好き。』がある(すべて立東舎)。


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