実力派声優が仕事論で語り尽くす
その声は明るくて親しみやすいトーン。高い演技力で少年のような瑞々しさから、大人の色気まで表現する――。
『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズの来栖翔役や、『僕のヒーローアカデミア』シリーズの荼毘役で知られる声優の下野 紘さんが、ファッション誌『Oggi』の人気連載「耳恋♡推しの声が聞きたくて」に登場。
7月18日には、我妻善逸役を演じる『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』が公開されるなど話題作にも出演中の下野さんが、仕事論について語ってくれました。
「〝羨む〟から〝見習う〟へと人を見る目もシフトした」
2002年に声優デビュー。2021年には「第15回声優アワードMVS」を、そして翌年にも「第16回声優アワードMVS」を受賞するなど、様々な場で活躍している下野さんですが、これまでの道のりは平坦なものではありませんでした。
声優事務所に所属し、その2年後、2002年には『ラーゼフォン』の主人公・神名綾人役に抜擢されますが、その後はオーディションに落ち続けアルバイトで生計を立てる日々。しかし、テレビアニメ『CLUSTER EDGE』が放送された2005年ごろから様々な作品に出演するようになっていき、声優としての頭角を現すようになりました。
この20代から30代を下野さんは振り返ります。
「目標にすべきものさえ分からなくて、ただがむしゃらに進んでいたのが20代前半。ようやく道筋が見えてきたと思ったら、同時に壁が見えてきたのが20代後半。そこから30代前半にかけては、何かにつけて自分と誰かを比較して、いろんな人をライバル視してばかりいました」。
人を羨んで、自分にないものを求めてしまい、ネガティブになってしまう…。そんな負のスパイラルから脱却できたのは、〝声優・下野 紘〟の天井を感じたこと。
「ゲームでいうところの能力値がカンストしてしまった…みたいな感じになったんです。苦手なことにももっと挑戦しよう、人とは違う場所を目指そう…そう考えていたら、人のことを見ている暇がなくなって、自分自身を見つめるようになりました」。
そんな下野さんは働く『Oggi』世代に、こんなエールを贈ります。
「僕は年を重ねて、周りを見る余裕ができたことで、〝羨む〟から〝見習う〟へと人を見る目もシフトしていきました。今、同じように悩んでいる人も決して焦る必要はないと思います。変化は焦ってするものじゃない。年齢とともに変わっていけるかなと」
インタビューの時間も和やかに
誌面では、きれいめカジュアルなジャケットスタイルで大人の色気を魅せてくれた下野さん。
取材中にはちょっとした冗談を挟んだりと、場を和ませてくれました。インタビューでは、放送中のショートアニメ『えぶりでいホスト』の見どころのほか、さらに深掘った仕事論も掲載。
楽しく生きるため、働くためのヒントが詰まったインタビューの続きは、6月27日発売の『Oggi』8月号で。