「両端ともに尖っていない金づち」の正式名称は?
「金づち」と聞くと、片方の端が尖っているものを、思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。では、「両端ともに尖っていない金づち」はなんという名前か知っていますか?
【問題】
頭の両端に尖った部分のない金づちの名前は…?
1. 釣扇(つりのう)
2. 玄翁(げんのう)
正解は?
2. 玄翁(げんのう)
玄翁(げんのう)とは、頭の両端に尖った部分のない金づちのこと。石を割ったり、のみを叩(たた)いたりするのに使用します。
石に穴をあけ鉄のくさびを差し込んで石を割る矢割(やわり)などに用いる石工用と、2枚以上の板をはぎ合わせる際にはぎ目の面を叩きしめておく木殺し(きころし)などに用いる大工用とがあります。
ハンマーと違い、打面が二つあるものを指します。片方の面は平らで、もう一方は釘の最後の打ち込みをする際、木に傷をつけないようやや凸面です。
「玄能」と書く場合もありますがこれは当て字で、語源は南北朝時代の曹洞宗の玄翁(げんのう)和尚が、人畜を害するという那須の殺生石を巨大な金づちで叩き割ってその石の悪霊を成仏させた、という伝説が由来となっています。
げんのう【玄能】
頭の両端にとがった部分のない金槌(かなづち)。石を割ったり、のみをたたいたりするのに用い、石工用と大工用がある。
[補説]玄翁(げんのう)和尚が殺生石を砕いたという伝説に由来する。「玄能」は当て字。「玄翁」とも書く。
(小学館デジタル大辞泉より)
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