背広やジャケットの裾に入っている切れ込み。これには名前があります!
背広の背面の裾部分に入っている切れ込み、名前を知っていますか? センターだけではなく、両サイドにあることも。フォーマルシーンで着る上着にはありません。それには深い理由もあるんですよ。
【問題】
背広の上着の裾に入っている切れこみの名前は何?
1.ベンツ(ベント)
2.ノット(ノッチ)
正解は?
1.の“ベンツ(ベント)”が正解!
上着の裾の背中や両腰の部分に入っている切りこみのことです。背中で切れこんであるものは「センターベンツ」、両腰にあるものを「サイドベンツ」といいます。
日本名で「馬乗り」という意のベンツ(ベント)は、馬に乗りやすくするために背広に入れられたものです。しかしサイドベンツは船乗り(水兵)が着用するダブルのスーツに、剣を抜きやすくするため入れられたといわれています。そのため、ダブルのスーツは現在でもサイドベンツが主流なのです。
また乗馬用に考えられているため、ベンツ(ベント)が入った背広は外出着とされています。したがって、フォーマルスーツにはノーベンツがふさわしいとされているのです。現代の男性は馬に乗ることもましてや剣を携えることもありませんが、TPOをわきまえ細部までこだわるオシャレな男性はさながら現代の騎士ではないでしょうか?
【ベンツ(vent)】
上着・コートの、背の中心や脇の裾にある切れ込み。布の重なりがあることがスリットと違う。馬乗り。ベント。「センターベンツ」
(小学館デジタル大辞泉より)
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