本棚をおしゃれに見せるインテリアのポイント
本の量が多かったり、本の種類やサイズがバラバラだったり…… そんな理由から、「本棚があか抜けない」と感じている人もいるのでは。
でも、「置き方、飾り方次第で住まう人らしさが出たすてきな本棚をつくることができます。」そう語るのは、TVやラジオなどでも活躍中のインテリアコーディネーター・荒井詩万先生。
そこで、荒井先生におしゃれな本棚をつくるコツについて教えていただきました。次のステップで本棚をつくっていきましょう!
■1:本の量を把握する
当然ながら、本を収納できるスペースには限りがあります。まずは一度本棚からすべての本を取り出し、どれだけの本を所有しているのか確認してみることをおすすめします。
そのうえで電子書籍化されている本や今後読み返すことがない本など、不要な本は思い切って処分しましょう。
■2:種類分けをする
必要な本を見極めることができたら、雑誌、洋書などの大型本、文庫本、単行本、漫画など、サイズやジャンル別に分けます。
■3:収納場所を決める
種類分けをしたら、本棚にどのように収納していくかを決めていきましょう。その際、以下のルールに沿って収納していくとすっきりしますよ。
上の段:普段あまり読む機会はないけれど、どうしてもとっておきたい本
中央の段:お気に入りの一冊や、読む頻度の高い雑誌や本
下の段:お気に入りの本や思い出のアルバムなど
■4:本の高さをそろえる
本を棚に収めたとき、高さが不ぞろいで凸凹ばかりだと落ち着かない印象になってしまいます。できるかぎり本の高さはそろえて並べるようにするのがコツです。
■5:カバーを外す
本棚が散らかった印象になってしまう原因の一つに、背表紙の色の多さがあります。色があまりに目立つ場合は、思い切ってカバーをはずしてしまうとよいです。
色の数が減るだけでも統一感が生まれ、あか抜けた印象になりますよ。
■6:スカスカの段はブックエンドを使う
本の冊数が少ないと倒れやすくなってしまいますよね。本が倒れかかっていると落ち着きのない印象に。そんなときはブックエンドを使いましょう。
黒よりも、主張のない白やグレーのブックエンドがおすすめです。
■7:空いたスペースにディスプレイする
ブックエンドを利用すると、きれいにまとまるだけでなく空きスペースが生まれます。この空きスペースには、小さい観葉植物や雑貨などをディスプレイしてみてはいかがですか。
ディスプレイコーナーがあることで、空間に余裕が感じられてあか抜けますよ。
また、すてきな装丁の本や洋書などは、あえて表紙が見えるように置くのもおすすめ。
そういったひと工夫によって、単純に本を収納する棚からインテリアとしての本棚に様変わりします。
■8:厚みのないモノはファイルに入れる
厚みのない本や雑誌などは、そのまま本棚にしまうと倒れたり折れ曲がったりしてしまいます。
クリアファイルに入れて下の段に収納するとすっきりします。
おしゃれな本棚の実例
■実例1:『ギャラリーに住まう』
▲横浜市 荒井先生ご自邸
荒井先生のご主人が建築設計、荒井先生がインテリアコーディネートをされたご自邸。
コンセプトは『ギャラリーに住まう』。
ご夫婦ともに本や洋書を多くお持ちで、旅行先などで購入した小物をディスプレイしたり、アートを飾ったりするのがお好きなのだそう。
そんなご趣向に合った、ギャラリーのようにフレキシブルなスペース。ご家族やご友人などとアートや並んだ本を眺めたり、食事や音楽、そして会話を一緒に楽しんだり……。自然と人が集まるような、モダンで知的な空間ですよね!
一際目を引くのが、見せる・隠すのバランスを細部まで考慮してつくられたという壁面収納家具。荒井先生がはじめてデザインされたものなのだそう。
▲この収納家具には、国内外の場所で購入されたさまざまな小物、本や洋書がずらり。
▲ご夫婦の本が混在する棚。FRANK STELLA・植田正冶写真集にクニエダヤスエ「和の食卓」。そして、数々のインテリア洋書とともに、太陽の塔の置物などがセンスよく飾られています。
空間ごとに本のテイストやサイズがそろっているため、小物を飾ってもすっきりスマートな印象に。
■実例2:『本棚のあるレイドバック空間』
▲新宿区K様邸
荒井先生が手掛けたマンション、2人の男の子がいらっしゃるK様邸。
お子様たちに絵本の読み聞かせをする時間をとても大切にされているとのことから、コンセプトは『本棚のあるレイドバック空間』。レイドバックとは、「くつろいだ、のんびりとした」としたという意味。
お手持ちの家具や照明を生かしながら、落ち着いた統一感のあるインテリアに。
▲ご夫婦の本、お子様たちの絵本や図鑑・好きなおもちゃなども飾れるスペース。
飾り棚は曲線にすることで、動線をスムーズに。
▲本は、種類やサイズによって収納場所が分けられていることですっきり。
▲海外の本屋さんをイメージし、お気に入りの本や小物をおしゃれにディスプレイ。洋書などおしゃれな装丁の本はアクセントになりますね!
▲ダイニングスペースにも本棚。お子様が大きくなっても自然と会話が生まれるようにするための配慮だそう。
本棚がインテリアとして部屋に馴染んでいて、ご家族が本を通して触れ合う時間をのんびりと楽しめそう。
荒井先生の著書『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』(荒井詩万著:サンクチュアリ出版)では、今回ご紹介した本棚のつくり方以外にも、いまあるものでセンスのいい部屋にする20のルールについて、わかりやすく解説されています。ぜひお部屋づくりの参考にしてみてくださいね!
※実例写真は、荒井詩万先生が手がけたコーディネート事例について許可を得て掲載しています。
取材・構成/川原莉奈
教えてくださったのは… インテリアコーディネーター・荒井詩万さん
インテリアコーディネーター。CHIC INTERIOR PLANNING主宰。日本女子大学家政学部卒。フリーランスのインテリアコーディネーターとして、「友人宅の椅子をひとつ選ぶ」ことからキャリアをスタート。現在までに個人邸のコーディネート、リフォームなど150件以上を手がける。使いやすいプランニング、細かな収納計画、美しい配色にこだわった、住まう人それぞれに合う心地よい空間づくりが人気。インテリアスクールや大学の講師としても活躍。その他、さまざまなセミナーや自宅でのインテリアレッスンなどを通して、今まで4000人以上にインテリアのノウハウを伝える。NHK教育テレビ「資格☆はばたく」、テレビ東京「インテリア日和」、日本テレビ「スッキリ!」など、テレビ出演も多数。
先生の詳細は、こちらから。
書籍『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』(荒井詩万著:サンクチュアリ出版)
センスが無い、お金が無い、子どもがいる、賃貸、狭い、物が多い、でも大丈夫! センス、お金、広さ、全部いらない。4000人以上にノウハウを伝えてきた理論派コーディーネーターが教える、真似するだけの部屋づくり。何も買わずに勝手に部屋があか抜ける! どんな部屋でもあてはまる黄金ルール教えます。
書籍の詳細は、こちらから。