肩や首筋、背中の筋肉の張りに伴う痛みやダルさ…。肩こりは長時間のデスクワークやスマホ使用、過度な冷房による冷えなど現代人にありがちな生活習慣によって引き起こされる症状です。
慢性的な肩こりは、頭痛や吐き気などの症状を引き起こし、長引く倦怠感のために気分が落ち込みがちになるなど心身に様々な影響を与えます。
【目次】
・【肩こりひどい】病院に行くレベルってどれくらい?
・【肩こりひどい】病院では具体的にどんなことをしてくれるの?
【肩こりひどい】病院に行くレベルってどれくらい?
肩こりは、僧帽筋や菱形筋、肩甲挙筋など首・肩・背中の筋肉の血行が悪化して凝り固まる症状のことです。その発症原因は様々で、長時間の同じ姿勢でいること・猫背や前屈みなどの悪い姿勢・運動不足・冷えなど多岐にわたります。
このような生活習慣に関連する原因の場合には、その原因を改善し、ストレッチやマッサージなどを行って血行を改善することで自然と解消していくことが多いです。しかし、長期間放置された肩こりは、これらの小手先のセルフケアを行っただけでは改善しないことも多く、肩や首の痛さやダルさ以外にも深刻な症状を引き起こすことがあります。
肩こりと共に次のような症状が長引く場合には、「単なる肩こり」を軽く考えずに病院での治療を受けることをおススメします。
・非常に強い頭痛や頭重感
・吐き気
・めまい
・強い全身倦怠感
・首や肩が動かせない
受診に適した診療科は整形外科
整形外科が適している一方、頑固な肩こりは高血圧や目の病気、頭の病気などが原因で引き起こされていることがあります。肩こり以外にも気になる症状がある場合には内科や眼科など、それぞれの症状に合った診療科で相談するのも一つの方法です。
【肩こりひどい】病院では具体的にどんなことをしてくれるの?
ひどい肩こりのために病院を受診した場合、まずは首や肩関節などの状態をチェックして、肩こりの原因が首や肩関節にないことを調べる検査が行われます。具体的には、触診やレントゲン検査、MRI検査などが必要に応じて行われます。
そして、僧帽筋をはじめとした筋肉の過度な緊張が原因と判断された場合には、痛みを和らげるための消炎鎮痛剤、筋肉をほぐすための筋弛緩薬などを用いた薬物治療が行われます。また、症状が強い場合には、とくに痛みや筋肉の張りがひどい部位に麻酔液を注入する「トリガーポイント注射」が行われることも少なくありません。
また、肩こりはこれらの対処療法だけでなく、筋肉のコリを根本的に改善するための理学治療法(リハビリテーション)を同時に行っていくのが一般的です。
治療の内容は医療機関によっても異なりますが、マッサージや温熱療法、筋力強化訓練などが必要に応じて行われ、筋肉の血行を改善するための治療や訓練が行われます。
成田亜希子先生
一般内科医。プライベートでは二児の母。
保健所勤務経験もあり、医療行政や母子保健、感染症に詳しい。
国立医療科学院などでの研修も積む。
日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会所属。