熱中症は真夏だけのもではありません。健康に問題のない人でも発症する危険がある熱中症は、全ての人が注意しなければならない病気の一つ。
今の時期からしっかりと暑さ対策を行っていきましょう。
【目次】
・【熱中症 予防】に効果のある食べ物、食事の仕方は?
・【熱中症 予防】に効果のある服装は?
【熱中症 予防】に効果のある食べ物、食事の仕方は?
熱中症は、気温や湿度が高い場所に長時間いることで、体温調節機能が乱れて体温が上昇し、大量の発汗によって水分や電解質が失われる病気です。
私たちには生まれながらに体温調節機能が備わっており、外気温の影響を受けずに体温を一定に保つ仕組みがあります。体温調節の要は、発汗による皮膚温度の低下・皮膚血管の拡張による熱の放散です。しかし、長期間にわたって暑さに晒されると、発汗によって脱水状態となり、皮膚に血液が集中することで、脳や心臓などの重要な臓器に送られる血液量が低下して頭痛や吐き気などの症状が引き起こされるのです。
熱中症は水分と電解質が失われた状態
熱中症による様々な症状を予防するにはたっぷりの水分と十分な量の電解質を補う必要があります。そのためには、適度な塩分を含み、身体を冷やす作用のある食事を心がけることが大切です。具体的には、次のような食品を摂るのがおすすめです。
熱中症予防におすすめの食べ物
・梅干し
・塩かけアイスクリーム
・スイカ
・冷製スープ
・酢の物
ただし、吐き気や嘔吐が見られるときは、胃や腸の消化機能が低下している可能性があります。無理に食事や水分を摂ることで、かえって症状が悪化してしまうこともありますので、病院を受診して水分と電解質補給のための点滴治療などを受けるようにしましょう。
【熱中症 予防】に効果のある服装は?
熱中症は、上で述べたように、体温調節機能の破綻と大量の発汗によって引き起こされる病気です。このため、熱中症を予防するには、体温調節機能を維持し、できるだけ発汗を抑えることが大切です。
体温調節機能は、皮膚血管の拡張や収縮と発汗の調節によって行われています。暑いところに長時間いると、皮膚血管は拡張して皮膚表面に近い部位に血流を集中させます。皮膚表面を通った血液は、外気の影響を受けてこもった熱を放散させるため温度が低下します。また、汗は蒸発するときに皮膚の温度を低下させます。この2つの仕組みによって体温は正常に保たれているのです。
この体温調節の仕組みを正常に維持するためには、服装にも注意を払う必要があります。夏場は湿度も高くなりがちですが、汗が大量に溜まると蒸発が妨げられ、体温調節機能が低下する原因になります。汗の蒸発による皮膚温度の低下を維持するには、汗が乾きやすいよう通気性・吸水性のよい服装を心がけるのがポイントです。特に肌着は夏用のものを選ぶようにしましょう。
また、ウエストなどの締め付けが多い服装や長時間にわたるストッキングなどの着用は、熱がこもりやすくなるので避けることも大切です。
成田亜希子先生
一般内科医。プライベートでは二児の母。
保健所勤務経験もあり、医療行政や母子保健、感染症に詳しい。
国立医療科学院などでの研修も積む。
日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会所属。