精液は健康のバロメーター!
不妊大国といわれる日本において重要なテーマとなっている「男性の不妊」。
「男が変われば不妊は変わる」と題した順天堂大学医学部付属浦安病院 泌尿器科 教授 辻󠄀村 晃先生の講演では、男性不妊について「5.5組に1組が不妊の検査・治療を受けたことがある。そのうち約半数は男性のみに又は男女両方に原因があり、男性にとっても不妊治療は重要」というお話が。
今、妊活を行っているカップルや、これから結婚・妊娠をのぞむ女性にもこれは気になる情報ですよね。男性にも不妊の原因があることが多く、不妊治療が必要というのはどういうことでしょう。
辻󠄀村 晃先生は「昔は100人に1人と言われていた無精子症も、いまは50人に1人くらいいます」と、精子数が減少していることを指摘されています。
また、「単に精子の数の問題だけでない。精液所見が悪いと早死につながっているデータもあります。精液は健康のバロメーターです」と、不妊だけでなく、全身の健康という観点からも精液の重要性を指摘。
ひざ上でのPC作業が精子をつくる機能を低下させる?
精子をつくる機能が低下する要因として辻󠄀村 晃先生は次のように警鐘を鳴らします。
「肥満や喫煙だけでなく、精巣を温めることになる膝上でのPC作業、精子の動きに悪影響を及ぼす可能性のあるWi-Fiも良くない。最も大きな要因は加齢」
辻󠄀村 晃先生のお話の中では、亜鉛をはじめとした抗酸化剤の使用によって、精液所見が改善したデータなども紹介。また最後のまとめでは「不妊症患者は、勃起力が低下している。また精液所見が悪化している男性はEDになりやすい。未婚のED男性は精液検査をしておくことが大切」というメッセージを伝えられていました。
パートナーとの健やかな生活のためにも、さらに今後妊娠を希望するなら、彼の精液や勃起力にも気を配ってみるといいかもしれません。
情報提供/TENGA ヘルスケア
お話を伺ったのは… 順天堂大学医学部付属浦安病院 泌尿器科 教授 辻󠄀村 晃先生
昭和63年兵庫医科大学卒。国立病院機構大阪医療センターに勤務の後、米・ニューヨーク大学細胞生物学臨床研究員。大阪大学医学部附属病院教授などを経て、2017年2月から現職。メンズヘルスクリニック東京で男性妊活外来、男性更年期専門外来を担当し、2018年7月放送のNHKスペシャル「ニッポン “精子力” クライシス」でもデータやコメントを多数提供。