ピルは強い味方だからこそ用法は守りたい
生理のリズムを正してくれる「ピル」は、肌荒れを防いだり、生理痛を和らげたりする効果もあり、女性の悩みを解決してくれる強い味方です。しかし、一方でピルを服用する際には注意して欲しいポイントも!
今回は、ピルとの上手なお付き合い方法についてお伝えします。
服用のキホンは「毎日同じ時間帯」
ピルには、避妊を目的とするOC(低用量経口避妊薬)と、月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的とするLEP(低用量エストロゲン-プロゲスチン)があります。
どちらも共通して、毎日1回1錠、なるべく同じ時間帯に継続して飲み続けることが重要です。また、はじめての飲み始めは、OC、LEPいずれも、生理3日目頃から遅くても生理5日目までに服用するようにしましょう。
飲み忘れは避妊効果が薄れるリスクに…!
毎日飲まなければならないとわかっていても、仕事が忙しくて…旅行に持って行くのを忘れて…など、うっかり飲み忘れてしまった、というケースも多く聞きます。
1日忘れた場合は、気付いた時点で服用し、その日の分はそれまでと同じ時間に飲むようにしてください。もし2日以上服用を失念した場合は、見直しが必要となり、その月の避妊効果は不十分となるため注意が必要です。
飲み合わせはサプリメントに注意!
花粉症の薬や胃の薬など、ピル以外にも毎日服用するお薬がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
風邪薬、頭痛薬などの市販の薬でしたら服用いただいても問題ありません。ビタミン剤も影響がありませんので、安心して服用してくださいね。
しかし、病院からの処方薬については注意が必要です。ピルの効果を弱めてしまう物質が入っている可能性があるため、担当医師にピルを服用していることを伝えるようにしてください。ピルへの影響を配慮してもらえるはずです。
そして、実は注意していただきたい服用が「サプリメント」。精神状態を安定させるために使われる「セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)」は、ピルの避妊効果を下げてしまいます。ストレス解消のためのサプリメントだけなく、ダイエット飲料などにも含まれていることもありますので、確認をするよう心がけてくださいね。
この物質のほかにも、ピルのはたらきを妨げる物質が含まれていることがありますので、サプリメントとの飲み合わせの際には、各販売元に確認をするようにしてくださいね。
喫煙はNG! お酒はタイミングに気を付けましょう
可能性としてはわずかではありますが、血管中の血液が詰まってしまい、血栓になる可能性があるため、服用中は禁煙を心がけてください。
飲酒については、直接ピルの効果を弱めるようなことはありません。しかし、ピルを服用して時間を置かずに飲酒をし、嘔吐や下痢などをしてしまうと、ピルの効果が発揮される前に、体の外へ出てしまいます。そのため、服用直後の暴飲暴食は避けるようにするといいかもしれません。
ピルの効果を最大限に発揮するためにも、服用の際の注意事項をしっかりと守るように心がけてくださいね。
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医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。
東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。
監修する女性向けアプリ「eggs LAB」では、独自ロジックにより、アプリでの問診で自身の情報を入力することで、これまでにない高い精度での生理日・排卵日予測を実現。不安定な生理周期にも対応した適切なアドバイスや、妊活に関する情報まで、個々の身体の状態にフィットした「あなただけの/あなたのための/今欲しい情報」を発信中。